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情報③

各国ダンジョン情報

「どうぞ」

 ローズさんがお茶を淹れ、アーサーが配る。

 マリ先輩とリツさんで綺麗にシフォンケーキと果物、クリームを載せて、私が配る。

「手土産奮発して良かった…」

「そうね…」

 マルコフさんとフレナさんがポツリ。あ、やっぱりお高い手土産だったのね。

 デザートとお茶が全員に配られる。

 うふふ。楽しみにしてたんだ。

「わぁ。美味しいそう」

「見ただけで、柔らかそう」

 エレとキャリーがきゃっきゃ言ってる。

「ああ、このお茶、なんて香りがいいんだ」

「ああ」

 イレイサーとバラックが紅茶の香りを堪能。

「お腹、きつくなって…」

ララがごそごそとベルトを緩めている。

「やめてショウ君、僕のがなくなるから」

 再びショウがバーンを狙う。

 半泣きのバーン。流石に可哀想だなぁ。

 マリ先輩がショウを呼ぶと、とことこ。

 ほっとした顔でバーンが紅茶を飲む。

「ああ、美味しい、本当に美味しい」

 私はシフォンケーキをぱくり。

 想像以上の柔らかさだ。クリームつけて、ぱくり、うん、美味しい。

「柔らかーい」

「美味しい。こんなに美味しいの初めて食べたわ」

 フレナさんとサリナさんもきゃっきゃ言ってる。

「この紅茶、素晴らしいな」

 マルコフさんが、感心して、マリ先輩の鼻が伸びる。

 ショウは自分の皿のシフォンケーキをつついている。ノゾミはかなり前から部屋の隅のクッションで丸くなっていたが、のそっと起きて、ショウのシフォンケーキを少しかじっている。大人しくそれを見ているショウ。仲いいね。

「いいなあ、アルフ、いつも美味しいご飯食べれて」

 バーンが羨ましそうに言う。

 アルフさんは紅茶を飲みながら笑う。

 落ち着いて食べよう。口にクリームついたら、恥ずかしいしね。パクパク。アルフさんが、よう食うなと言うが、だって美味しいからいくらでも入ります。パクパク。

 おやつにパンケーキとパフェ食べましたけどね。ちょっと。夢中で食べて口にクリームつけて、アルフさんに拭いてもらいましたよ。親指で、で、また、それをぺろりだもん。恥ずかしい恥ずかしい。だけどね、気がついたのよ、アルフさんイチゴ食べたいんだって。だからお裾分けです。項垂れるほど美味しかったみたい。

 話が弾む。弾む。

「ライドエルのダンジョンは知っているんですが、他にないんですか?」

 マリ先輩が聞いている。本当にダンジョン好きね。そんなに潜りたいの?

 マルコフさんが、紅茶を一口。

「クリスタムにはラ・マースと賢者マロンのため息、首都から北にカラーラに青龍の棲みかと言われるこの大陸最大のダンジョンがある、ここには鉱石や宝石をボスがドロップすることが多い。ただ、高ランクではないと無理だな。後は西にミーナに、大地の皿と言うダンジョンがある。あまり深くはないが、ここは中堅が挑戦する。こちらはオーク、鹿系や熊系、あと質のいいウサギが出るから。ミーナは第4都市なんだ」

「彼処の屋台、美味しい肉が食べれるんだよ」

 バーンがしみじみシフォンケーキを食べながら言う。

「マルコフさん達、そこに潜ったんですか?」

 リツさんも興味を持つ。多分、肉ね。

「一年くらい前にな。罠はほぼないが、一階一階が広くて、戦闘が続くからな。体力がいる」

 マリ先輩の視線を感じる。

「ダメですよ」

「くぅッ、美味しいトンカツ作るわよッ、カツ丼だって、カツサンドに、えっと、えっと、リツちゃんパスッ」

「生姜焼にスペアリブに、チャーシューとかは? あ、ハムとかソーセージも出来るわね。せっかくハーブ頂いたし。いろいろできるわよ」

 う、美味しそうなメニューが、出てくる。

 しかし、ダメです。

「潜りませんよ」

「うわああぁぁぁんッ、ルナちゃんのケチッ」

「ダメなものは、ダメです。せめて装備揃えてください。最低限、装備ですからね」

 地団駄マリ先輩。ローズさんは通常運転。アルフさんは穏やかに笑う。

「本当にこういう時は、ルナ君は未成年とは思えないな」

「そうね。後はオーディスにもあるわよね」

 フレナさんが思い出すように言う。オーディス、確か森林国でエルフの国。

「ああ、生命の雫とあと、フィーラ・クラエルと言うダンジョンだな。噂くらいだが、ランクは高めだったはず」

「薬草なんかが、よく取れるぞ」

 アルフさんが補足説明会してくれる。

「知っているのか?」

「まあな、隣の国だしな」

「アルフ、お前どこ出身だ?」

 あ、マルコフさん知らないんだ。

「マダルバカラだ」

「ドワーフの国か、また、遠くから来たな。そういえば、マダルバカラにもダンジョンあるだろう? アルフは潜ったのか?」

 マルコフさんがアルフさんに聞く。

「あるには、あるが、あそこは勧められんぞ。大陸でも三大ダンジョンの一つで、儂も何度か連れていかれたが、死ぬかと思った」

 うわあ、アルフさんが遠目してる。マダルバカラは問題外ね。

 他にはガイスラー帝国とナインバッハにもあるらしいが、二つともあまり近づきたくない国だね。ガイスラーは人族史上主義だからね。背丈があってもアルフさんがドワーフのハーフと分かったら、おそらく問答無用に拘束されて、どんな目に合うか。ナインバッハは国内情勢がよろしくなく、内部分裂しているらしい。

 マリ先輩が唸る。

「賢者マロンのため息か、大地の皿ね」

「そうね、お肉と布」

 マリ先輩、リツさん、あのねぇ。

「装備揃えてからですよ」

「ぶれないね。ルナちゃん」

 マリ先輩がちょっと呆れるように言う。

 当たり前でしょ。

 ぱくりぱくり。

 シフォンケーキと紅茶も大好評。

 二つ焼いたシフォンケーキも綺麗にさばけました。遠慮がちにバラックがお持ち帰りを希望。どうやら、年の離れた妹達に食べさせたいと。

 ………気持ち分かりますよ。

 優しいマリ先輩が断るわけない。

 しっかりシフォンケーキ、クッキー、マドレーヌを詰め合わせて、お渡ししてました。しきりに感謝してました。

 他の皆さんにもクッキー渡してる。

「本当に奮発して良かった」

「本当ね」

 しみじみマルコフさんとフレナさん。

 皆さんをお見送り。

『ハーベの光』が『紅の波』を常宿に送ることに。

 帰り際、ララが何故か、ごめんなさい、と言ってサリナの背中に隠れる。

 なんだ、なんだ?

 エレが教えてくれる。

「アルフだよ。ララはアルフに気があってね。ルナちゃんに口説かれたって聞いて、逆恨みしてるんだよ。アルフに全く相手にしてもらえなかったのもあったし」

「口説かれたって、まあ、勧誘しましたけど。なんでララは相手にされなかったんです? ララ、かわいいのに」

「肌だよ。獣人の女はアピールする相手に肌を見せるような格好したり、それを誇張するように接触するんだけど。ドワーフはね、あまりそういった女性が無駄に肌を出すことや接触をよしとしないんだよ」

 へぇ、種族でいろいろあるのね。

 あ、熱を出した時、アルフさんが言ってたな。肌の出しすぎだって。このことか。

「まあ、今回の殲滅戦で勝てないって思ったみたいだし。今日、ルナちゃんを見て完敗したみたい」

「私?」

 エレが笑う。

「今日のルナちゃん、かわいいよ」

 何が?

「服のせいでそう見えるだけですよ」

 肩をすくめる私の言葉にエレが固まる。

 仲良くなったマリ先輩を手招き。ゴニョゴニョ話す。

「いつもあんな感じ?」

「そう、そうなの。自分に無頓着で困ってます。かわいいのに」

 なんの話?

「帰るよエレ。リツさん今日はご馳走様。とても美味しかったわ」

 フレナさんがリツさんに声をかける。

「リツ君、ご馳走様。本当に旨かった」

 マルコフさんもリツさんに声をかける。

「お口にあって良かったです」

 嬉しそうなリツさん。朝から準備したもんね。良かった良かった。 

 じゃあ、またね、ご馳走様、僕ここに住むあいたっ、ケーキ美味しかったわ、お邪魔しました。それぞれの挨拶をして、帰って行った。

読んでいただきありがとうございます

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