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春に向け④

オーク? 豚汁?

 時が過ぎる。

 バートルの月が過ぎ、アルベロとなる。

 マリ先輩の誕生日が近くなる。

 うーん、何を贈ろう?

 悩んだあげく、リツさんとローズさんに相談。新しい杖の作成に携わる事に。私は魔石確保だ。

 私はアルフさん、アーサー、三兄妹とショウで魔の森に入り、斑スネークを倒した。首を気合い入れてすっぱり。さすが二代目。その後もショウがボアを狩り。何故か出来ていた小さなゴブリンの巣を壊滅させる。巣と言っても30位しかいなかったし、ポーンが二体だけ。サーシャが前線に出て、私達は援護に回った。せめてナイト位なら魔石あるのに。ポーンかあ。

「ジェネラルはいないかなあ」

「そうそうおらんぞ」

 ゴブリンの耳を切り落とし、私の呟きにアルフさんが突っ込む。

 最後にはオークだ、お肉だ。まとめて来た。全部で7体。

 鼻息荒く突っ込んで来たが、ショウが不可視の刃を飛ばし二体の首を跳ねる。アルフさんのシールドバッシュで吹き飛ばされ、サーシャが吹き飛ばされたオークに矢を放つ。私は薙刀で一体、アーサーには二代目を貸し出し一体始末する。残りは連携し三兄妹が止めを刺す。うん、魔石は小さいが、お肉ゲットだ。しかし、ちょっと多いな、一応ギルドに報告だね。

 私のマジックバックに全部入れる。

「ピィ」

 ショウが翼を広げる。

 振り返ると黄金色の目が縮瞳している。

「ルナ、下がれ」

 アルフさんに指示で私は下がる。アーサーが支援魔法をかける。

 盾を構えたアルフさんの向こうで、一体のオークが現れる。赤い肌のオーク、レッドオークだ。オークの上位種。ゴブリンにしてみたらポーンの位置だ。

 何故か鼻息荒い。あ、アーシャとミーシャか。私達がいるから指一本触れさせないぞ。オークはゴブリンと並ぶ女性の敵だ。

 私は火魔法をがっちり薙刀に纏わせる。

 突っ込んで来たレッドオークをアルフさんの盾が弾く、あ、前歯? いや牙が折れて飛ぶ。あ、なんか瀕死寸前。アーサーのストーンマグナムがぶち当たる。そしてサーシャの矢が容赦なく突き刺さり、レッドオークは撃沈。

 出番が、ない。

 本当に私の存在意義が危なくなる。

 私はマジックバックにレッドオークを入れる。

「ねえ、アルフお兄ちゃん、あの赤いオーク食べれるの?」

「食べれるさ。普通のオークより旨いぞ」

 きっとリツさんとマリ先輩がおいしくしてくれる。ぐふふ。

「すべて引き取りですね」

 きりっ

「ルナ、顔」

 なんとでも言ってください。

 私達は魔の森を抜けて、トウラに戻り、冒険者ギルドへ。

 持ち込み量が多いため、解体場所に直接いく。

「斑スネークにレッドオークか、久し振りだな。解体に取りかかるぞッ」

 いつものつるぴか主任の激が飛ぶ。

 魔石は回収、オークは全部回収を伝える。そして無事にアーシャのランクがGとなる。

 レッドオークの解体を待っている間に、オルファスさんにオークの件を伝える。

「レッドオークですか、そうですか」

 オルファスさんは少し考えこむ。

「最近、トウラでオークの情報が多いんですよね。レッドオークが出たなら調査依頼を出さなくてはなりませんね」

 確かにトウラではあまりオーク系は見かけない。ミュートによく出没するらしいとは聞いたけど。

 それから遭遇位置を確認。ほどなくしてレッドオークの解体終了。

 白い紙に包まれた肉の塊をマジックバックに入れる。魔石と残りのオークは明日引き取りとなる。

 屋敷に戻りリツさんにお肉を渡す。何になるかな、わくわく。

 私達は魔の森から帰ってきたばかりだったので、先にお風呂にいただく。こざっぱりして台所に行くと、めっちゃいい匂い。

 これはウサギの角焼だ。リツさんいわく生姜焼だ。後は豚汁だね。お手伝いしなくては。ショウがフライパンを振るうマリ先輩に、必死にすり寄っている。私もそっとすり寄っていこうかな。

 みんなでワイワイ準備して、夕御飯の準備完了。

「さ、いただきましょう」

「はい」

 きりっ

 残さずいただきます。

 ウサギの角焼きをまず一口。今日はいつもより厚めに切ってある。あ、厚いけど柔らかい、うん、油のところがほんのり甘い、ご飯が進む進む。豚汁、ずー、うん、安定の美味しさ。

「美味しいね、赤いオーク」

 ミーシャがもりもり食べてる。

 サーシャも栄養が足り出したのか、まずまず体重が戻っている。そしてよく食べる。だが、本人いわく、食べても太りにくいと。それを聞いた錬金術チームが殺気だったのは内緒。私もちょっと羨ましい。だけど、サーシャの運動量は多いからじゃないかな?

「リツさん、明日残りのオークを受け取りに行きます」

「分かったわ、ちょうど豚肉なくなりそうだったから助かるわ。ふふ、ハムとソーセージとベーコン作りましょうね」

 何故かリツさんはオーク肉を豚肉と言う。でも、何も言いません。

「何でもお手伝いします」

 きりっ

 次の日、燻製器の前で、私とミーシャとちびっこ達、そしてショウが陣取り鼻を膨らませて、そわそわしていた。

読んでいただきありがとうございます

明日はお休みさせていただきます、すみません

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