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パーティー?②

オーブン

「さて、メニューどうしましょう?」

 リツさんが悩ましい顔。

「デザートはマリちゃん、お願いしても大丈夫?」

「任せて」

 マリ先輩はローズさんと共に栗に取りかかる。

「ルナちゃん、何があると嬉しい?」

「私ですか? リツさんのご飯はなんでも美味しいですけど。確か、腸詰め好評でしたよね」

 確か、イレイサーとバラックはペロッと食べていた。

「そうだったわね。じゃあ腸詰めを二種類と、そうね、キッシュかテリーヌね、サラダは見栄えいいのにしましょう。スープはキノコがたくさん手に入ったからそれにしましょう。メインはブラッディグリズリーのワイン煮込みを使ってもいいって許可あるから、前菜に力をいれましょうね」

「はい」

 お手伝いします。きりっ。

 フリフリエプロン装備してます。

「でもまず、アルフさんのお弁当ね。お昼と夕飯と明日の朝ごはんね。そうね、まず、サンドイッチにしましょう。ルナちゃん、お願いしても大丈夫?」

「はい、大丈夫です」

「アーサー君、ひき肉作ってもらってもいいかしら」

「はい、リツ様」

 黒のシンプルなエプロンを着けたアーサーは、ミンサーでせっせを回し出す。

 私はリツさんのアイテムボックスから出てきた、食パンと様々な具材、マヨネーズ。挟むだけだからね。マヨネーズ塗って、具材のせて、食パンで蓋する。最後にスパッとナイフで真っ二つ。切れ味抜群。せっせとサンドイッチを作って、お弁当箱に入れる。

「ぴいぴい」

 ショウが、寄越せと鳴くがこれはダメ。

 仕方なくマリ先輩の方に向かうショウ。

 リツさんはちゃっちゃっとチャーハンを作っている。サーモン入りのチャーハンだ。出来上がってお弁当箱に。それからちょっと大きなおにぎりを作り、いくつかの料理と共にお弁当箱に。

 私のサンドイッチと共に三つのお弁当ができる。結構な量だ。ローズさんがお茶を水筒に淹れてくれる。

 包んで、準備オッケー。

 うん、お昼だ。

「私、鍛治師ギルドに行ってきます」

「気を付けてね」

「はい」

 日中でも寒いので、私は外套を着て、三つのお弁当と水筒をマジックバックに入れて屋敷を出た。

 鍛治師ギルドで顔見知りの女性に挨拶。すぐにアルフさんが呼ばれる。あら、おじいちゃんドワーフダビデさんは? いつも私が来ると、出迎えてくれるのに。

「ルナ、どうした?」

 キョロキョロしていると、アルフさんが出てきて、挙動不審な私に声をかけてくれる。

「あの、ダビデさんは?」

「副ギルドマスターなら、職人ギルドの会合だ」

「そうなんですね。体調、悪くしたんじゃないかって」

「ルナは優しいな」

 アルフさんが、頭をポンポンしてくれる。ほら、やっぱり子供扱いだよ。いつもの応接間にお弁当を並べる。

「これが、チャーハンで、これが、おにぎりで、これが、サンドイッチです」

 水筒も出す。

「いつも悪いな、手の込んだ弁当を」

「リツさんが作ってくれましたから。私、手伝っただけですから」

「そうか」

 お弁当を持って行くと、いつもアルフさんは嬉しそうに笑う。リツさんの料理美味しいもんね。私も分かますよ。

 お茶の準備をしてから、私は戻る。お手伝いが残ってますからね。

「それじゃあアルフさん、根を詰めないでくださいね」

「分かった。ルナ、気をつけて帰るんだぞ」

「はい」

 わざわざアルフさんが見送ってくれた。


 屋敷に戻ると、料理魂と火が着いたリツさんとマリ先輩。コンロにオーブンフル回転だ。アーサーはひたすらミンサーミンサー。

 私はフリフリエプロンを着け、果物の皮剥きに参加する。

 しかし、また、すごい量。いつも食事をしているテーブルギリギリ使って作業だ。

 途中で掃除を終えたホリィさんも参加。ちびっこ達はノゾミと外を走り回っている。

「あの、リツ様」

 ホリィさんがほくほくのカボチャを潰しながら聞いてくる。

「お客様は何名様ですか? 20名様越えるとあの食堂では手狭では?」

 確かに、この量だからね、そう思うのは無理ない。

「あ、大丈夫よ。以前いらした『ハーベの光』の男性4人だから」

「…………承知致しました」

 ホリィさん受け入れ早い。

 この大量の食材を前にホリィさんは淡々と手際よく作業すり。

「やっぱりオーブン欲しいわね」

 リツさんが食材の入った備え付けのオーブンを見ながらポツリ。

 え、結構な大型オーブンで、いつもフル回転なのに、新しいの欲しいの?

「やっぱり、リツちゃんもそう思う? パンとか焼くと、どうしても足りない感じしてたのよ」

 マリ先輩まで。え、足りないって。

「そうよね。ほら、業務用にあるじゃない、ほら、大きい」

「あ、ドアがいっぱいあるやつね」

 二人は作業しながら楽しそうに話す。

「なんの話ですか?」

 私が聞くと、マリ先輩が答えてくれる。

「あ、あのね。こんな感じのオーブンがあってね、あれなら一度にいくつも焼けるから。あ、錬金術でできないかしら?」

「マリちゃん、私達まだ小さい魔道具くらいしか出来ないからいきなりは無理じゃない? 多分かなり金属いるし、魔石も足りないわ」

 リツさんは冷静だが、やはり、錬金術でのオーブン作成には乗り気のようで、マリ先輩、ローズさんと作業しながら話している。

「ルナさん」

 アーサーがミンサーを回しながら聞いてくる。

「今度、魔の森連れてってください」

「え、なんで?」

「その、魔石を……」

 あ、リツさんの為ね。

 でも大型オーブンが出来たらリツさんもマリ先輩も喜ぶなら、私も全面協力しなくては。

「分かった、行きましょう」

「ありがとうございます」

「ぴぃぴぃ」

 何故かショウまで片手を上げるように、片翼を広げた。ショウはきっとマリ先輩の為だね。

「ショウも行きましょうね」

「ぴぃぴぃ」

読んでいただきありがとうございます 

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