HAMBURGER BLUES第10 話静かな狂気とアルバイト希望の子供
HAMBURGER BLUES第10 話静かな狂気とアルバイト希望の子供
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朝
ベラ地区
WAGYU BURGER
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カランカラン
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客A
「ダブルチーズ二つ!!」
客B
「ピクルス抜きィィ!!」
客C
「税金高ぇぇぇ!!」
客D
「昨日の運動会見たぞォォォ!!」
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beem
「肉は逃げないィィィ!!」
Walker
「逃げないけど注文は溜まってるゥゥゥ!!」
cool
「ポテト揚がりましたねぇ」
bads
「ねぇ見て」
Walker
「今忙しい」
bads
「昨日と今日で髪巻き方変えたんだけど」
Walker
「今それじゃねぇぇぇぇ!!!」
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ドタバタ
ジュゥゥゥゥ……
肉が焼ける
古代テクノブルース
小音量
昨日ほどではない
それでも十分うるさい
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beem
「昨日のベーコン……」
Walker
「まだ言ってる」
beem
「人生最高だった」
cool
「良かったですねぇ」
bads
「五位も最高だったわ」
Walker
「お前だけだからな」
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客A
「五位って微妙じゃね?」
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静寂
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bads
ゆっくり振り返る
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「殺すわよ」
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Walker
「やめろォォォォ!!!」
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客A
「すみませんでした」
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cool
「平和ですねぇ」
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ジュゥゥゥ……
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beem
「肉とは」
Walker
「始まった」
beem
「順位ではない」
Walker
「また哲学始まった」
beem
「昨日」
beem
「俺達は負けた」
Walker
「うん」
beem
「でも」
beem
「帰り道が最高だった」
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少し静かになる
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cool
「そうですねぇ」
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bads
「ドライヤーΩも手に入ったし」
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Walker
「結局そこなんだ」
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客B
「そのドライヤー本物?」
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bads
「触ったら殺す」
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客B
「すみません」
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カランカラン
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新しい客
老婆
「若い子達は元気ねぇ」
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全員
「いらっしゃいませェェェェ!!!」
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全員
別々の会話をする
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beem
「和牛は宇宙だ」
Walker
「会計待ってください」
cool
「ポテト塩多めですねぇ」
bads
「この髪型どう?」
客A
「税金が高い」
客B
「昨日転んだ」
老婆
「昔はもっと酷かったわよ」
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全部同時
全部成立している
Jazzだった
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その時
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カラン……
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鈴の音だけが
妙に静かに響く
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全員
止まる
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入口
小さな影
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黒いパーカー
小さな身体
年齢は十二歳くらい
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目だけが
異様に落ち着いていた
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少年
「……」
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Walker
「……お客さん?」
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少年
静かに頭を下げる
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「こんにちは」
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beem
「バーガーか?」
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少年
「違います」
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cool
「テイクアウトですかねぇ」
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「違います」
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bads
「何?」
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少年
少しだけ首を傾げる
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「アルバイト募集していますか」
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静寂
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三秒
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Walker
「……え?」
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beem
「君」
「何歳だ」
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「分かりません」
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bads
「は?」
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cool
「困りましたねぇ」
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少年
ゆっくり店内を見る
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焼ける肉
笑い声
爆音のレコード
酔っぱらい
狂人達
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そして
静かに言う
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「……やっぱり」
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「ここだった」
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全員
「?」
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少年
「ずっと探していました」
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Walker
「何を?」
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少年
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「WAGYU BURGERを」
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店内の空気が
少しだけ変わる
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beem
初めて
真顔になる
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「……」
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少年
⸻
「働きに来ました」
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「面接は必要ありません」
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「僕は」
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「ここで働くことを」
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「ずっと前から知っていたので」
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古代テクノブルースだけが
静かに流れていた
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続く
第11話
「名前のない少年と、誰も知らないbeemの過去」




