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第七話「姉弟」

「あ~。やっと今日の授業が終わったぜ。疲れたな~」


 今日の全ての授業が終わり、自分の席を立った修理が大きくのびをする。


 確かに疲れたな。だが修理よ? お前、最初の花山先生の授業以外、全部居眠りをしていなかったか?


「えっ!? そ、そんなことはないって。お前の気のせいじゃないのか?」


 いや、授業中ずっと修理の寝息が聞こえてきたのだが……修理って、背筋を伸ばして座りながら眠る特技でも持っているのか?


「違うぜ。背筋を伸ばして座りながら目を開いた状態で眠る特技だ」


 威張っていうことじゃないだろ。


「だってよ、今日の授業って退屈な学科ばかりだったじゃないかよ。これが実際に機甲鎧に触れる実技だったらともかく、学科なんかやる気しねぇよ」


「こら。そんなこと言っていたら立派な整備士になれませんよ」


「うわっ!?」


 あれ? 花山先生?


「り、理華!? いつやって来たんだよ? 何の用だよ?」


「は・な・や・ま・先生、です。いつやって来たって、今来たに決まっているでしょ? それに修理ちゃ……じゃなくて花山君忘れたの? 今日は父さんも母さんもこの星に来ているから一緒に食事に行く約束でしょ?」


「え? そうだったっけ?」


 へぇ、修理は今日、家族で食事か。仲がいいんだな。


「あら? 君は日善君だよね?」


 はい。俺は日善カズト。知っての通り花山先生の生徒で、花山修理君と同じ部屋の同居人です。


「え? そうなの? 日善君、修理ちゃ……花山君のことをよろしくね。何か君に迷惑はかけてない?」


 いえ、迷惑なんて特には……ああ、でも最初同じ部屋に行ったとき、足場もないくらい散らかっていたのは驚きましたね。


「ちょっ!? カズトお前、バラすなよ!?」


「しゅ~う~り~ちゃ~ん?」


「理華……じゃなくて花山先生?」


 な、何だ? 花山先生の体から黒い霧みたいなものが見えるんだけど? あと笑っているのに得体の知れない寒気を感じるのは気のせいか?


「修理ちゃん……学生寮に入る前に『人には迷惑をかけない』、『一人でもきちんと部屋の掃除をする』ってお姉ちゃんとの約束していたのに、全然約束を守れていないみたいね? これはやっぱり修理ちゃんはお姉ちゃんと同じ部屋で暮らした方がいいのかな~?」


「い、いや、そんなことないって。今のはホラ、カズトの笑えない冗談ってやつで、俺はちゃんと約束を守っているから大丈夫だって。なっ?」


「ふ~ん。だったら修理ちゃんが今日までどんな生活をしていたか教えてもらおうかな? もちろん父さんと母さんの前で」


「ひいぃ……!?」


 ズルズル……。


 有無を言わせない迫力の花山先生に左腕をとらえられた修理は、そのまま花山先生に引きずられるように教室を後にした。


 …………………………俺には兄弟がいないからよく分からないけど、あれもまた仲の姉弟のなのだろうか?

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