自己紹介とステータス
次の日の朝
最初に僕が起きると真斗が起きた。
僕は寝起きはいい方だ。真斗もそうなんだろう。
「おはよう真斗」
「おはよー優」
真斗と雑談しながら着替えていると次に拓実が起きた。
「「おはよう拓実」」
「おはようございます優、真斗」
最後はやはり恭平だ。恭平は低血圧で寝起きはとてもテンションが低くなる。いつも落ち着きがないからだろうか。
「「「おはよう(ございます)恭平」」」
「はよ、みんな」
こんな感じでみんな起きて着替えて謁見の間に行く。
謁見の間を開くとそこには王と王女、そして4人の女性がいた。
もしかして、あの子達が僕達の専属の人なのかな?
「おはよう諸君」
「おはようございますわ皆様」
「「「「おはようございます勇者様」」」」
「「「「おはようございます」」」」
「いい挨拶じゃ。では、昨日言った通りにお主らに勉強を教える者を紹介しよう」
王がそう言うと4人の女性が前に出た。
そして各々が勇者の前に立つ。
「私は優様の専属でファーレント侯爵家の娘クレア・ファーレントと申します。よろしくお願いします」
「僕は灰原優。よろしくおねがいします」
昨日の王女と同じくらい綺麗な女の子だ。
クレアは長い黒髪に赤い目、そして無表情。
肌はやはり真っ白で、身長は175センチの僕と比べ15センチも低いがスタイルはボン、キュ、ボンと言えるほど素晴らしい体型である。
性格はおそらく大人しく静かな子だろう。
まさに優のどストライクだった。
「わ、私は真斗様の専属のセントラル公爵家の娘ミルク・セントラルと申します。よ、よろしくお願いします」
「俺は西園寺真斗だ、よろしく」
ミルクは茶髪で青の目、綺麗よりも可愛らしい系の顔立ち。まるで人形さんのような女の子で、身長は150センチくらい、お胸は…まぁ本人の為に秘密だ。
性格はおそらく明るく、みんなに愛されるマスコット的なキャラだろう。
「私はクルル・ドミニオンって言います。貴方の専属よ、よろしくね」
「ボクは加藤拓実。よろしくね」
クルルは紫色の髪に紫の目、綺麗系の顔立ち。身長は拓実とほとんど同じ、スタイルは標準だろうか。
性格は年上のお姉さんのようだ。
「私はレベッカ・ルージュ。貴方の専属だ、よろしく頼む」
「オレは皆藤恭平、よろしくな」
レベッカは真っ赤の髪に赤い目、女性なのにカッコいいと言われる顔立ち。身長は女性としては高く175センチ、スタイルは標準だ。
性格は軍人のような格好と喋り方だから真面目な人なんだろう。
「それぞれの自己紹介も済んだのだし、今日はもう好きにしていいぞ。少ししか出せんがお小遣いもやるしな」
王はそう言って少しのお小遣いをくれた。
折角なので専属の女性たち、王女も連れて王都を散策することにした。
王都を散策しているとやはり美形揃いのためか注目された。しかしナンパして来ないと言うことは度胸がないのか、それとも貴族ということを知っているのか、のどちらかだろう。
そろそろお昼前だったので昼食を食べることにした。すると王女が『如何にも』という雰囲気の店を勧めてきたが肩が凝りそうなのでやめてもらった。王女は少し残念そうだったが。
結局城に帰って昼食を取ることにした。
ついでに簡単な自己紹介もすることになった。
まずは男性陣
「僕の名前は灰原優。趣味は読書かな。これからよろしく」
「俺の名前は西園寺真斗。趣味は運動だ、よろしくな」
「ボクの名前は加藤拓実。趣味は料理です。よろしくお願いします」
「オレの名前は皆藤恭平。趣味は真斗と同じだ。よろしく頼むぜ」
続いて女性陣
「私はクレア・ファーレントです。趣味は特にないです。よろしくお願いします」
「私の名前はミルク・セントラルです。趣味は裁縫です。よろしくお願いします」
「私はクルル・ドミニオンよ。趣味はイタズラかしら。よろしくね」
「私はレベッカ・ルージュだ。趣味は鍛錬だ。よろしく頼む」
「私はアリス・ナリーシア・シオンですわ。趣味はお料理ですわ」
全員の自己紹介も済み、昼食も食べ終え、いよいよ学園についての説明だ。
昼食を食べた僕達は王女から案内されて訓練場にやって来た。どうやらここにある水晶のようなもので自分のステータスを調べることができるようだ。
ステータスとはどのようなものだろうか?
ステータスというのは潜在能力も合わせた自分の力を測れると言うものらしく、ステータスは一生変わらないとされているらしい。例外もいるらしいが…
そのステータスを基にして学園でクラスを分けているそうだ。ステータスは高い順にS、A、B、C、D、Eというふうに分かれていて、これは冒険ギルドも一緒らしい。近年では最高でAランクらしい。
つまり学園のSクラスは必ずしもSランクしか入れないと言うわけではない。
ちなみに女性組はみんなAランクで学園ではSクラスらしい。
ステータスは筋力、魔法力、耐久、耐性、敏捷、総合ランクという感じらしい。
耐久とは物理攻撃に対する防御力、
耐性とは魔法攻撃に対する防御力らしい。
「よっしゃぁ、やってやるぜ」
最初は恭平のようだ。
カイドウ キョウヘイ
筋 力 :S
魔法力:C
耐 久 :A
耐 性 :A
敏 捷 :B
総 合 :A
スキル:
・『狂乱』〜意思がなくなる代わりに全ての能力を1段階上げる
「「「「「なっ‼︎」」」」」
筋力Sなど見たことがない、という顔をしている。
さっきは忘れていたがスキルとは個人が持っている能力みたいな物で先天的なものと後天的なものがあるらしい。
ちなみにスキルは一度得ると無くならないそうだ。
「俺のすげぇのか?」
「筋力Sというのもこんなスキルも見たことがありませんわ」
王女が言うにはスキルと言うのは大体が魔法の属性をUPさせるというものらしい。恭平の場合はそれなりのリスクがある。意思を失ったら敵味方区別できないから使い勝手が悪い気がする。
「次はボクやってみるよ」
次は拓実らしい。珍しくやる気なのはやはりステータスというファンタジーの世界に来たから自分の力を知りたい、ということなのだろうか?まぁ気持ちも分からなくはないというか、僕も同じ気持ちだから共感できる。
カトウ タクミ
筋 力 :D
魔法力:S
耐 久 :C
耐 性 :B
敏 捷 :A
総 合 :A
スキル:
・『魔法の申し子』〜全ての魔法の属性をUPさせる
「「「「「ッッッ‼︎」」」」」
今回もなんか凄いらしいな。
「次は俺なー」
軽い感じで行ってきたのは真斗だ。真斗はヤバい結果になる気がする。
ただでさえ運動神経抜群の真斗だ。
拓実や恭平があの様な結果ならこいつはもっと凄いだろうな。
サイオンジ マサト
筋 力 :S
魔法力:A
耐 久 :A
耐 性 :B
敏 捷 :A
総 合 :S
スキル:
・『聖剣精製』〜魔法で聖剣を作成することができる
「「「「「はぁぁぁ⁉︎」」」」」
総合ランクSが出て驚いてる様だ。
それもそうか、今まで居なかったんだから世界で初めてというわけか。
この後の僕の事も考えて欲しいもんだ。
これでショボかったら泣くぞ。
「最後は僕か」
みんなが期待した目で見ている。
「そんな期待しないでよ」
男性陣がコイツ何言ってんの、という目で僕を見る。
「いや、俺らの中で俺よりヒドいのはお前だけだぞ?」
「確かに真斗に比べたら僕は…」
「まぁやってみろって」
そして僕はステータスを測定した。
ハイバラ ユウ
筋 力 :S
魔法力:S
耐 久 :S
耐 性 :S
敏 捷 :S
総 合 :S
スキル:
・『神に愛されし者』〜この者はすべての神に愛されている
・『異次元箱』〜異次元の空間に物を出し入れできる〔無制限〕
・『武器生成』〜あらゆる武器の作成が可能となる
「「「「「「「「えぇぇぇぇぇーー‼︎‼︎」」」」」」」」
この日一番の叫ぶ声が王都内で響いた。