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スキルアップ②

基礎講座

「じゃあ、私達出かけるけど大丈夫?」

 マリ先輩がリツさんに声をかける。

「はい、大丈夫です。少し考えたいので」

 今日はクレイハート伯爵様と携帯電話後で、私達は冒険者ギルドの基礎講座の確認をすることとなった。もし、いい講座があればそのまま受けよう。

 リツさんは一人で考えたいと、宿に残ることになった。

「分かったけど、でも明日は薬草摘みに一緒に行きましょうね。少し外の空気を吸わないとダメよ」

「はい、行きます。マリさん達気をつけて。お昼のサンドイッチありがとうございます」

 そう、お昼はサンドイッチなのだ。玉子サラダにハムと葉野菜のサンドイッチ。一人分をリツさんに渡していた。うふふ、我らのお昼もサンドイッチなのだ。頂いてばかりなのだが、マリ先輩の「気にしないでね」で、はい、いただきます。剣の稽古頑張りましょうね、と言うと二人の顔がひきつった。

 リツさんに見送られて冒険者ギルドに出発。

 さすが首都、いつでも冒険者ギルド賑やかだ。

 チラチラ見られたが、可愛いマリ先輩に美人のローズさん目当てだろうが、二人は私が守るぞ。

「今日は今から槍術・崑術だって、どうする?」

 マリ先輩が聞いてくる。

「受けましょう」

 私は即決。

 私は槍術、マリ先輩とローズさんは崑術。すぐに地下の訓練場に向かう。

「あ、姐さん、お久し振りです」

「「「姐さんお久し振りです」」」

 なぜいるんだよ。

 あの四人組の少年冒険者達。綺麗に整列しなくていいから。回りの目が痛い。

「じゃあ、私達、崑術習って来るね」

 マリ先輩とローズさんが行ってしまう。あう、一人だよ。しかも何故か槍術の方に少年達がいる。

「新人ども、並べ」

 野太い声が響く。

 体格のいい男が木製の槍を片手に、私達に声をかける。今日の教官だ。

 合計10人。

「え、姐さん、基礎ですよ、ここ」

 やかましい、このあとの模擬戦目当てだよ。

 準備運動をし基礎開始。

 槍の特徴はそのリーチ、そして突きだ。長さがあるからそれに振り回されたり、懐に入られると弱いが、使いこなせれば初撃がかなり優位に立てる。

「持ち方が甘いぞ。そこ、踏ん張りが足りない」

 教官が撃を飛ばす。

 実は私は槍術あるが、基礎位しかできない。何せ手に入れた武器は剣だったし、前世もどちらかというと剣がメインだったこともある。言い訳にしかならないが、槍術は大したことない。せっかくナリミヤ氏に槍を頼んでいるので、これを機にスキルアップしようと思っている。

「お前さんは大体出来てるな」

「ありがとうございます」

 私以外は本当に素人のようだ、槍の持ち方おかしい。私でもはらはらする扱い方だ。そして動きがおかしい。本人達は至っては真面目にしているのだろうが、おかしい。

 しばらく基礎動作の繰り返し。うん、いい汗かいた。

「さて、最後に模擬戦なんだが、ちょっと危なすぎるから、案山子相手にしよう」

 そんなあ。教官は素人軍団に、模擬戦は危ないと判断。確かに、下手したらけがをしそうだが、この模擬戦目当てだった私はガックリ肩を落とす。

「おう、やっとるか?」

 肩を落としていると、白髪頭の壮年の男性が柔和な笑みを浮かべて近づいて来た。教官は少し戸惑っていたが、説明を促され模擬戦の事を話す。

「なんだ、案山子相手じゃつまらんだろう? よし、俺が相手をしよう」

 よし、白髪おじさん良いこと言う。

 教官は困ったような顔をするが、いいからいいからとごり押しされてる。

「じゃ、そっちから、一人ずつな」

 白髪おじさんは、木製の槍を手に一人手招き。順番的に私最後だな。

 後ろに下がって、順番を待つ。

「よし、来い」

 気合いを入れて一番手が行くが、瞬殺。あの白髪おじさん、槍を使わず素手で向かってくる槍を叩き落としてる。

「当てないと意味無いぞ」

 あはは、と笑いながらほとんど動かず、槍を叩き落とし、手刀で背中を叩き、またはデコピンで対応。

 …槍術講座だよね。

 しかし、あの白髪おじさん、槍術はどうかわからないが体術レベル高そうだ。体捌きが、うまい。

 四人組の少年達は、一人善戦したが、足を引っ掛けられ転倒。

 私の番ね。

「姐さん、頑張ってください」

「「「姐さん頑張って」」」

 だから、やめてって。他の人の視線が痛いから。

 そう思っていると白髪おじさんが、にやっと笑う。

「お前さん、身体強化出来るだろ? ハンデやろう、身体強化してかかってこい」

 何で私が身体強化出来ること知ってる? まあ、いいや。

「では、お言葉に甘えます」

【風魔法 身体強化 発動】

【火魔法 身体強化 発動】

 ダブルでかける。久しぶりの火魔法は、思ったより発動がいい感じだ。よし、バートル様、お守りください。

 模擬戦程度で加護を使うのも考えようだが、使わないと損だ。

 細く息を吐き出す。

「お願いします」

「よし、来い」

読んでいただきありがとうございます。

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