主人公は脅したい!
この作品は 夢遊転生とスローライフ#1の続きです。
今回も手にとって頂けて非常に嬉しいです。
文字量が#1の 4分の1に なってしまいましたが、これが普通と思っていただければ幸いです。
まずいことになってしまった。
先生と児童を前にかなりの大技をぶっ放してしまったのである。
バレたどころの話では無いな...。どうしようか全く。
よし脅そう!
僕は皆んなの元に近づいた。
「君は 君は一体何者なんだ?」
「僕は レイン・クライシス 入学時にもそう紹介したはずですが」
まずは様子を見てみる
「悍ましい程の魔力 見たことの無い技 まさかお前カラー持ちか?」
「どうしてそうなるんです?」
「まぁ 良い とにかく今回のことはスリザン政府に報告する。君のこともな」
まずいね それは。
「図に乗るな 僕を君らが政府に公開すれば、僕は政府の犬になってしまう 僕は正義も公正も幸福もどうでも良い ただ一つ求めるなら、安寧だ。 だからいつも通りの生徒ってことじゃダメかな?」
「言い訳無いだろ、万一教員に歯向かうなど何事だ。
自分の立場を弁えろ。」
「ふーん じゃあ僕と戦う? 僕は良いよ。チャンスをあげる。」
「臨むところだ、しかし君は強い。 教員全員対君 それで良いか?」
「勿論良いよ」
僕と先生三十名がバトルフィールドに転送された。
「ハンデとして僕は三十秒は動かない。僕への直接攻撃はダメだけど、準備があるんならご自由に。」
「舐めた口が聞けるのもここまでだ。」
先生たちは僕を囲み、何やら結界を生成していた。
これは.. 外攻撃貫通捕獲用結界か。外から内への攻撃は可能だが、内から干渉できない結界。それを三十人が一生に僕に展開している。
おそらく僕を閉じ込めて、身動きを取れないようにし、三十人分の必殺を外から一気に当てるつもりだろう。
少なくともセルダの技よりかは強い。
「時間になりましたね、それでは始めましょうか。」
先生たちは必殺を溜め始めた。必殺技と言うものは エネルギーの安定化に少々時間がかかる。それなら...
「リスト ラ・カンパネラ」
ピアノの上で激しく動く、右手のように 空気が振動した。
僕が杖を振り下ろした瞬間、先生の持つ武器が一生に黒く染まり、宙に浮いた。
全結界を完全に破いた。
「これは...」
先生の動揺はピークに達していた。
「詳しいことは言えないんでね、負けだけ認めてくれない?」
この技こそが持つ特性 武器狂わせ。 他人の持つ武器に干渉し、操ることが可能。しかし縛りも大きいのであまり使えない。ここで使っておくのが、得策だろう。
「武器を 取るなんて卑怯だぞ」
「卑怯だと...今更君たちが何をいようが、負けてるんだよ。」
もう少し脅した方が良いかなと思って。千輪月光を生成するだけしてみた。
僕が見ても恐ろしい、三日月型の刃が先生に向けて千枚展開されているのだから。
「まだ僕の事を政府にバラすつもりなら、これを耐えてからだ、落として良いか?」
「待て..私たちは負けた。君の事を話したりはしない。
保護者の方にも私からこの事故を説明しておく。すまなかった。」
「分かってくだされば良いんですよ!これからも学園生活楽しんでいきたいので引き続き宜しくお願いします!」
百八十度人柄が変わったかのように、笑顔で子供らしく答えてやった。
さて僕にはまだやる事がある。
セルダから組織の情報を聞き出さなくては。
無の空間と声を繋いだ。
「セルダ 聞こえているか?」
「その声はあの生徒さん、私を外に出しては頂けないでしょうか。もうあのようなことは二度としないので、どうか良きお取り計らいを...」
セルダはもう限界を迎えていそうだった。
「まぁその前に聞きたいのだけど、ユーフラスタは何を企んでいる?」
「嘘なくご返答致しますが、何も分からないと言うのが現状でございます。何せ私は階級が下から二番目 トップの情報を握るのは五位以上の人員でありますから」
セルダが嘘を付いていないことは分かった。
「その五位以上の人は何処に居るんだ?」
「はい、私の先輩の四位の方は、数年間別国に滞在すると言って、組織の拠点をつい一ヶ月出立致しました。
その国は 月の樹海と眠る国 でございます。」
どうやら世界では国名が、その国の由来的なものに乗っ取って付けられているらしい。
「なるほど、分かった。 君の事はいつか解放する。
けど今じゃない。」
セルダは悲しそうな顔をした。
「しかし、貴重な情報をくれた訳だ。ご褒美として部屋を与えてやる。」
こうして無の空間だった場所に、沢山の本やボードゲーム、ソファーなどが置かれた大きいオシャレな部屋が出来た。
捕虜はこれぐらいした方が言うこと聞いてくれると思ったが、流石にやり過ぎか?
まぁ良いだろう。セルダに病まれては困る。
僕だったら二時間で確実に病む。
僕は卒業したら、月の樹海と眠る国に行かないといけない。学校を三年間乗り切る人生が始まった。
「ちょっとー怖かったじゃ無い。私でもビビったよ。」
さっきのを見ていたリリアは話しかけてきた。
「ごめん ごめんちょっとだけ脅すつもりだったんだけどね。」
自分でも分かるほど全くちょっとじゃ無かった。
本当にやり過ぎました。異世界の神様ごめんなさい。
僕はその日の夜、うっかり寝てしまい 現実世界で起きた。
よし!メニューでも考えるか! なんだこの生活は。
主人公さん 脅すのが下手なようです。
リリアに習ってください!
さて今回も読んで頂きありがとうございました。
次回もお楽しみに!




