パーティー③
ステータス
芳しい匂いが充満する。
リツさんが手際よくステーキを焼く。ショウが必死にすり寄っている。私もすり寄っていきたい。
お皿に次々に並ぶ素敵なステーキが並ぶ。フライパンに残った油に醤油や細かくした角ウサギの角、刻んだ玉ねぎを入れ、ワインを一回す。フライパンを回すと、ぼわっと火が上がる。わーお。
ステーキにかける。うわあ、いい匂い。
マッシュポテトやキノコのソテー、ニンジンを飾る。マリ先輩は、サイコロステーキ、一口サイズのステーキを焼いている。アンナ達サイズだ。
「はい、アーサー君、持って行ってね」
リツさんが、サイコロステーキにソースをかける。
「ありがとうございます」
「後でステータスのチェックするから、夕御飯の後に来てね」
「はい、リツ様」
アーサーが皿を持って下がる。
「私達もいただきましょう」
「はい」
きりっ
まずはステーキにナイフを入れる。柔らかい。ぱくり。あ、あっさり、油がひつこくない、ソースの玉ねぎが美味しい。いくらでも入る。パクパク。ソースをマッシュポテトに絡めて、ぱくり。うーん、絶品だあ、美味しい~。一欠片も残しません。パクパク。
「美味しいわね。グリズリーは甘味があるけど、これはあっさりしてるわ。やっぱりすき焼きね。作りおきにローストも作りましょう」
「いいわね」
リツさんとマリ先輩が美味しい作戦会議。
「鍋、すぐに作った方がいいなあ」
「そうですね。アルフさん」
きりっ
私の顔に、アルフさんは笑う。
「付いとるぞ」
口元のソースを親指でぬぐってくれて、ペロリ。
だから、恥ずかしいって。いや、私の食べ方が悪いんだよね。
「さ、無事にパーティーとなりました。まだ、ランクは低いですが、よろしくお願いいたします」
パチパチ。
リツさんが挨拶。
「では、久しぶりのステータスチェックです」
まずはリツさん。
リツ・サイトウ レベル18
16才 人族 魔法使い 錬金術師
スキル・火魔法(14/100)・水魔法(27/100)・風魔法(19/100)・土魔法(17/100)・闇魔法(4/100)・光魔法(18/100)・時空間魔法(18/100)・無属性魔法(11/100)・魔力感知(31/100)・剣術(5/100)
固有スキル・鑑定(3/10)・アイテムボックス
加護・天使リリィ
隷属・アーサー
レベルが一つしか上がってない。仕方ないかな、まともな戦闘は今日の援護くらいだしね。魔力系スキルが全体的に上がっている。多分付与の仕事をしたからかな。
「やっぱり、上がってないわね」
「仕方ないわよ、援護しかしてないしね。次開けまーす」
マリ先輩が手を上げる、はい、かわいいからどうぞ。
マリーフレア・クレイハート レベル23
16才 人族 魔法使い 錬金術師 テイマー
スキル・火魔法(18/100)・風魔法(19/100)・土魔法(29/100)・光魔法(27/100)・無属性魔法(17/100)・魔法感知(35/100)・剣術(9/100)・棍術(14/100)
加護・女神から見出だされた者
従属・グリフォン ・ワンカラーシープ
レベル、上がってない。仕方ないかな。リツさん同様に魔力系スキルは上がっている。
「ぴいぴい」
「ん? どうしたのショウ?」
「ぴいぴいっ、ぴいーっ」
あ、出た。
ショウ レベル52
3才 カラーレスグリフォン
スキル・風魔法(42/100)・魔力感知(37/100)・魔力操作(25/100)・気配感知(52/100)・索敵(40/100)
固有スキル・スコープ(4/10)
主族・マリーフレア・クレイハート
「すごいわ、すごいわショウ」
マリ先輩が誉めちぎる。
私とアルフさん、アーサーは呆然と見る。
「ちょっと、ルナさん、ルナさん」
「何、アーサー?」
「なんか、スキルの数値がすごい気がするんですけど」
「そうね、私も今、そう思ってる」
え、ショウって3才なの? それでこのレベルなの? え? 詐欺? 索敵や気配感知高いだろうって思っていたけど、50越えてるよ。てか、私の風魔法のスキルより高いよ。
「流石グリフォン、ということか」
アルフさんが感心している。いや、諦めたような感じだ。
当のショウはマリ先輩撫でられて満足そう。
「あの、開けてもよろしいですか?」
「あ、どうぞ」
ローズ レベル29
20才 人族 メイド 錬金術師 剣士
スキル・雷魔法(24/100)・無属性魔法(11/100)・魔力感知(35/100)・短剣術(19/100)・体術(17/100)・棍術(3/100)
固有スキル・アイテムボックス
うん、上がってない。こちらも仕方ないかな。
次は私が手を上げる。
「私、開けます」
どうぞ、とアルフさんとアーサーが譲ってくれる。
ルミナス・コードウェル レベル57
14才 人族 魔法剣士
スキル・風魔法(36/100)・火魔法(22/100)・無属性魔法(2/100)・魔力感知(39/100)・魔力操作(8/100)・剣術(36/100)・槍術(16/100)・短剣術(16/100)・弓術(14/100)・体術(24/100)・盾術(17/100)・気配感知(29/)・索敵(20/100)
加護・天使バートル
まあ、こんなもんだね。ショウの後だとパッとしないなあ。
「ルナちゃん、すごいわ。無属性魔法がある」
リツさん優しい。
「あの、自分あげていいですか?」
「いいぞ」
「ありがとうございます」
アーサーがアルフさんの許可を得て開ける。
アーサー レベル37
15才 奴隷 魔槍士 見習い錬金術師
スキル・火魔法(19/100)・土魔法(19/100)・闇魔法(29/100)・時空間魔法(20/100)・無属性魔法(7/100)・魔力感知(35/100)・魔力操作(19/100)・剣術(5/100)・槍術(24/100)・体術(12/100)・盾術(7/100)・気配感知(11/100)
主属・リツ・サイトウ
おお、流石我らのホープだね。全体的に上がってる。レベルも上がっている。対人戦したしね。
「なんだか、ショウの後だと、パッとしません…」
しゅん、と肩を落とすアーサー。
「そんなことないわよ。すごいわアーサー君」
「リツ様…」
優しいなあ、リツさん。嬉しそうなアーサー。
「儂、開けてもいいか?」
アルフレッド レベル81
39才 ドワーフ族+人族 魔槍士 鍛治師
スキル・火魔法(30/100)・土魔法(49/100)・無属性魔法(23/100)・魔力感知(40/100)・魔力操作(4/100)・剣術(21/100)・槍術(49/100)・短剣術(12/100)・体術(27/100)・盾術(31/100)・棍術(10/100)・斧術(24/100)・気配感知(39/100)・索敵(32/100)
レベルが80越えてる。あ、あの元Aランクの冒険者か。
しかし、すごい数値だね。魔力操作もある。
「アルフさん」
「なんだリツ?」
「いつ、誕生日が来たんです?」
あ、本当だ。
「3日くらい前か?」
アバウトだね。
「くらいって、もう、言ってくださいよ。明日お誕生会しますよ」
「ちょっと待てリツ、儂、人族ならもう結構な年だから、別にせんでもいいぞ。それでもここに来て、ずいぶん良くしてもらっておるし」
「何を言って居るんですか? お祝いですよ」
押し問答するの末、明日、すき焼きパーティーとなった。鍋はアルフさんが作ることになったけどね。
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