次回の為に①
更新遅くなりましてすみません
夏、アーサーの畑が大変な事になってる。
野菜が次々に実り、収穫するが追いつかない。リツさんが喜んでくれるので、前年度より畑を拡張、トレントの堆肥を使い、皆で整備したら、恐ろしいスピードで野菜が実っている。せっせと収穫しても、2、3日したら実っている。ズッキーニなんて、忘れるとおばけみたいなサイズになってる。
ベリー系の収穫にはミカエル達が恐ろしいスピードでやってくれてる。アンナ達も頑張ってくれている。
たまにマルコフさんやフレナさん達まで手伝ってくれている。
リツさんやマリ先輩達は野菜の処理をしている。
「皆さん、ありがとうございます」
汗まみれになってアーサーがお礼を言ってる。
「構わないさ、たまに、こういったことも楽しいからな」
「そうね」
マルコフさんとフレナさんも汗を拭いながら答えてる。
久しぶりに早めにアルフさんも帰って来て、リツさんが夕飯をご招待した。
私達や『ハーベの光』『紅の波』が揃うのは、スタンビード依頼だ。アルフさんが最近忙しくて、夜遅いのでなかなか揃わなかった。
アボカドと卵のサラダ、パプリカのマリネ、リツさん特製腸詰め、夏野菜のミニグラタン、トマトのマリネの前菜。トマトスープ。ブラックオークのソテー、夏野菜のソテー着き。マリ先輩のバケット。デザートはベリーのタルト。ミルクジェラート、ベリーのジャム着き。
「すまない、リツ君、なんの手土産もなくて」
「いいえ、皆さんにはお世話になってますから、皆さん召し上がってください」
皆でワイワイ夕食だ。
私もお手伝いしたよ。うん、トマトスープいい感じ。パクパク。
デザートに入り、リーダー達が今後の事を話し合う。
今のそれぞれの課題もある。
フレナさん、イレイサー、ローズさんの武器強化。オリハルコンを使用した武器強化だ。アルフさんも加わる。
そして、強化された武器を、私とマルコフさんが自在に扱えるかだ。
私はまだちょっと不安がある。
「俺はあの剣にまだ振り回されている感じがあるな」
マルコフさんがごつい腕を組む。マルコフさんもやっぱり苦戦しているようだ。
「私、できるかしら?」
「俺も自信が」
フレナさんとイレイサーも不安そう。
実は、2人に最後の剣を触らせてみたら、一瞬で分かったようで、直ぐに手放した。それが不安要素だ。
「あんなに馬鹿みたいにオリハルコンや他の素材は使わん。ぐっと楽になるはすだ」
コーヒーを傾けながら、アルフさんが言う。
「材料もないしな」
でしたね。
それでも不安そうだ。
「なら、ヒースに行きます?」
リツさんがカップを置きながら聞いてる。
「いや、あのドラゴンに挑むなら、魔力感知やレベルの底上げをせんとな。せめて、マルコフさんがあの剣を問題なく扱えんと」
あの時はドラゴンのブレスに、アルフさんが耐えきり、最後の剣があったからなんとかなっただけだしね。
だけど、あの最後の剣だけに頼るのはよくない。いまだに最後の剣を長時間扱えるのは、アーサーのみ。私とアルフさんも多少は扱えるが、短時間のみ。
フレナさんとイレイサーがおかわりのお茶を淹れてるアーサーに、こつを聞いているが。
「さあ、難しいですが、逆らわず流せばなんとか」
それを聞いて、フレナさんとイレイサーが沈黙。
「アーサー君って、天才肌なのね」
「そうみたいだ」
ち、みたいなフレナさんとイレイサー。アーサーがおろおろ。
「まあ、アーサーには元々魔力系スキルは高いが、本人が努力を怠らんかったしな」
「ですね」
アルフさんの言葉に、私が頷く。ミルクジェラートぱくり。
くう、となるフレナさんとイレイサー。
「それに申し訳ないが、儂が鍛冶師ギルドをいま離れられん」
何でも、いま、アルフさんの指名依頼が凄いらしい。私の帰国が長引いた事や、スタンビードで鍛冶師ギルドを開けていたので、仕事が溜まりにたまっていると。
「なら、アルフさんは欠席ですね」
向こうでショウからタルトを守っていたバーンが、ええ~、と。
「アーサー君の畑もあるし、ホリィさん達にあの畑を任せるのは大変だし、アーサー君も欠席かしら」
「「「ええ~ッ」」」
アーサーがポットを落としかかる。
「アルフがいないのも困るが、アーサー君がいないのも困る」
マルコフさんまで。まあ、確かに困るけど。
「じゃあ、思いきってレベルの低いメンバーだけで、ダンジョン浅のい所にいきません? 私達ってレベルの差が激しいし」
マリ先輩が手を上げる。
その何気ない意見に、後々大変なことになる。
リーダー達が話し合い、結局、ヒースの低階層に望むことに。
レベルが50以下が望むことになる。
レベル50以下は、『ハーベの光』はバラック、『紅の波』はサリナ、エレ、ララ。私達からはリツさん、マリ先輩、アーシャ、ミーシャ、リーフ、ミカエル達だ。
私は絶賛大反対。ローズさん、サーシャとアーサーもだ。
「ダメダメ、まともな男がバラックしかいないじゃないですかッ」
「ルナっちひどいッ」
リーフが抗議するが、無視。だまらっしゃい。スカート履いたら、びっくりするくらい美少女になるくせに。のりで女装して買い物いったら、ナンパされてそれどころではなく、たまたま見かけた子爵が追いかけて来て大変だったのに。
「いやいや、ルナちゃんが50越してるのにびっくりよ。高いだろうとは思っていたけど」
エレが呟く。
だけど、リツさんが「大丈夫よ」と押しきる。
せめて、ショウを着けてもらうことになった。
本当に大丈夫かな?
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