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公共の福祉の名の下に 前文  作者: 紅茶空間
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世界創造の記録

公共の福祉の名の下に…

つくづく、神というのは恐ろしい役職だと思う。特に創造神など、正しく死んでもなりたくない。

少々、ほんとに少々だが、プログラミングを触ったことがある。知人に本職の人間が居て、あれはたしかPythonだったか、初歩的なプログラムを学んだ。すぐに気づく。

「この宇宙程高性能な計算機はあるまい。」

いつか、ラプラスとかいうフランスの数学者が言ったらしいじゃないか。

「もしもある瞬間における全ての物質の力学的状態と力を知ることができ、かつもしもそれらのデータを解析できるだけの能力の知性が存在するとすれば、この知性にとっては、不確実なことは何もなくなり、その目には未来も全て見えているであろう。」

だとしたら、宇宙を始めるのにはその後のあらゆる結果も入力しなくてはならないではないか。

さーて、量子論だかを持ち出して世界は非確定的だという輩も居るだろうが、一応言っておくと神ってのはそれをも創造せにゃならん。無理やりにもほどがあろう。

故に、世界の創造など、人間のやる仕事ではない。例えいかなるレベルの収益が望まれようと、明らかに費用対効果の点において費用が過大である。私は確定的に、そういったあまりに多すぎる課題に対して即座にNOを突きつける程度には、面倒くさがりなのだ。


「汝はその資格があり、責務があり、権利を持つ。」

だというのに、私に面倒な言葉を放つ存在が現れた。誰かは知らん。

「神だ、と言おう。」

神と自称している時点で私にとっては理解しがたい。汎神論やら無神論やら八百万の神々信仰やら唯一神、どんだけ神があると思っているのだ。太陽神とかまで数えだしたらきりがない。

「汝に選ぶ道はない。世を作り、思うがままにせよ。」

何を言うか。日本国憲法を知っているか?職業選択の自由というのがある。

「公共の福祉、あるではないか、例外が。」

…まったく、欽定憲法の愚痴でも言えばいいのだろうか。国連がさっさと締め上げればよかったのに。

結論、世界を構成するというのは、自分のような一人間、たかだか一体の有機生命集合体の《面倒くさい》で対抗できる程度のものではない。

いいだろう、受けようではないか。私が生きてきた限り唯一、絶対に破ってこなかったルール。それが日本国憲法だ。

これはフィクションであり、日本国憲法を含む全内容は作者の創作物に過ぎないことに留意すること。

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