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ある転生者の生き方 裏side

作者: cardy

初投稿です。なのに2本まとめてです。

よろしくお願いします。


 あ、どうも初めまして。少しの間、僕の話しを聞いてくれませんか?

 僕は、先天的な病気のせいで、生まれてから、ずっと病院のベッドで過ごしてました。

 学校にも行くことは出来ず、友達もいません、本かノートパソコンで一日を過ごすのが日常でした。

 家族も殆ど面会に来ることはありませんでした。・・・正直、寂しかったです。



 話は、その後なんです。

 僕がいつものように本を読んでいると、突然、胸が苦しくなりました。怖くはありませんでした。

 いつか来ると思っていた事がついに来たと、自分でも冷静に考えながら気を失いました。



 目が覚めたら思わず驚いてしまいました! だって、赤ん坊になってたんですから!!

 前世の記憶を持ったまま転生というのは、良く有る話しですが、まさか自分がそうなるとは思ってもみませんでした。

 これは、神様が与えてくれたチャンスだと思いました。だから僕は、前世では出来なかった幸福な人生を過ごそうとしました。



 ただ、この人生での自分の名前に聞き覚えがあると思っていたら、その理由が分かりました。

 この世界、前世であったゲームの世界みたいです。しかも、自分は脇役のポジションです。

 確信したのは、幼稚園でゲームの登場キャラ二人に会ったからなんです。



 一人は女の子です。妹さんもいてそっち共々、主人公の幼馴染になる子です。

 可愛い子でした。すぐ友達になれましたよ。



 ・・・問題は、もう一人の男の子。一応主人公なんですけど・・・この子、というよりこの人、僕と同じ気がします。

 明らかに、行動と言動が子供っぽくありません。最初に僕に会った時、「脇役か。」と、呟いてましたので間違い無いと思います。

 確かに、僕は脇役みたいですけど、僕にはあのキャラは無理です! チャラ男なんてできません!

 前世では、殆ど病院生活だったんですから! 人との付き合いなんて皆無ですよ!、

 そもそも、このゲームの事あまり記憶に無いんです。だから、僕は僕らしく生きようと思います。



 ・・・・・ただ、主人公君からは、目を離してはいけないと思います。良からぬ事を考えています。

 この世界が一夫多妻制と知った時、彼、スゴイ雄叫びをあげましたからね。周囲に居た子供たちが驚いて泣き出してしまいました。

 絶対、ハーレムエンド狙ってますね。現実にやれるものだと思えないんですが・・・

 ああ、妹ちゃん。だいじょうぶですから、頭撫でてあげますから、ほら、泣き止んで。



 このゲーム。高校二年から始まるんですよね・・・それまでに、彼をなんとか矯正出来れば良いんですけど・・・

 今は幼馴染姉妹に対する彼の態度に気を付けておきましょうか。

 ああ、ちょっと! ふたりにばかり構わない! 他の子を押しのけちゃダメですって! イタ! 暴力はいけませんよ!



 ―――そんなこんなで、無事高校に入学しました。主人公君達も一緒です。

 ここ数年間、主人公君の奇行をフォローしていたせいか。すっかり、彼を押さえ込む苦労人として、周囲に知られています。

 僕としては、勉強、スポーツと、前世では出来なかった楽しい人生を送っています。

 ・・・ただ、結局、彼を矯正出来ませんでした。聞く耳持たずです。僕をただの脇役と思っていますから・・・

 ハァ・・・正直別の高校へ入学しようかと考えた時もありましたけど、幼馴染姉妹に二人揃ってお願いされました。

 彼女達も、僕という防波堤が無くなると自分達がどうなるか分かっているんでしょうね。スゴイ必死でしたよ。





 ・・・・・・・・え〜〜と、彼なんですけど、二年生に成ってから良くメモを見ながらニタニタ笑ってます。はっきり言って怖いです。

 まあ、待ちに待った時が来たと喜んでいるんでしょう。・・・周囲はドン引きですけど・・・。

 またフォローにまわらないといけません。今度は八人分・・・・・・ハァ・・・。



 まずは、他の女の子達に会いに行く彼の後ろをこっそりついて行ってみると、案の定、嫌な顔されてました。

 て言うか、強引すぎです! 初対面で、その態度は無いでしょう!

 半ば強引に、話に加わり主人公の気を引きながら、視線で逃げる様に促します。なんとか無事に成功しました。

 主人公が去った後、改めて彼女に謝罪しました。・・・そんな事を繰り返しましたよ、六人分。

 唯一の救いは、なんか僕と彼の関係を噂で知っていた、上級生と同級生の女の子達はすぐに許してくれた事ですね。

 ・・・その同情の視線がイタいんですけどね・・・

 ああ、下級生の女の子達の時は妹ちゃんがフォローしてくれて助かりました。また、今度ケーキでも奢ってあげましょうか。



 それからも、彼の行動は止まりませんでした。・・・フォローも大変でした。

 ああ、そんなに上級生や下級生のクラスの方へ行っちゃダメですよ。何しに来た?という目で見られてますよ?

 なんで、彼女達以外への対応は冷たくなるんですかね? モブとか言っちゃダメですって! その中には彼女達の友人もいるんですから、その人達から君の悪評が伝わるんですよ?

 て、イキナリ誕生日プレゼントを送るんですか?! どうやって自分の誕生日や好きな物を知ったか疑問に思われますよ? ヘタすればストーカー扱いですよ?!・・・・・・もう手遅れですか・・・そういえば、イベント回収だって、彼女達の行く先々に現れてましたね・・・ハァ

 破滅の王道を全力疾走してるとしか思えません・・・学校行事でもそうですし。




 夏の修学旅行。

 確か、ここではお風呂を覗きに行くイベントがあるんですけど・・・・・・うん、君、行く気マンマンですね。立派な犯罪者な顔してますよ?

 とりあえずアッチにメールしておきましょう。『バカが行く、注意せよ』・・・と、これで良し。

 僕? 行くわけ無いでしょう。皆と大貧民大会を開催中です。






 ――――――――その後、ロビーの片隅で正座させられ説教されている彼がいました。

 僕のことをスゴく睨んでくるんですけど、僕が密告した事知ってるんでしょうか? なんか怒りの方向性が違う様に見えるんですけど。

 ちなみに、リクエストがあったので、彼の姿は写メールで送っておきました。

 本館に泊まっている女子達の間で大爆笑したそうです。



 秋の運動会。

 ・・・頑張るのは良いんですけどね・・・自分が目立つ事じゃ無くて、クラスが勝つ事を考えてくれないかなぁ・・・

 クラスの皆、白い目で君を見てるんですけど・・・



 文化祭

 開始と同時に主人公君が消えました。おそらく、と言うか確実に彼女達の所へ行ったんでしょう。

 クラスの出し物を手伝う気は全く無いんですね・・・ハァ。

 まあ・・・クラスの皆も彼を居ない者として扱っているので差し支えないんですけどね・・・



 ―――その後、自由な時間になったので、計画実行です!

 実は友人達と一年前から計画していました。男五人でバンドをヤろうと! 密かに楽器も練習していたんですよ!

 さて、他の協力者達の手を借りて、機材を体育館のステージに運び込み、準備万端!

 ゲリラライブ開始です!!




 ――――――いや〜〜ハッハッハ〜〜、見事成功しました! 中々好評でしたよ!!

 もっとも、その後。先生方からの説教が待っていましたが、良い思い出になりましたよ。

 今は、後夜祭のキャンプファイヤーを見ながら、戦友四人と乾杯中です。当然ジュースですからね?

 時々、僕らに気付いた人達が声を掛けてくれます。楽しんでもらえたようで何よりです。

 あれ? 幼馴染の二人だけでなく、ヒロインの皆さん全員演奏を聴いていてくれてたんですか? それは、ありがとうございます。

 えっ? 来年も? いや、先生方に目をつけられているので、無理かと・・・ああ! 分かりましたから! そんな目で見ないでください!! 約束は出来ませんからね!!



 季節も冬に入り始めた、今日この頃。休み時間になると僕はヒロイン達にメールを打ちます。

 最近では、彼の行き先を僕が教えて、その先でヒロイン達が連絡を取り合って逃げています。

 えっ? いつアドレスを? 主人公君から、何度か助けている内に交換しましたよ? 彼が迷惑掛けたら、すぐ呼ぶようにと。

 ただ、主人公君、ヒロイン達に会えていないのに、おとなしいんですよね。

 むしろ、テンションが上がっている気がします。何故でしょうか?



 ―――――ついに来ました。クリスマスです。ゲームではエンディングの日です。

 主人公君は、今、何を考えているんでしょうか? ハーレムルートを達成したとでも思っているんでしょうか?

 ・・・どう考えても失敗してますけどね・・・これで現実を見てくれれば良いんですけど・・・

 ちなみに、僕はバイト中です。サンタのコスでケーキを売ってます。



 その後。バイトも終わり、両親は夫婦水いらずでデート中。クリスマスの夜をどう過ごそうかと考えていたら、幼馴染姉妹からメールが届きました。、

 友人達とパーティーをするけど参加してくれないか?ということでした。まあ、他に予定も無いし、せっかくなのでお呼ばれすることにしました。





















 ――――――――――会場であるホテルの一室を訪れたら、クラッカーで歓迎されました・・・・・・・ヒロイン達八人勢揃いで。

 あの〜皆さん。他の参加者達は? え? 嘘? 僕を呼ぶための方便? なんでそんな事を?

 はぁ、今まで主人公君から色々と助けてくれたから、お礼がしたい? それはわざわざ、有難うございます

 うん? それだけじゃ無い?・・・・・・は? え? 好き? 誰が? 誰を? え〜〜と・・・いやすいません。ちょっと待って下さい・・・・・・・・・イヤイヤイヤイヤ!! なんで?! どうして僕なんですか?! えっ?! それは皆さん素敵な女性ですから嫌いでは無いですし、むしろ好きですけど・・・て、ちょっと! 皆さん離してくれませんか?! ちょっと待って! その笑顔がなんか怖いんですけどぉぉぉぉぉ!!!













 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――太陽が黄色いですね・・・・・・

 気がつけば、皆と一緒にキングサイズのベッドの上。仲良く一糸纏わぬ姿でです・・・

 ええそうです。ヤッちゃいました。頑張っちゃいました。仕方ないじゃないですか?!僕だって健全な男の子なんですから!!

 ・・・ヤッちゃったからには責任を取りますけど・・・問題は主人公君なんですよね。どう話せば良いのか・・・・・・









 ―――――――――――冬休みが終わり。学校で皆と一緒に居ると、来ました主人公君が。

 うわあ、スゴイ迫力。今なら視線で人を殺せそうですよ、この人。

 顔真っ赤ですけど、大丈夫かな・・・血管が切れなきゃいいんですけど・・・



 事情を説明しろと言ってきたので、説明しました。一から十まで全部です。

 まあ、信じられませんよね・・・僕だって信じられませんから・・・

 あ〜〜主人公君? ちょっと落ち着きましょう? 言ってる事が段々オカシクなってきてまから?

 彼女達だけではなく、周囲の人達の目も冷たくなってきてますよ?



 突然、彼が殴りかかって来たので、思わず腕を掴みました。

 完全に興奮しちゃってますよ。どうしたらいいのか?



 ――――――いい加減、もう目を覚まして現実を見て欲しいんですけどね・・・

 ここはゲームじゃ無いんですから・・・

 そう言ったとたんに、彼、スゴイ雄叫びをあげて、走り去って行きました。

 大丈夫かな、本当に分かってるんですかね?







 ―――――――――来年、受験ですけど。ロクに勉強して無いでしょう?













ご愛読ありがとうございました。

表sideも見て下さい。

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