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救出④

短いです

 私達は朝食後、準備して出発した。おばあ様には説明して、私達はウェルダンの屋敷で休息していることにして、ウェルダンのおばあ様の息がかかった商隊に私達の馬車を紛らせてくれた。馬車は商隊の魔法馬が牽き、ショウは馬車の中だ。

 襲われる場所は大体分かっているので先回りして待ち伏せて待機。

 暗殺方法は、ジェヤード様とメイドさんが乗った馬車の車輪がおかしいからと止め、その間に魔物寄せを仕込んで、他は逃げる。暗殺場所にはとかげ系の魔物が多く、中には火とかげもいる。ジェヤード様自身かなり強いそうだが、身籠っているメイドさんを守りながら、突破して逃げるのは不可能だ。

 ジェヤード様には今頃ナリミヤ氏の蜘蛛が手紙を届けているはず。私の名前の手紙。信じてくれることを、祈ろう。

 襲われる場所は大体検討はついているが、渓谷で、広大なために偵察部隊が結成。部隊と言っても、あの空飛ぶ板に乗ったサーシャとリーフ、とショウだ。ナリミヤ氏は空飛ぶ板に興味津々。で、馬車内で色々してた。

「はい、できたよ。消音と光学迷彩。これでよほど高い気配関知ないと分からなくなるなら。オン、オフ出来るからね」

 この人、ちょっと触って付与したよ。リツさんとマリ先輩ははしゃいでいるけど、他は見なかったことにしといる。

 バーンがアルフさんに聞いているが、忘れろ、と答えてる。

 それから、笛だ。細い笛。リツさんが吹くも、聞こえない。聞こえたのは三兄妹とショウ、ノゾミだけ。さすがの聴覚。3本渡される。偵察中に発見したら、この音に向かって集合だ。

 最後にナリミヤ氏による闇魔法の指導が、アーサーに行われる。魔物寄せは匂いで魔物を呼び集め、ちょっとした興奮状態にする。ショウもノゾミも魔物だ。なので匂いに惑わされないように、闇魔法で嗅覚を鈍らせるのだ。ショウの機動力は、我がパーティーの強みだからね。広範囲に渡る襲撃予定地をカバーするには、どうしても必要だから。うちの優秀なバランサーは、あっという間に習得。

 襲撃予定地を見渡せる場所に、ナリミヤ印の結界道具をひろげたのは、次の日の夕方だ。

「じゃあ僕もう行かないと行けないけど、終わり次第合流するからね」

 そう言って葬儀の為に、ナリミヤ氏はワープで行ってしまった。

「なんだか、一緒に角ウサギに追い回されていた頃が嘘みたい」

 見送ってバーンがぽつり、と呟いた。

 次の日は、しっかり周囲の警戒。付与が増加した空飛ぶ板の試運転の終了。空飛ぶ板には最大2人が乗れるが、重量制限あり。ギリギリアーサーだ。なのでアルフさん、マルコフさん、バラック、イスハーン殿下はアウト。当人達はほっとしている。何故か着いてきたイスハーン殿下。多分、ローズさんにいいとこ見せたいのだろう。張り切ってます。ドワーフ式、イスハーン殿下なりのアピールだ。まあ、貴重な戦力だしね。なので、サーシャ・アーサー、リーフ・アーシャのペアが組まれる。サーシャ・アーサーは大丈夫だろうけど、リーフ・アーシャが心配だ。私が変わりたいが、いかんせん笛の音が聞こえない。絶対に無理しない、突っ込まないとリーフ・アーシャコンビに言っておく。

 残りは予定地に待機。時折ショウが近くを旋回して警戒。

 さあ、いよいよだ。


「皆さん、今回はすみません」

 出発前に、サーシャが謝ってきた。

 見捨てられない、と言ったサーシャ。大事になったからと。

「いいのよ、サーシャ君」

 リツさんが優しく答える。

「そうだサーシャ君。事情を知っているのに知らん顔したら、一生俺達は後悔するからな。気にしないでくれ」

 マルコフさんも微笑ましい顔だ。

 サーシャ達を見送り、私達は静かに待つ。ノゾミだけは呑気にお昼寝だ。

 しばらくしてリーフ・アーシャが戻って来た。リーフ・アーシャはウェルダン寄りを警戒していた。

「馬車が来たよ。襲われるのはこの先みたい」

 バインヘルツ側はサーシャ・アーサーが向かっている。

 リーフ達が戻って来て、馬車と数騎が通りすぎていく。

「この先ね」

 リツさんが声を潜める。

「どうする?」

 アルフさんが聞いてくる。

「そうですね。サーシャ君達と合流した方がいいけど」

 ショウの馬車は目立つ。

 結局、リーフとアーシャに代わり私が空飛ぶ板に乗って合流することに。

 リーフにはスコープあるしね。

「ルナ、無理するなよ」

「はい、アルフさん」

 心配そうに、見送られて、私は板に乗る。うわあ、怖い。様子を見て、ショウの馬車も追うように移動すると。

「ルナっち、大丈夫?」

「大丈夫」

 と、思う。板が浮かぶと、うはあ、怖いっ。思わず、華奢なリーフにしがみつく。なるべく、下、見ないようにしよう。

 あまりスピードが出せないと言っていたけど、十分怖い。

 考えない、考えない、考えない。

 空飛ぶ板は順調に進み、大きなカーブを抜ける。

「ルナっちっ」

 小さいが、リーフの緊張した声。

 小粒ぶみたいだけど、馬車のようだ。

 馬車から馬が外され、逃げていくのがゴマみたいに見える。

「リーフッ」

「わかってるッ」

 リーフの首から下げていた笛を思いっきり吹いた。

読んでいただきありがとうございます

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