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サッカー少年が吹奏楽部に入ったら2  作者: 夏目 碧央


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3/15

リヴァイ兵長

 授業は、時々1、2組合同になる。習熟度別の数学では、和馬と佐々木は同じ教室で授業を受ける。この日、佐々木は2組の日直で、先生が入ってきたら号令をかけた。

「きりーつ、れい、ちゃくせき。」

皆がくすくす笑う。なぜかというと、佐々木がアニメキャラの声真似で号令をかけたからだ。和馬も思わず笑う。佐々木はよくアニメキャラの真似をする。いろんなキャラの声をそっくりに出すので驚きだった。今の号令は、人気アニメに出てくる「リヴァイ兵長」の声。渋い。声だけで誰もがリヴァイだと分かるのだから、本当に似ているのだ。

 先生もくすっと笑ったけれど、流して授業を始めた。佐々木がそれ以上はふざけないので、先生もいつも黙認してくれる。みんなは佐々木が日直の時は、つい期待してしまうのだった。


 授業が終わって、半数の生徒が元の教室に戻るという大移動の最中、和馬は見た。佐々木が山本と一緒にいるのを。和馬は2組から1組へ移動しようとしつつ、教室の中央を見ると、佐々木が椅子に座っていて、山本はその膝の上に座って腕を佐々木の肩に回していた。佐々木はいつも人気者なので、数人に囲まれていて、佐々木が面白い事でも言っているようで、皆で談笑している。

 和馬は、ちょっと呆れて口を開けたまま立ち止まった。

「いくら仲が良くても、抱っこはないだろう、抱っこは。」

つぶやくと、角谷が和馬の見ている方を見て、

「ぶっ。」

と笑った。

「やきもちか?」

「ちげーよ、なんでそうなるかな。」

「確かに、抱っこはないよなぁ。」

角谷はそう言いながら、和馬の背中を押して2組の教室を出た。


 授業が終わって、音楽室へ向かおうとして、また和馬は気になって2組を覗いた。すると佐々木がちょうど出てきた。そして和馬に抱きついてきた。

「うわ?なんだよ。」

「俺の事気にしてるだろ?ははは。」

冗談めかして、佐々木は和馬を羽交い絞めにしたまま歩き出した。

 少し歩くと、佐々木は和馬を放して普通に歩き出した。

「もしかして、わざと?」

「何が?」

「誰かに見せるために、俺に抱きついたとか?」

佐々木は一瞬黙ったが、

「違うよ。考えすぎだよ。」

と言って笑った。その後は普通だった。


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