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春に向け①

装備品

 成人したからと言って私自身は変わらない。誕生日の次の日、私は冒険者ギルドで、新しいカードをもらう。Dランクだ。

 感慨深いのかな? よく分からない。

 あれから、アルフさんとは変わらず接している。うん、何事も平常心が大事だ。うん。いつも、優しく接してくれる、ありがたい。

 ただ、貰ったペンダントは常に身に付けている。だって嬉しいから。たまに一人でにまにまする。誰もいないことを確認してからね。付与は分からないけど、きっと火魔法の補助あるだろうな。

 毎日朝は訓練して、朝食取って、それぞれ行動する。私は講座の補助員、アーシャとミーシャに付き添いの初心者用の講座を受け、戦闘スキルアップ、それから屋敷の掃除。

 アルフさんは変わらず鍛治師ギルドだが、ずいぶん出勤回数が減り、武器や防具の作成に入っている。そして空いた時間でアーサーとサーシャの戦闘スキルアップだ。

 アーサーは基本的に変わらないが、三兄妹の魔法スキルアップを図っている。おばあちゃん直伝の指導だが、うん、私も聞いたけど分かりやすい。サーシャはまだ上手く魔力を操れなくて、燃費が悪かったが、アーサーの指導で理解したとたんに、身体強化を取得。うーん、戦闘スキルが上がると、私の存在意義が。ミーシャも魔法が使えた母親の影響か、何とか攻撃魔法が形になりだした。アーシャは基本的な理解が出来ており、魔力感知をひたすら上げている。

 錬金術チーム三人はスキルアップと、防具の作成を行っている。

 特にローズさんが凄い、アルフさんから必死にシールドバッシュを習っている。無盾でよく弾かれている。

 それから、大きな変化をしたのはノゾミだ。なんと小さいがファイヤーボールを発射したのだ。皆で騒然としたけどね。カラーシープは基本的に無属性何だが、どうやらレア個体だったんだね。まだ、ノゾミから取れる毛は少ないけど、その内、布に出来たらいろいろ作るらしい。ショウは変わらない。

 三兄妹のグレイキルスパイダーのマントとシャツが作成され、それぞれの武器も作られる。只今ブーツ作製中。

 サーシャにはナイフが二本、小型ナイフ一本。魔鉄が主で、ミスリルが補助で入っている。付与は中の水・光魔法補助。中の自動補助、小の硬度硬化、衝撃吸収。アダマンタイトはまだきついだろうということで見送られる。あと、弓だ。マナ・グラントレントで作製。弦はグレイキルスパイダーの布を糸状にした。付与は中の水・光魔法補助弓に、自動修復、小の硬度硬化、衝撃吸収、消音、潜在付与は小の無属性魔法補助だ。弓に相性がいいのは、風魔法だが、無い物ねだりだ。サーシャは身体強化の次、武器強化にチャレンジしている。

 アーシャとミーシャもナイフだ。材質は同じ。中の水魔法補助、自動修復、衝撃吸収、小の硬度強化だ。

 マントとシャツは魔石が足りず、私達の着ているシャツと同じ付与だ。

 アルフさんはまず、盾が出来上がる。マナ・グラントレントにミスリルとアダマンタイト仕様。かなり純度の高いものを使用したようで、かなり付与がつけられるらしい。こんなんでシールドバッシュなんてしたら、ゴブリンナイトやルークあたりは粉砕するんじゃない? 全力でしたらどうなるんだろう? 想像つかない。ただ、重そう。アルフさんがやっと両手でもっている。付与を付ける時に出てきたのは四本腕のお肉、じゃない、フォーアームベアーの魔石。錬金術チームが全員で大の重量軽減を付与し、成功した。よし、と手を叩き合う。それからアルフさんがその魔石を使って魔力枯渇前提で大の衝撃吸収を付ける。私が横で魔力回復ポーション持って待機。アーサーとサーシャが、二人がかりで盾を固定するように持つ。付与をかけだし、途中で私が持っていたポーションを呷るアルフさん。結局3本空にした。おかげで意識は失わなかったが、真っ青になって汗びっしょりだ。慌てて工房のソファーに休んでもらう。これで魔石はない。ボアの小粒魔石はあるが、サーシャ達のブーツ用だしね。

「魔石がやっぱり足りないわね」

 リツさんがお悩みモード。

 私はさっと手を上げる。

「確保に行きます」

「あ、自分も」

「俺も行きます」

 外で『びぃーっ』。

「なら皆で行きましょう。今冬場だから、日帰りが絶対条件ね」

 リーダーリツさんの判断に逆らいません。

「なら、この盾の初陣だな」

 アルフさんが左手に黒い盾を持つ。 

 これで全身鎧(フルプレート)が出来たら、カッコいいだろうな。

 とりあえず、天気を見ながら魔の森へ行くことに。

 二日後、晴天になり、やっと魔の森へ。

 その間に三兄妹のブーツも無事出来た。サーシャはブーツ、アーシャとミーシャはショートブーツだ。アルフさんの盾にも付与が追加される。中の火の魔法補助、自動修復だ。後は魔石を手に入れてからとなる。

 内側にグレイキルスパイダーの布を使用し、少々の衝撃なら防げる。私達のブーツの内側にも仕込まれる。

 装備品が揃ってきた。

 めぼしい魔物の目撃情報を得ようと冒険者ギルドもチェックしたが、冬毛のウルフの採取依頼や、時期ものの薬草採取依頼。

 目を着けたのは『ホワイトアーミーアント』の目撃情報だった。

 これは冬場にしか出てこない魔物で、厄介な事に、集団行動をする。顎の力も強く、殻も硬い。ただ、火に非常に弱いのだが、硬い殻を突き破らなければならない。うちには火魔法を使い手が多いし、念頭に置くことに。

 装備品をチェックして、いざ、出発。

 アルフさんの盾、三兄妹の初陣となった。

読んでいただきありがとうございます

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