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初ダンジョン③

戦闘、してますよ。

 9階のボス部屋はボア系とゴブリンの群れだ。

 ボアも大型でキンググボア、岩のように堅い皮のロックボア、アーマーボアが並び、見上げるようにデカイのはエル・アーマーボア。堅そう。

 ゴブリンは下位のゴブリンはいない。ナイト、ルーク、ジェネラル、そしてキングだ。わじゃわじゃいる。くさい。三兄妹は顔をしかめる。

 ナリミヤ氏、グレイキルスパイダーは援護に回る。

「もし、クイーンがいたら、先に始末するけどいいかな?」

 お願いします。私達はあなたみたいな、レベルのおばけじゃないのよ。

 始めにスレイプニルが爆走し、いろいろ轢き倒していく。ショウは変わらず空で展開。

 ボア達はグレイキルスパイダーが、糸でがんじがらめにして、後衛が魔法で止めを刺していく。私達はアルフさんがシールドバッシュで吹き飛ばし、私は二代目、アーサーは今回は薙刀、サーシャはナイフ。キングがなんだかモタモタしている。あ、はい、援護ですね。

「はッ」

 あのゴブリンの巣からかなりレベルアップしている。私は二代目でキングの首をばっくり斬る。

 アルフさんは両手に斧を持ち、ナイトやルークの首を跳ねていく。ジェネラルはアーサーとサーシャが連携して対応。なんだろう、後ろでグレイキルスパイダーがそわそわして見てる。たまにそっと糸を飛ばしている。もしかしたら、心配しているのか、ハラハラしているのか。

 アーサーが薙刀でジェネラルの心臓を突き、終了。あ、拍手してる。グレイキルスパイダーが。アーサーとサーシャがびびりながら、どうも、と言ってる。

 結局クイーンはいなかった。ただ、キングが3体もいたし、ジェネラルも少なくとも10体はいて、援護があっても流石に疲れた。お腹空いた。

 ドロップされたボアの皮や牙、骨、魔石、ゴブリンの魔石を拾う。

 レベル、どうなっているかな?

 ダンジョンアタックが終わってから見ようって、話になったから分からないけど、絶対上がってる。

「皆さん、次の10階にセーフティゾーンあるので、そこで休みましょう」


「あの、ルナさん」

 セーフティゾーンでお昼ご飯を兼ねての休憩で、アーシャがそっと聞いてくる。

「何?」

 おにぎりモグモグ。

「ここはCランクの冒険者が入れるんですよね?」

「そうだね」

 お味噌汁、ずー。

「でも、ボス部屋、あれはCランクじゃ無理な気がするんですけど」

「そうだね」

 おにぎりモグモグ。

「あれはきっとナリミヤ氏のレベルと関連してるんだよ」

「レベル?」

 お味噌汁、ずー。

「ボス部屋のドア、ナリミヤ氏が開けたでしょ? ダンジョンによっては開けた者のレベルに合わせてボス部屋の魔物が変わることがあるの。ミーシャが開けたら、あの1割もいなかったはずだよ。まあ、ドアによってはレベルが低いと開かないこともあるしね」

「そうなんですね。あのナリミヤさんって、どれだけレベルが高いんですかね」

「200越えてるって」

 吹き出すアーシャ。

「そんなに高いんですか?」

「みたいだね」

 モグモグ、ごくん、ごちそう様。

 実はさっきアルフさんと話して、多分、ナリミヤ氏のレベルは200後半だろうって目星は着けたけど。怖くて聞けない。

「なんだが、そう見えませんね」

 お花飛ばしてお味噌汁味わっているナリミヤ氏を見て、アーシャは小さく呟いた。


 11階のボス部屋は黒いカサカサの虫の群れだ。

 ナリミヤ氏が一撃で消滅させる。

「さ、行きましょう皆さん」

 ナリミヤ氏が何も見てない振りをするが、ぽん、と出た宝箱。罠はないようで、慎重にグレイキルスパイダーが開ける。

 おお、金の延べ棒だ。何本もある。結構な額よ。でも、リツさんは寄付すると即決。ナリミヤ氏も同意してた。

 12階は岩山エリアのため、流石に馬車の移動は出来ず、徒歩だ。

「生きたまま食われそうで怖い」

 斥候のサーシャが訴える。

「生きたまま食べられそうで怖い」

 闇魔法スキル30越えたアーサーも前に出ることになり、訴える。

「あー、大丈夫じゃ、ないかあー」

 アルフさんが明後日を向く。

 マリ先輩が失礼よ、とぷりぷり。いや、あのね、マリ先輩。怖いって、あれに両サイド固められたら怖いって。

 何とか二人はびびりながら先頭に立つ。

 時々、グレイキルスパイダーの竹子が、歩みを止めて、サーシャに足で指示している。サーシャの耳、ずっとへたっていた。足が出た瞬間、ビクッと立つから不思議。あれ、どんな仕組みなんだろう。いろいろ指示してる。サーシャが恐る恐る罠解除している。たまに危ないことがあったが、竹子がフォローしている。

 戦闘も無事にこなして、ダンジョンでの初日を終えた。


 アーサーとサーシャがぐったりしている。

 本当はセーフティゾーンで夜営したいが、12階にはなく、ナリミヤ印の結界の道具を広げた。グレイキルスパイダーが、番をしてくれると。

 ありがとうございます。

「アーサー君、大丈夫? ご飯食べれる?」

 リツさんが心配している。アーサーがちょっと復活。ただ、サーシャはそのまま寝ている。仕方なく、ブランケットをかける。グレイキルスパイダーが、サーシャをつんつん、やめて、怖いし、アーシャが気絶しそうだから。

「ルナ」

「はい」

 私はハンバーグを食べながら、隣のアルフさんに返事をする。

「なんだが、ダンジョンアタックしてる感じがせんのだがなあ」

「私もです」

 戦闘は安全の援護付き、ご飯は美味しい、馬車にはシャワー完備、夜営の番もしなくていい。

 お花飛ばしてハンバーグを食べてるレベル200越え。あの人のおかげだけど、その動機が嗜好品だからね。

 そのコーヒーとカカオって、どんなものなんだろう?

読んでいただきありがとうございます

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