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第三話「学生寮へ」

 大型掲示板の画面に映っている立体化した影の巨人と機械仕掛けの巨人。


 それはこの星に来る前に航宙艦で見た夢に出てきた黒の巨人と緑の巨人によく似ていた。


 あの立体化した影の巨人は「悪霊獣」という怪物だ。


 悪霊獣は天文帝国が宇宙に進出した時期とほぼ同時期に現れ、それからは天文帝国の各地で突然現れては破壊活動を行っている。


 正体は不明。何故人を襲うのか理由も不明。


 突然どこからか現れて人を襲い、倒されれば幻のように消える。


 そのため天文帝国はこの怪物達のことを人を害する悪霊のごとき存在、悪霊獣と名付けた。


 対して悪霊獣と戦っている機械仕掛けの巨人は「機甲鎧」といって天文帝国が悪霊獣と戦うために開発した人型兵器だ。機甲鎧は天文帝国において悪霊獣と戦うのに最も有効な兵器で、千年も悪霊獣と戦い続けてきた天文帝国の護りと権力の象徴とされている。


 機甲鎧が護りと権力の象徴とされている理由は、機甲鎧に搭乗して戦う兵士「侍」は全員、天文帝国の特権階級の人間であるからだ。


 侍は世襲制で、上位の侍であれば星の大陸、あるいは星そのものを統治する権利を認められていて、この学園都市惑星ミチマサの最高責任者もまた侍である。


 ……さてと、そろそろ行かないとな。


 ああ、最後に俺が入学することになった学園は機甲鎧を整備する整備士を育成する学園で、今から行くのは学園の学生寮だ。






 ここか……。


 地図を片手に歩いて十分後。俺は今日から暮らすことになる学生寮に辿り着いた。


 学生寮は十階建ての立派に建物で、中に入ると清潔で広々とした受付があった。流石一流校、ただの学生寮でもこの扱いか。


「あれ? キミ、もしかして新入生?」


 建物に入ると受付にいた二十代くらいの女性が話しかけてきた。


 はい。今年入学する日善カズトです。今日からここでお世話になります。


「ああ、やっぱりそうなんだ。新入生の日善君ね。……はい。キミの部屋は六階の五号室。相部屋でキミと一緒の部屋のコは一週間前から来ているわ」


 受付の女性はそう言って部屋の鍵を渡してくれた。


 ……て、一週間前から?


「そうなのよ。何でも合格通知が来たその日にここに来たらしいのよ」


 それはまた随分と気が早いですね。


「そうね。でも明るくていいコだし、仲よくしなさい」


 はい、分かりました。ありがとうございました。


 受付の女性にお礼を言うと俺は早速自分の部屋にと向かうことにした。

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