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アインクラッド





「ありえませんわ、これは何かの夢ですわ。

そうに違いありません」

アリス王女が現実逃避している。

他の皆も似たような感じだ。


少し時間が経った後、真斗達が話しかけてきた。

「流石にステータスはちょっと驚いたが、スキルが凄いな」

「確かに羨ましいよ」

「なんかオレのがハズレみたいじゃん⁉︎」

「いやいや、内心俺もこの事には驚いてるよ?というか、そんなに凄いの?」

だって潜在能力なんて発揮出来るか分からなくない?

僕達を置いてぼーっとしているアリス王女に尋ねてみる。


「凄いなんてものではございませんわ。この事が他国に知られてら正直危ないですわ」


強いのが危ない、とはどういうことなのだろうか。そう疑問に思ってると

「後ほど詳しく説明致しますがこの世界アインクラッドには人族、エルフ族、魔族、獣人族、ドワーフ、巨人族、などなど様々な種族ごとで国があり、今は表面上では平和という事になっております。そんな状態で貴方様達のような強者が現れたら問題になりますわ」


あれっ?勇者って強くなきゃいけないんじゃないの?

僕達はみんなそう考えてるとアリス王女は察したのだろうか、苦笑いしながら言う。

「正直なところ常人より強いが常識の範囲内と認識しておりましたわ。ここまでお強いとは思いもしませんでしたわ」

「ではこの事は内密の方がよろしいのですか?」

「はい、そうしてもらえますと助かります。

しかし、父上いえ国王様にはご報告した方が宜しいかと…」

「了解しました」


僕達が納得すると惚けていた専属の女の子達も現実に戻ってきたようだ。さて、これから勉強タイムだ。







専属の女の子達の話では、

この世界アインクラッドにはアリス王女の言ってた様に様々な種類の種族がいて、種族ごとに国があるらしい。他国に行っては行けない、という事もなく自由に行き来できるそうだ。表面上は平和という事になってはいるが何処かの国が今も他国の様子を狙っている、という噂もあるそうだがあくまで噂だ。


そして国には必ず冒険ギルドと言うものがあり、冒険ギルドとは国に属していない独立した組織らしい。以前冒険ギルドを手に入れようとして返り討ちにあった国もあるそうだ。

冒険ギルドにはクエストと言うものがあり、それをこなすと冒険ポイントと報酬が貰えるそうだ。ランクが上にいくほど高額の報酬が貰えるというわけだ。細かい規則などもあるので覚えておきたい。


そして何故僕達のステータスに驚いたのか、というわけが分かった。この国の最高ステータスを持つのは騎士団長で名前はクリスタ・ルージュ。恭平の専属レベッカさんの父親だった。これには少し驚いた。

ということで、そのステータスを見せてもらう事にする。


クリスタ ルージュ


筋 力 :A

魔法力:B

耐 久 :B

耐 性 :B

敏 捷 :A

総 合 :A


スキル:

・『ルージュ流剣術皆伝』〜ルージュ流剣術を極めた者にあたえられる




確かにこのステータスを見ると僕達が物凄く強そうに思われるが、ステータスとは潜在能力も合わせてなので今の僕達ではこの人に手も足も出ないだろう。


「これでお分かりになられましたか?」

「確かにね…」

「次は魔法についてです」


魔法とは詠唱をしてその魔法を想像して放つというものらしい。魔法力の制御は難しいと言う。

ちなみに魔法にも強さがあり、低い順に低級、中級、上級、精霊級、王級、将級、神級となっている。

専属のみんなは精霊級まで出来るそうだ。

常人で中級まで、才能がある人は精霊級まで、エルフや魔族は王級まで放てる人がいるらしいが将級や神級は見たことがある人はいないそうだ。


次は語学についてだ。

この世界アインクラッドでは国ごとで字や言葉が違うらしいが、幸いな事に僕達は異世界召喚の際に自動翻訳みたいになっているらしく会話には困らない。しかし、文字は違うらしく最低でも人族の言葉は覚えなければならない。習ってみるとカタカナと平仮名に似たような文字なので簡単に覚えられた。

他国に行く用事が出来るかもしれないし、早めに覚えておきたい。


ずっと勉強と言うのもよくない、との事で少しの雑談をする事になった。

先に喋り出したのは真斗だ。こういう時は頼りになる。流石俺らのムードメーカーと言ったところだ。


「学園ってどんな感じなんだ?」

「そうですね、私は特別扱いされますので城とあんまり変わりませんわ。私も皆さんと遊びに行ったりしたかったのに」

アリスは王女という事もあって、友達がいないらしい。



「私も侯爵家の娘ですし、この様に無表情で無愛想なので友達がいなく、退屈な日々です」

クレアも貴族、それと侯爵なので平民もいる学園では特別扱いなのだろう。しかも自称無愛想だからもあるだろうか。



「わ、私も公爵家の娘ですから友達が少なく、避けられがちです」

ミルクも貴族だが持ち前の明るさで少ないらしいが友達はいるらしい。マスコットキャラだもんな。



「私は子爵家だから皆と比べて身分が低いから友達もいて結構楽しんでるわよ」

クルルは楽しそうに学園について話した。どうやらクラスの中心になっているようだ。

クルルは人付き合いがうまそうだ。



「私も騎士団長の娘でもあるので同じ女騎士とはよく話すぞ」

レベッカは伯爵家だが騎士を目指す者にとっては憧れのような存在らしい。なんか容易に想像出来る。



学園についての意見は思ったより多種多様だった。

アリス王女やクレア、ミルクはこれから僕達もいるんだし解決できるだろうか?


「アリスもクレアもミルクも暗ぇな。じゃあまず、俺達と友達になろうぜ」

「そうだね」

「そうですよ」

「そうだそうだ」

僕達も真斗の意見に賛成だ。

これからお世話になるんだし、どうせなら友達になりたいし、ク、クレアとも仲良くなりたい‼︎



その言葉を聞いて3人は目をぱぁっと輝かせてお礼を言う。

「「「ありがとうございます(わ)」」」






その夜


昨日と同じ様に城の一室で僕達4人は寝る。

寝ようとするその時真斗が話しかけてきた。

「優、お前クレアのこと好きだろ?」

「なっっ‼︎‼︎な、何言ってんだよ⁉︎」

なんでバレたんだろう。

コイツ、もしや超能力者なのだろうか?


「分かりやすいぜ、お前は」

「バレバレだよ、優。ボク達の付き合いの長さ舐めないでよ」

「マジか⁉︎俺気付かなかった」

恭平をジト目で見る真斗と拓実。


「お前バカなの⁉︎あれ見て気付かないとか鈍感にも程があるわ」

「そうだよね。ホント阿保だよ」

「ヒデェ⁉︎まぁいいじゃん。それより優一目惚れか⁉︎」

「う、うん。今日はずっとドキドキしてた」

「優は黒髪好きだもんな」

「クレアさんスタイルもいいしね」

「しかもメッチャ綺麗だもんな」


みんなにからかわれる。これ以上は恥ずかしすぎる。


「おやすみっ‼︎」

「「「あっ、逃げやがった」」」


こうして異世界2日目を過ごした。


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