はじまりは……
軽い残酷描写あり、また途中で別視点になります。
他、誤字・脱字等があればお願いします。
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「…なぁ………」
「ん?」
「…初っ端からコレは無いんじゃないか?」
「……………………アハッ☆」
「……おい」
「あー、まぁこんなこともあるって」
「…こんなことは起きないで欲しいんだが」
「いや、それ無理」
「………は?」
「あ、時間だ」
「え? おい、ちょい待て、それどういうこ……」
「はーい、それでは第2話どうぞ〜」
「おい、スルーするな‼︎
私の質問に答えろーーーーー!!!!!」
内容が突拍子だけど気にしない気にしなーい
では、はじまりー はじまりー
「此処は………何処だ?」
まず目を覚ませば辺りは真っ暗だった。
辺りには自分以外何もなく、ただ周りが暗闇で先がどうなっているのかわからなかった。
動けばいいのだが、上手く動くことができずにいた。
そもそも前に進んでいることすらわからないものだった。
そして、ふと疑問に思った。
自分の身体はどうなっているのだろう。
身体を動かすのに違和感を感じていたこともあり、取り敢えず自分の身体の確認をしてみることにしてみた。
まず、腕を動かし手を自分の前に持ってこさせようとした……けど、
「……動かない」
動かすことができなかった。
何故だ?とまた疑問に思い頭の中をグルグルと悩ませていたが、ふとあることに気づく。
同時に嫌な予感が頭の中を過ぎる。
気のせいだと 違うだろうと、けれど嫌な予感と思いを抱えながら、自分の手足があるであろう場所をみる。
そして見た瞬間、一時思考が停止した。
自分が見た所には、両手両足があるはずであろうというトコロにはーーー
「……手足がーーーーーー 無い」
綺麗に、まるで最初っからそんな機能など無いと思えれるぐらいなかった。
……嫌、手足云々だけじゃない、…………だけじゃなかった。
みないように頭の中で命令されていたが自分はみる。
そして気づく。
自分の身体はーーー 頭部だけだと。
…目覚めて早々ホラーとか、ないだろ…………
**********
一度気持ちを落ち着かせる為に目を閉じる。
気を少しでも紛らわす為に そこまで何もないが、知ったことを頭の中で情報整理する。
が、さっきのことを思いだして鬱な気分になりかけて墓穴を掘りそうになり、断念することになる。
ーーー馬鹿だ……
? 何か聞こえたような気がして、辺りを見回してみるが何もなく、闇しかない。
ただの空見かと思いまた、思考に戻そうとして
「……あ、」
自分がさっきやった行動に気づく。
…辺りを見回した?
自分の身体はあまり考えたくはないが今の自分は頭部しかない。
そんな状態で見回す?
…………………。
今一度、自分の現状を改めて確認し思考する。
周りには人どころか生物の気配、生命さえ感じられず真っ暗闇。
いるとしたら自分だけで、そんな自分は頭部だけの状態、なのに辺りを360度見回すことが可能。
さて、こんな現状で当てはまりそうな、該当しそうなのは二次小説とかであるが、普通に現実的に考えれば
「ここ…地獄…冥界か?
そうと仮定するなら、自分は死んだのか?
じゃあ自分は、…魂………人魂?」
此処が死人の行き着く場所で自分は魂みたいな原型をしていると、第三者が聞けば脳を心配されそうな考えが浮上してきた。
でも、あながちそこまで間違ってはいないと思う。
まぁ、真偽のほどはどうでもいい。
今は何でもいいから納得できそうな仮説と心の平穏があればいいのだ。
それを理由づけとして自分が落ち着ければいいのだから、細かいことは後から考えればいいんだ。
そうして自分を無理矢理納得させる。
今の自分が人外(確定)であり、…人魂(仮) だと納得(?)したところで、幾分心に余裕ができたので人心地に浸っていたら
「へー、あの状態でほとんど自覚したのか」
後ろから聞こえた声に、警戒と意識を向けることになった。
さっきまで自分しかいなかった空間に突如として現れたナニカを自分は恐ろしく冷静にそれをみている。
精神的に強い衝撃を受けたからか、それとも元からこんな自分だったのかはわからないが、思考が停止しないのは有難かった。
「誰だ?」
「別に誰だっていいだろう」
取り付く島もない返事を返されたその存在の姿は 辺りが暗くてはっきりと見えなかったが、人型のシルエットだった。
………………。
………いや、だって自分が人外?だから、…そう考えたら、……ねぇ?
そんな他愛も無いことを思いながら、その存在を観察してみる。
相手も何かこっちを観察?…違うか、何か…確かめてる?があっているかな、取り敢えず自分と同じようにこっちを見てる。
そのままお互い黙って観察している。
片や人外の人魂っぽい何か、もう片方はGみたいに唐突に湧いた多分人間?と思うナニカ。
……なんか酷くシュールだ。
このままだと変な空気になりそうだなと思っていたら、
「…間違ってはいないか」
相手が先に口火を切った。
?
確認が終わったのか唐突にそう言ってきたが
…間違っていない?どういうことだ?
「何のことだ?」
その存在の言ったことに対し疑問に思い、問いかけてみたが答えはなかった。
まぁ、特に期待はしていないから別にそれはいいんだ。
けど、このままだと一方通行の会話になりそうだから、警戒は解かずに質問に答えてもらおうと口を開こうとしたんだ。
「なぁ、…」
「確認はとれた、判定は黒。
まぁ、そんなわけで
ーーー さよなら(死ね)」
……だからってどうしてこうなるんだろうか
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ーーーヒュウッッ‼︎
「? ……? ……………ッっっっがッ⁈‼︎
ぐっっっ‼︎⁉︎
あぐっ‼︎…あ……あ…あアアアアアアァァァァァァーーーーーーーーー‼︎‼︎‼︎⁉︎⁉︎」
…自分が聞こえたのは風を斬る音だった。
自分が見たのは黒い刃だった。
何時の間にか目の前には黒い刃のシルエットがあり気がつけば自分を斬り裂いていた。
いつ動いたのか、そもそもどうして自分が斬られているのかとか、そういうことは思いつかなかった。
ただ遠くのものを眺めているような感じでどこか現実味がなくて、無自覚に思考が頭が考えることを拒否していた。
でもずっと思考が止まっていられるわけがなく、段々と意識が現実に戻ってきて、そして自覚する。
ーーー斬ラレタ と
…次に感じたのは痛みだった。
ああああああ亜亜アアアアァァァッっっっ‼︎‼︎
痛いっ‼︎‼︎‼︎
痛いっ‼︎痛い‼︎っ痛いっ‼︎いたいっ‼︎いタいッ‼︎
イタイイタイイタイイタイ………
ただ、ただ今の自分は芋虫のように強い痛みに悶えて、醜い叫びを
痛みを受けた叫びを 口も心の中からも獣ように声をあげていた。
しばらく、そうして痛みに耐え忍んでいればほんの僅かにだが考える思考が戻ってきた。
「あー、……しくったかー
外殻がないから一発で決まるだろうと思ってたんだけどね〜……
やっぱり、元はーーーでもーーーーー だから、か…」
自分を斬り裂いたナニカは何かを言っているようだ。
ノイズがあるようで聞こえないがどうでもよかった。
そんなことを気にする余裕は自分にはなかったから。
痛みで意識が朦朧としてきていた。
「まぁ、考えるのは後だな。
じゃあ、短い別れだが安心して狩られてくれや、もと ーーー……」
意識がほとんど朦朧とするなか黒い刃……、死神の鎌のようなシルエットが自分に向けて振り降ろされようとしているのをみる。
……自分は………死ぬのか?
このまま殺されて死んで、…どうなるんだ?
自分は死んでいる、死んでいるのに殺されるのか?
殺されたら…、死んだら…、
自分は…………
………………消えるのか?
「ッっっっ‼︎‼︎」
………いやだ
………いやだ……いやだ…イヤだ…イヤだ…
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ…………………
……………嫌だ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎
自分は死にたくない、…死にたくない!
生きたい‼︎
鎌が振り降ろされた死に際、自分は強くそう願った、願望し、切望し、懇願し、願いに願った。
生きている生き物、全ての生物、生命が必ずもつ原初の感情、生きたいという気持ちをただそれだけの感情を強く思い願った。
…けど現実は夢のように甘くはない。
死の鎌は振り降ろされ豆腐を容易く突き刺すように自分を深く突き刺した。
まるでそんな願いは無駄なのだと、死からは、消えることからは逃れられないのだと、そう言われているようにその刃から感じた。
自分という根幹の奥の奥、自身の核に致命的に刺されたんだと、突き立てられた瞬間 不思議と自覚し、同時に何か流しこまれているような感覚を捉えたがもうどうでもよかった。
自分は……もう………消え…る…のだ……から……………
消えるなか、死にたくない生きたいと強く未練がましく自分は思った。
意識はもうほとんどなかった自分が最後に見たのは、自分を殺したナニカの姿ではなく
……目の前に丸い楕円形の開いた黒い穴だった
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「くっ…!ぅんっ…〜〜〜っ!
フッ…、はぁっ…‼︎ …………
…………はー…、はー……」
生きる者は必ずしも多かれ少なかれ知恵を持
っている。
それが良い悪い問わず関係なく知恵を持つ者はその知識を用いて使用する。
それは人であれば自分の為に、家族の為に、一番愛した人の為に、赤の他人の為にとあるだろう。
また物事であれば生きる為に、快適な生活を送る為に、欲を満たす為にと色々あるだろう。
そして、それにより生じるのはまた様々だ。
「はーー…………、…んっ…んんっっ‼︎
んっ!……はっ…、あっ!…」
人は多くの生き物の中でより多くの知識を持っている。
その知識により様々なことをやり産み出し、そして造り出した。
産み出され造り出された物は人の価値観によって千差万別と区分され区別される。
それは平らかで安らかであれと望まれた都、平安京と呼ばれる都もまた例外ではない。
「あっ…、あぁっ…!
……ああっ…、あああアァァァァッッ!!!」
雅な都とされる箱庭には貴族が住まう区間があり、その区間から少し離れた処にある一つの屋敷がある。
その屋敷は他の屋敷と比べると所々傷んでおり、其処彼処に見ただけでは気づかない程だが補修がされている。
……まぁ、良く言えば古風な侘び寂びのきいた屋敷、悪く言えばオンボロのガタがき始めたボロ屋敷といった仮にも貴族にしては実に寒い住まいだ。
「おぎゃーー、おぎゃーーー……」
さて、そんな屋敷に住まう一人の若い女性に一つの命が誕生した。
「紅葉様、おめでとうございます。無事元気なお子が御生れになりました」
産婆を務めた女性がお産をした女性に祝言の言葉をそうかけるが、その顔は祝福をする顔ではない。
お産で疲労が激しく疲れきっているが、産婆のいった事と浮かべている表情に疑問をうかべる女性ーーー 紅葉
何故そんな顔をするのか、無事元気に生まれたのに何故憐憫の眼差しを向けられるのだろうか。
「…子を……私の子を……抱かせて下さい………」
紅葉は自分の子である赤子を求めた。
…恐らくあの様な目を向けられる理由が自分の子にあるのだろうと紅葉はある確信と共にそう思っていた。
産婆を務めていた女性は迷うような素振りをする。
別に産婆自体が赤子を蹴嫌いしているからではなく、このまま赤子を見せても大丈夫だろうか、気にでも触れてしまわないだろうかと思ったからだ。
そう思ってしまう程 赤子の外見が普通の赤子と異なるのだ。
だから一瞬そう思ったりするのだが、直ぐにその考えを消し赤子を紅葉に渡した。
渡された自分の子である赤子を身体に鞭を打ちながらしっかり苦しくないように抱きしめようとし、産婆の手助けをもらいながらも赤子を抱く。
「あー… うぁーぅ……」
「………女の子なんですね…」
まだ産まれたばかりの可愛らしい我が子を見つめながら穏やかな落ち着いた声でそう呟く。
その声は聞くものが聞けば慈愛に満ちたものだとわかるだろう。
産婆の気苦労はとり越し苦労となりホッと息を吐き人心地をつく、そして産まれたばかりの赤子とそれを抱える母子を今度は優しく見守る。
「うぅー… ぁうっ………」
「産まれてきてくれてありがとう…私の子……」
「うぁーぁ………」
「産まれた貴女に私からの最初の贈り物があります」
「…うぉぅ…?……」
そうして白髪の髪色をし、紅葉樹の紅葉を彷彿とさせる紅い瞳をもつ我が子を優しく撫で
「ーーー 棗
……これが私が貴女に贈る物、……貴女の名です」
優しい慈母の笑みを浮かべた。
**********
To Be Continued