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夢遊転生とスローライフ  作者: 神奈月
1/4

異世界では主人公になりたい。現実世界では映える新メニューを開発したい!

転生ってちょっと苦手と言いますか。

主人公が転生してしまえば、やっぱり現実世界が

恋しくなりますよね。

そんな主人公のためにも

今作では現実世界でのストーリーにもこだわっています!



想像してほしい。

転生 それは美しい 実に豊潤な物だ。

己の姿を失っても尚、別世界に身を置き続けることが

ひたすらに可能という いかにも理に適った良い選択だ。

しかし、やはり現実世界は素晴らしいということに

転生後に気づく。チート能力を手にしてしまえば

まず死ねない不死身

そんなものは滑稽だ、何千年という長い時間だ。

その世界に蔓延るボスを倒しても尚、モンスターが1匹も居なくなったとしても、その体はチート能力によって永遠に存在する。

やはり地球という生命体には転生は不向きな物だと

君は思わ無いか?




「玲都さん この資料纏めてもらって良い?」

「玲都 ここ教えて欲んだけど?」

「おい 最近の売り上げは順調そうだな、もっと励めよ。」


僕は聖徳太子じゃ無いんだぞ、こうも一気に喋られては

資料纏めて

あいつにExcel教えて、部長にありがとうございます♪っていうことぐらいしか出来ない。


これでも僕は優秀な方だと思っている。 

実務をきちんとこなして、売り上げは平均以上

部長にも良い印象を与えている、言ってしまえば出来る方の人間なのだ!


「僕、今日忙しいので、営業回って直帰しても良いです?」


「あぁ 構わないよ、ゆっくり休んでくれ。」

 

これでも僕には趣味がある

そう、漫画だ。仕事終わりは漫画を良く借りに行く。

特に転生系が好きだ、チート能力なんて持ってたらやっぱり憧れるんだよね。

そして主人公は絶対に死なないし負けない

負けても必ず蘇って、覚醒したチート能力で敵を軽々しく吹っ飛ばす。 毎日同じように日々を過ごしていれば

そういう変わった生活をしてみたいと思うのは、普通の事だ。


ただ、あいつらって死ねないんだよな

敵が居なくなっても、漫画が完結しても、あいつらは現実世界に戻れない。夢のような転生の代償だ。


「いらっしゃいませー あら玲都さんじゃ無いですか、

オススメの転生系の新しいの 入ってますよ」


「本当ですか!? ありがとうございます。」

何年か通ってるし、そんなに規模の大きく無いレンタルショップのため店員さんとはすっかり打ち解けた。

 

新しく借りた転生系漫画「異世界でチート能力を身につけて勇者に下剋上を申し込む!」

なんか凄く独特だが、転生系は多すぎてネタが無くなって来ているからしょうがない。


まぁ読んでみれば分かる事だ。

読むのが楽し...


「大丈夫ですか? 大丈夫ですか?

誰か早く救急車を 早く!」

何が..起こった

無理だ意識を保てな..





「貴方は誰? 遠いところから来た異邦人さん」


視界がほぼ見えない。誰?異邦人?

状況が全く飲み込めない。






「大丈夫ですか?玲都さん」


「はっ」

僕は突然目覚めた 体を囲っている生命維持装置が

事の重大さを知らしめている。

ここは、僕の地域にある大学病院だった。


「僕に何があったんですか?」


「玲都さんは工事中の建物の横を通った時、落ちてきた

パイプと鉄骨に下敷きになり この病院に運びこまれました。一時は心肺停止状態、正直医師も助かる見込みを感じれないレベルの酷い重傷でした。しかし奇跡的に治療が終了し、一命を取り留めたのです。」



そんな事があったのか、何も記憶が無い。

いや 一つ記憶がある、誰かに異邦人と呼ばれた事だ。

あの声は一体..

まぁ三途の川を渡ってた訳だし、幻想だろう。




その後僕が怒涛のリハビリをこなす事になるとは

この時思っても居なかった。


これを機会に僕は会社を辞めて他の事をしたいと

思うようになり。

小さい頃から興味があったカフェを経営する事にした。

場所は京都 古き良き感じの雰囲気が好きだからだ。

名前は「御影茶屋」僕の独断と偏見で決めた。



リハビリと入院を終えた僕は久しぶりに家に帰った。

夜になってベットに入り

目を瞑ると

目の外が明るいような気がして、一度目を開いた。


広がる野原 爽やかな風 栄える街 跳ねるスライム


そこは異世界だった。


「何だ ここは」

僕は思わず声を出した。夢じゃ無いことぐらい

一瞬で分かった。

確かに野原に寝そべっている

太陽が暖かく僕を照らしている。


転生


その言葉が脳裏をよぎっていく



「貴方は誰?」

後ろから話かけられた。

可愛らしい少女だった。


「僕は れ.. レイン たっ..旅人見習い」

もしここが転生先の異世界なら こう言うのがまだ善案だ。


「そう 私はリリア リリア・アイレス レイン、君は何をしているの?」



「いやー 旅人になりたいと思って家を出たんだけど

何をして良いのか分からなくてー」

すっごくカタコトだけどしょうがない。


今気づいたが 体も顔も違っている

身長 百五十センチ程しかない。子供になっている



「それは貴方 余りにも無計画過ぎない? でも

ちょうど良い 私も旅人希望なの奇遇ね。 そうだ

これから冒険者登録に行くんだけど、一緒に行かない?

冒険者登録をして アンダーをもらわないと」



「アンダーって何?」


「貴方本当に何も知らないのね、仕方ない 教えてあげる シンプルに言えばこの世界の武器よ。武器種は四種類存在して、 剣 槍 銃 杖 がある。

そのアンダーを自分なりに能力開花させて敵と戦うって訳」


なるほどこの世界では 通常の剣なんかより

アンダーの方が強いと言うことか。


「能力開花の具合によって 強さが決まるの?」


「いいえ 能力上位者 通称 カラーナンバーズ

これは アンダーが選ぶの」


「武器が 人を選ぶの?」


「えぇ アンダーから称号と色を与えられた者は

上位能力の開花を許されるの。 普通の能力開花とは比にならない強さを身につける。 ただ数十年に数名出るかどうか まぁまずなれない。」



「なるほど」

カラーナンバーズ 僕がこの転生の主人公である限り

ほぼ確実に戦いそう 嫌でも戦って良いのか?


「冒険者同士の戦いはあるの?」


「あるわよ ただ殺してしまうのはダメ

盗賊や 悪組織のメンバーなら別だけどね」


やっぱり悪い組織はいるのか。そいつらの中にも

アンダー持ちはいるだろうな。


「早く冒険者協会に行かない?武器ちょー気になるんですけど!」


「分かったよ 僕が色々無知でごめんね」



僕とリリアは街の冒険者協会に足を運んだ。


「すいません。 二人分冒険者登録をしに来ました。」


「ようこそいらっしゃいました。書類をお作りします。

名前を伺っても宜しいですか?」


「私は リリア・アイレス」

「僕は レイン・クライシスです。」


「かしこまりました。こちら冒険者証明書とアンダーです。」


アンダーはサイコロのようなキューブの形をしていた。


「動作確認をするので、起動して頂いて構いませんか?」


リリアがアンダーを起動すると キューブは大きく変形し剣の形になった。そして音声が流れる。

「アンダー起動。剣モデル 概要無し 所持者

リリア・アイレス 能力 火花」


「火花×剣 ってカッコいい 技いっぱい作りたい!」


リリアははしゃいでいた どうやら概要とは カラーと称号が与えられた時に言われる場所らしい。


「アンダー起動」

僕はそう言ってキューブを見つめた。



「アンダー起動 杖モデル 概要



      カラー 白原色 称号 原初


  所持者 レイン・クライシス 能力 楽章」



場が凍りついた。


「か..かっ カラーナンバーズ!!??」

リリアと冒険者協会のお姉さんの声が揃った。


その後運否天賦 色々あり どうにか周りにバレないように取り繕って貰った。


「どうして レイズン協会に報告しなかったの?

凄く偉い人になれたのに。」


「でも 現時点のアンダーカラー持ちは全員高貴族だけ

そんな中で 庶民の子供から しかも原色原初のカラーと

称号が出たら パニックどころじゃ済まないだろ。」


僕のカラーは 白の原色 これは通常の色と違い レアな 所では済まない、確率ほぼ零%の最強種

しかも 称号が原初、これは二千五百年前の

初めてのカラーナンバーズと同じ称号らしい。


「まぁ 間違いなく 誰もが君を抹殺したがるだろうね。そのナンバーズは存在してほしく無いだろうし。」


「その通り でも僕は 主人公になりたい。悪い奴らを全員倒す 的な」


「すぐにアンダーがバレそうだね」


「まぁ このアンダーがバレたら その時はどうにかするよ。」


「それよりさ 明日から学校だけど 君もこの町の学校に通うの?」


「うん この能力を育てるためには学校に行くのが

手っ取り早いし。 力は抑えるけど。」

こう言う手の転生は学校登録とか諸々済んでるのが筋だ。学校の生徒には僕のカラーは伝えない。




こうして僕の第二の人生が始まった 



アンダーの使い方は正直よく分からなかったし

その日はリリアと別れて家に帰った。

凄く疲れた気がしている。


ご飯を食べた後風呂に入り、

ベットに入って目を閉じて眠りに着こうとした。

その時


瞼の外側が妙に明るい気がして 目を開いた、

そこは現実世界の自室のベットだった。


夢!? そう思った時

手の甲に明るい文字が浮かび上がってきた。

そこには 現実 ← 異世界  と書いてあるのが見えた。

そうだ、これは夢なんかじゃ無い。れっきとした本当だ。何が世界の交換条件なのか分からない。

いや、多分寝ることで世界が入れ替わるんだ。幽体離脱して異世界に飛ぶ感じか。



僕は何も知らない様に 現実世界の住人に戻った。



異世界のアンダーは現実には持ち込めない。

よくある、現実に戻っても最強 みたいなキャラでは無い訳だ。


自ら開業して営業している「御影茶屋」

バーカウンターのようにメインテーブルがあり

座敷 テーブル席 テラス席 等がある。


メインは僕と僕のおばあちゃんで店を回しているが、

バイトに女子高校生二人を雇っている。まぁ

その他の調理バイトもいる。


開業してすぐ 僕はリハビリ中でなかなか店に行けなかったけど 皆んなのお陰で中々人が増えているらしい。

盛況してるのは良いことだ、実に素晴らしい働きをしてくれている。


「お疲れ様です。」

僕は店に入った。


「お疲れ様です。神谷さん」


「今坂さん 最近よくシフト入ってくれてありがとう。

お陰様で助かってるよ。」


「いえいえ、私はこの店の雰囲気が好きなので、全然大丈夫ですよ。」


僕は何よりお客さんとの対話を大切にしている。

お客さんの 日常を取り巻くカフェにしていきたいからだ。相談に乗ったりしているうちに打ち解けるものだ。


コーヒー豆の焙煎された良い匂いを漂わせながら

コーヒーを淹れている時が一番幸せを感じるのは

僕だけだと思う。

日常って このことを言うのか..


「そういえば 今一番人気って何なの?」


「そうですね ドリンクでいえば、ほうじ抹茶ラテが一番人気 食べ物はジェノベーゼパスタ、スイーツは苺大福ですかね。」


「なるほど 苺大福はやはり人気なのか、見た目映えもするし美味しいし」


「そうですね、そのお陰で拡散されて話題になってますから。」


いずれにしよ いつか新メニューは作ろうと思った。



その日の営業も終わり、家に帰ってきた。

夜になって考えた。


僕は異世界でアンダーから得られる魔力を使い、しばらく寝ないことを決めた。僕が異世界で寝ない限り、こちらの時間は進まない。


そうして眠りについて

異世界で目覚めた。


今日から学校という事を思い出せば、少し現実に戻りたくなってしまった。

すると母が言ってきた。


「学校の開始が事情で一週間遅れるって! そのかわり

いくらか技を作る課題を出すって。ちゃんと考えなさいよ!」


「分かった 考えておくよ。」


僕は技を作る事にした。リリアと一緒に。


とりあえず僕らは人も居なければ建物も無い

平野に来た。リリア曰くここで皆んな技を作っていくらしい、言われてみれば所々ぼこぼこしている。

そして、ここの地盤が物凄く硬いことの検討がついた。


 

「アンダーよ 我に一つの技を授けよ」


リリアはそう言って 剣を差し出した。

後で聞いた話によると そのアンダーと使用者が出せる

最大限の必殺技をアンダーに授けてもらえるらしい。



「凛々練火 (りんりんれんかい) を提示」


リリアはその必殺を使用してみた。


剣からは それは美しい火花の連撃が繰り出された。

子供だからとはいえ 十分な威力に見える。


「やった出来た、 次はレイン貴方の番よ」


「うん」



「アンダーよ 我に一つ技を授けよ」



「クライシス第十四楽章 追想  を提示」


僕はそれを使用した。



空に巨大過ぎる黒紫色の穴が空いた

杖の先が紫に光り 直ぐに空の割れた時空と連動する事を悟った僕は


木に向かって勢いよく 杖を振った。まるで指揮をするかの様に。


すると空の円は六つに分裂し

木の四方を覆った。 同時に常人の目では視野出来ない程に明るい 死の崩壊が起きた。



僕とリリアはゆっくり目を開いた。

そこには崩壊し 地底深くまでえぐられた大地が

そこにあった。




あっ  これダメなやつだ うん 


僕とリリアはスリザン政府の警備が来る前に、その場から逃げた。

しかし、翌日にはニュースになっていた。




翌週学校が始まり、考えてきた技を披露する授業に入った。皆んな僕に比べて可愛らしい技を生み出していた。


「レインさん 次はあなたの番です」


周りの貴族の息子たちは 瀬瀬笑いしていた。

僕は庶民だ、強い先祖の血など流れていない。カーストの上位は 王族貴族なのは、この世界でも共通のようだった。


「はい 僕が習得した技は、 ピアノソナタ第十四番

月光 です。」


「ではそこの的に、お願いします」


月光は僕のオリジナルの技。

月のように光り輝く三日月型のブレードを枚数指定で重ねて、対象に放つ技だ。その時使う魔力によって、光が

ブルームーンとストロベリームーンに変わる。


僕はさっき舐めてきた貴族に腹が立ったので、成績が多少上位になるが、枚のブレードで物凄く加減して打った。


周りからの印象は、まぁまぁデキる庶民 と言ったところだ。


「はい、これで皆さんの最初の技を全て見させて頂きました、大変立派で良くできていましたよ。 この後大聖堂に上位アンダー使用者トップ十五が張り出されます。見ておいてください。」


トップ十五とは相当強い連中である。なんと言ったって二百五十人の上位層だからだ。


「レイン入ってるかなー」

リリアは自慢げに言ってきた。


「今回は何の力も使ってないし、高くないよ」


「なんかつまらないなー。」


僕とリリアは結果を見に行った



学年一位 ライア・レジスティド

一体どれほどの使い手なのか気になった。最低でも弱いわけが無い。



その時だ、中庭で物凄い音が鳴り響き、僕の知らない力でリリアや、周りにいる生徒が気絶した。

何が起こったんだ..一体 


「リリア! リリア大丈夫? 」

息はしている やはり気絶しただけだ。

「すぐ戻ってくるから」


僕はアンダーを持ち中庭にかけた

そこでは先生七名ほどが一人の男に対して武器をむけていた。


「貴様は誰だ! 大人しく生徒を回復させて、自主することを進める さもなくばここで殺す。」

先生は怒鳴るように言った。



「僕を? 君が殺すだと.. 実に面白い冗談だ。 この僕の笑顔が見れるなんて、教員不勢にしてはやるじゃ無いか」

男は本当に笑顔で笑っていた



「 ファイバーレジスト 」

先生は男に対して初手から重たい攻撃を打ちに行った。

しかし、男に一撃として当たることは無かった。

全て相殺されてしまっているのが見えた。 何かドロドロした物を固めているような一種の攻撃であった。


「会ってすぐの人を、いきなり傷つけようとするなんて、あまりに酷いと思わないかい? そこの君」


男は僕を見て言った


「僕の使った魔法具が効いていないって事は 君 そこそこ強いんでしょ?」


重圧感のある声だった。正直僕も息を呑んだ。

「僕は極普通の庶民ですが、興味を持たれましたか?」

「僕と勝負しないか? 負けたら生徒全員起こしてやる、ただ僕が勝ったら、ここの貴族を捕虜として連れ去る。」


「やめろ君 奴は格が違う 君では相手にもならない!」

先生も本気なのが伝わった。


「良いよ」

 僕がそう言った瞬間 バトルフィールドに転送された。

この世界は、戦う両者が合意した際のみ、バトルフィールドに転送される仕組みになっているようだ。


そしてその両者に関わりそこにいた者は

観覧席へと転送される。この場合、学校の生徒(気絶状態)や先生が観覧席にいた。そして、観覧席からバトルの干渉は不可能。先生も何か伝えようとしていたが、もう戻れない。



「あなた名前は?」

 

「おっと、言い忘れていたようです。私の名前はセルダ。ユーフラスタ十三席の第十二席です。」


ユーフラスタ.. リリアから聞いたことがある。

詳しい事は忘れたが、社会にいらない存在である事は確かだ。


「何故セルダさんは、僕と戦いたいのですか?」


「まぁまぁ良い経験じゃないか、本気でかかってこいよ

少年。クラスメイトの身柄もかかってる訳だし。」



「分かりました」


セルダの能力は恐らく 血液を固体や液体、気体に変えて戦うものだ。同じ杖という武器だけあり、実力で勝負は決まる。


 

セルダのブラッドステイルと僕の月光が相殺して

始まったバトルは、様子の見合いとして、長く続いていた。

「やっぱり君、そこそこ強いね、僕の目に抜かりないや。でも残念だね、こんな素晴らしい存在を僕は消したくは無いんだが」


セルダの攻撃は強くなっていた。月光1枚で凌ぐのがやっとだ。


「結局弱い奴は弱いんだよ、何をやっても上に行けない。足掻くだけ無駄な能無しだ。腐り切っている。

やってらんないよ全く。」



心底腹が立った

この世界でアンダーを使用する事は、とても難しいことを知っていた。学校が無くなった一週間、近所でもずっと練習してる子だっていた。その度、親や友達で支え合って成長して行く。 異世界を穢れさせるゴミは

正直にくたばって地獄を見るべきだと、腑が煮えたげる思いで悟った。


「ブレッドレイン」

セルダの必殺だろう、確かに悍ましい威力がこもっている。

「いつか、地獄で会えたら良いなー 少年!」


ブレッドレインは一気に僕に降ってきた。



僕の三輪月光が相殺した。


「なんだ.. なんだなんだ 何が起こった。僕のブレッドレインは 不発だったのか?」




「ほざくな、ゴミが。 これだけは覚えておけ、

異世界ぐらい 穢れてない世界であって欲しいだ僕はね」


「ドボルザーク 新世界より」

僕は杖を振り下ろした。 セルダの体は十字架にかけられ、宙に上がって行く。



「学園の生徒を傷つけた罪 先生を傷つけた罪 あとは僕を怒らせた罪だ。 反省しろ。」


「待って、待ってくれ 危害はくわ...」

セルダの口は封じられた。



「誰が喋って良いと言った?」



空に円状に並んだ魔法陣は 巨大な扉を召喚した。

石門はゆっくりと開く 中から石像の手が出てきて

セルダを十字架ごと扉に引き込んでいく。


「新世界で、優雅に過ごせることを願っておくよ。」

最後にとびきりの笑顔を見せてやった。

セルダは絶望の末、苦しい表情をして、引き込まれていった。


扉の奥は無の世界だ

お腹も空かない 病気にならない 何も起こらない。

それが永遠だ。僕が奴を取り出すことも出来る。

しかし、当分入っておいてもらうつもりだ。


後ろを振り向くと、気絶から目を覚ました数名の生徒と先生が口をぽっかり開けて、唖然としていた。


これは まずいな。


































































閲覧頂き大変恐縮でございます。

私ジェノベーゼパスタ好きなんですよ。

ナポリタンとかはちょっと苦手ですが..

それは置いておきます。

次回も楽しみに!

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