表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/6

旅の記憶 01

僕は世界を旅した。


子供の頃から理由もなく人に好かれるたちだ。

恐らくそれは僕自身も相手のことを知りたいからだと思う。


僕は人が好きだ。大好きだ。

思い返せばあのときのあれは騙されたのかと気づくこともあるが、お金に不安のない(お金はないが)毎日を過ごす事ができたのは幸せだった。


高校卒業して初めて一人旅に出た。

動機は忘れたが、初めてのバイト代でなんとなくパスポートを取り、飛行機に乗れる収入が入った所で気づいたら飛行機の予約をしていた。


腹巻きにパスポートと非常用の現金を忍ばせ、上着にもパスポートのコピーと現金をいくらか縫い込んだ。


言葉も通じない所で何をするのか。

僕はインドネシアのジャカルタに降り立っていた。


目的もなく乗ったバスの中で簡単な会話集を読んでいたら隣の男の人が話しかけてくれた。彼はウィリーと言って、今でも年始の挨拶はハガキでやりとりしている。


僕たちは渋滞に巻き込まれたバスの中で、本のページを指差しながら会話をした。僕が初めての一人旅だというと彼は案内するよ!と言って家に泊まらせてくれた。


インドネシア語は英語とそこまで差がない。

日本語で考え、それを英語に翻訳して、インドネシア語に再度翻訳するとゆっくりであるが間違いなく話ができるようになった。


彼の父親は車関係の自営業をやっているようで、時々重たい荷物を運んだり、家事を手伝いながら過ごさせてもらった。


また、ウィリーの紹介で他の地域の友達の家に泊まらせてもらったり、そこで仲良くなった近所の人たちのお手伝いで飛行機代も何とかなるようになった。

そこで、名残惜しいが次の旅に出ることにした。


会う人は皆優しい。ひと目見て、僕にお金がなく害もないということが分かると、これ食べな、この服なんか似合うんじゃないか?と。


僕も遠慮なく頂いて、食べ物は近所の子どもたちと一緒に食べて泥団子をピカピカに磨いたり、手遊びをしながら過ごしたりしていた。


途中から完全に託児所になり、親御さんから御駄賃を頂くようになってからは辞め時を見つけるのが少し気を使った。


ちなみにはじめの一週間で10キロ痩せたが、それからは慣れたようでお腹を壊すことはなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ