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リハビリ②

野良ダンジョン

 色とりどりのデザートが並ぶ。

 フィーラ・クライエで得た果物でできた、タルトやロールケーキが並ぶ。もちろんジェラートもだ。スコーンにジャム、コーヒーを使ったパウンドケーキ、チョコレートを細かくして入っていたクッキーも。

 フレナさんたちがきゃっきゃ言ってる。

「ルナちゃん、どれにする?」

「えっと、それとそれがいいです」

 マンゴーがたっぷりのったタルトと、ミルクジェラート、ブルーベリーのジャム。マリ先輩が皿にのせる。わくわく。

「あれ、アルフ、何飲んでるの? 真っ黒だよそれ」

「これか?」

 アルフさんはコーヒーを飲んでいる。

「コーヒーっていいます。コーヒー豆っていう豆を加工したんです。バーンさん、いかがです?」

 マリ先輩が説明する。

「え、いいんですか?」

 説明すると、興味津々な面々が少しずつ、ブラック、砂糖入り、ミルク入り、砂糖とミルク入りを飲む。

 結局、マルコフさんがブラック、バーンとフレナさんがミルク入り、サリナとキャリーが砂糖とミルク入り。残りはローズさんのお茶となる。

「しかし、ここのケーキはとても綺麗だな」

 マルコフさんがブラックを飲みながら、キウイケーキを食べている。

「本当ね、まるで宝石みたい」

 フレナさんがマンゴー、パパイヤ、キウイ、ブルーベリー、ブラックベリーが美しく盛られたケーキ、パイナップルのシャーベットを食べている。

「この黒っぽいケーキ、渋みがあるけど、美味しいわ」

「本当」

 エレとキャリーはコーヒーのパウンドケーキにミルクジェラート、ラズベリーのジャム添え。

「ガブガブ」

 ララはココナッツのプリンとライチのジェラート、チョコレートクッキーを無言で食べている。

「え、このジャムってアーサー君が作ったの?」

「いえ、畑を任されているだけです」

 スコーンにジャムを塗っているイレイサーが驚いている。

「すごいな」

 バラックはブルーベリータルトだ。

「自分、元農家なので」

「え、そうなの? そういえばアーサー君ってどうして奴隷になったの? すごい魔法スキルなのに」

「えっと」

 アーサーがちらっとリツさんを見る。頷くリツさん。

「実は……」

 アーサーが自身が借金奴隷となってリツさんに買われた経緯を説明。

 スプーンを落として絶句する面々。

「え、そんな理由で?」

「はい、でも、リツ様に買われて自分は幸せですから」

 混じりけないアーサーの笑顔に、バーンはうるうるしはじめる。

「うう、アーサー君、こんなこと言うのなんだけど、ここにいた方がいいよ。美味しいご飯、お腹一杯食べられるからねっ」

 ずー。

 本当に悪い人じゃないね。


「で、野良ダンジョンはどうだったんです?」

 私がマンゴータルトを食べながら聞いてみる。

「そうだな、ちょっと入りくんだ構造だったな」

 マルコフさんがコーヒーのパウンドケーキを食べながら答えてくれる。

「1階から5階くらいまでは初心者でも大丈夫な感じで。6階以降が一気に魔物のレベルが上がって、中堅向きだな」

 ほうほう。

「宝箱もあるが、まあ、初心者向きはポーションや布、皮が出てきて、中堅向きはたまに中ポーション、小さなインゴット、運が良ければ小さな宝石がでたな。罠はあるがバーンやララでも解除できたものだったし」

 中堅向きは15階まで続くと。各階にセーフティゾーンあり、ボス部屋あり。

 16階からはちょっと難易度が上がる。中堅~ベテラン向きで、マルコフさん達はヴェルサスさん達とフレナさん達と進んだそうだ。

 ヴェルサスさん達の動きはすごく良かったそうだ。ここから宝箱のグレードアップする。武器や宝飾品、一度マジックバックも出てきて、手に入れた品々は入れたそうだ。

「オーソドックスなダンジョンのようだが、ただ、ちょっとな」

 マルコフさんが言葉を濁す。

「どうも隠し通路があるようなんだが、わからなくてな」

 ブラックを一口。

「アーサー君の闇魔法なら、詳しく分かったかもしれないわね」

 フレナさんはチョコレートクッキーをぱくり。

「何階まで潜ったんだ?」

 アルフさんが聞く。

「28だ。28のボス部屋に苦戦してな、脱出用の転移陣が出たからそれを機に上がったんだ」

「ボスはなんだったんだ」

「ミノタウロスだ」

 ぴくっと反応するリツさん。

「確かに手こずったよね。しかもドロップ品、チーズとかが出たときはどうしようかって思ったけど、結構いい値で売れたよね」

 バーンの言葉にぴくっ、ぴくっ。

「チーズ、モッツァレラ、パルメザン………」

 リツさんぶつぶつ。

「もし、ダンジョンアタックするなら聞いてくれ、簡易の地図も作ったしな」

「あ、ありがとうございますマルコフさん」

 そのうち潜るかな?


 次の日、久しぶりに城門の外へ。

 サーシャが変な板に乗って飛んでる。

「…………あれなに?」

 アーサーに聞く。

「あれですか? リツ様いわく空飛ぶボードらしいです」

「ふーん」

 アーモンドの薄い形をした板に、危なく乗りこなすサーシャ。

「いい感じね。問題はサーシャ君とリーフ君しか乗れないことね」

 リツさんがお悩みモード。

 リーフはあまりスピードは出せていないが、乗れている。

「へえ。アーサー、乗れる?」

「無理です。サーシャさんとリーフ以外乗れませんから」

「アルフさんは?」

「儂はああ言うのは苦手だ」

 アルフさんが苦い顔をする。

 どうやって作ったんだろう?

「でも、サーシャ君はスピード出せるけど長く飛べないわ。リーフ君はそこそこ飛べるけど。やっぱり伝導系の問題かしら?」

 マリ先輩が難しい言葉を出す。

「魔力系スキルの問題と、当人の身体能力が大きいかと思われます」

 あ、そうか、サーシャは身体能力が高いが、魔力系スキルが甘いから、長く飛べない。リーフは魔力系スキルはあるが、種族性の身の軽さで身体能力はそこそこだから長く飛べるわけか。

「あれ? アーサー何で飛べないの?」

「分かりませんよ。多分二人とも無意識にどこで重心を取るか、判断して乗っているんだろうって」

「そうなの?」

 私も試しに乗って見たが、直ぐに落ちました。

 これ、絶対無理なやつだ。

 サーシャとリーフは何回か乗っただけで、コツを掴んだと。結局、サーシャの後ろに乗ってみたが、もう、いいや。

読んでいただきありがとうございます

(祝)ブックマーク100登録ありがとうございます

拙い文章を読んで頂きありがとうございます

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