第5話 ビアンカの告白
宜しくお願い致します。
ザルツベルグ帝国 ホライズン ハルト館
その夜は、ノワールと眠ると嬉しそうだった。翌朝まで手をお腹に当てて眠った。「久しぶりに熟睡した気がするわ。」と言って喜んだ。
翌朝はヤヨイ村に見送りする為、準備を手伝う。馬車はたくさんあり困る事は無さそうだ。学生も大勢が実習の為に旅立つ準備をしていた。
荷物を積み込んでいると「私も行ってきます。きっと役に立つ女になりますわ。」と笑顔で言うのはアンジェリーナだった。「怪我しないようにな。」「はい。」と言って馬車に乗った。
(今日もいい天気だ。暑くなりそうだ。)そう思ってると「ちくしょう!今日も暑いじゃねえか!」「全くだ!朝からフラフラだぜ・・」文句を言ってるのはアズナブールとアイスバッハだ。
「大将は出かけるんです?」「そうだな。闇ギルドと傭兵ギルドに顔を出そうと思ってるよ。」「出かける前に精力剤を下さい・・」とフラフラの2人に渡し闇ギルドに向かった。
「いよう!侯爵様!俺まで消すなよ!」と上機嫌で言うマイヤーだった。「イヤだなあ。何でも俺の仕業のように言わないで下さいよ。」
「今やお前に手を出す依頼を受けるバカは居ねえって話だよ。お前を殺す依頼を受けたギルドマスターや依頼者が消えりゃイヤでも分かるだろう。」
「そうだったんですね。意外だなあ。」「当り前だバカ野郎!こっちも命が係ってんだぞ!その手の情報は直ぐ回るんだ。」
「やっぱりここか。ハルト侯爵様はよ。」「バウアーさんお久しぶりです。2人共、侯爵ネタで弄るのは止めませんか?」
「そう言えば今回、ヤヨイ村で頑張った準騎士爵を知ってるか?」「いえ。知らないです。」「俺は関りがあったから知ってるぞ。元伯爵の寄り子だったヤツだな。」
「そうだマイヤー。10家で唯一存続した家だ。しかし中央からも忘れられた存在だったが今回奮戦したようだ。」「それで村が滅びず済んだ訳か。ハルトはどうする?」
「どうすると言われても見た事すらないですから。」「そうだろうな。領主になったんだ。存続させるか廃嫡させるかを決めなきゃならんぞ。」
準騎士爵、騎士爵、準男爵は1代限りと言われている。そしてこの家は元伯爵の準騎士爵だったようで祖父が亡くなれば騎士ですらない状況だ。俺の寄り子では無いから。
「それとこれは未確認の情報なんだがな。実はこの国と元聖堂大教国、ハーメルン帝国の国境にある森に『義賊の英雄』が潜んでるらしい。」
「ホントかよ?あそこは昔から魔族が居るとか亜人が居るとか最悪の魔獣が居るって言われ誰も踏み入れて無い未開の地だろ?」
「そこでだ!ハルトは軍務卿でもあるんだから我が傭兵ギルドに仕事をくれ。調査依頼を出してくれればやるぜ!」
「皇帝や宰相とも相談しないと何とも・・でもやってみたい仕事ですね。それに今なら3か国で協力出来そうですから。」
「やるとなれば冒険者ギルドにも声を掛けてやってくれ。こんな話は冒険者達も喜ぶだろうからよ。」と言われ(そう言えば今日だったな。ビアンカと飯を食うのは。)と思い出す。
「もしするとなれば関係者に声を掛けます。」と言って闇ギルドを出て一回戻ると職人ギルドのジンゴロウさんが来ていた。
「こんな感じでどうだい?」と20種類くらい作ってくれていた。ベーゴマなんてガキの頃、爺さんの家でやって以来だ。
「これはバランスが悪いですね。こっちは小さすぎます。良さそうなのはこの2つだけです。」「それが分かれば上等だ。また作ってくるぜ。」と言って急いで戻った。
俺は着替えて宿屋のBARに向かった。顔馴染みさんや常連さんがいて「久しぶりだな!」「おい!出世したらしいじゃねえか!」と声を掛けられる。
「こんなに知り合い多いんです?」とビアンカが声を掛けて来た。「何なら宿の部屋に運びましょうか?」と店員が気を利かせてくれたので「そうしてくれ。」と頼んだ。
「地元で宿屋に入る事なんて無いから面白い!」とビアンカが喜んでいた。部屋飲みのような状況になったが「子供じゃありません。飲めます!」と言うので酒を貰った。
しかしすぐ酔って饒舌になる。「ギルドの受付嬢って花形なんですよ!でも25歳くらいまでで終わるんです。先輩は騎士や冒険者と結婚して引退。若しくは貴族や大商人の愛人。」
「私はどうしたら良いかなぁって思って。最近、大商人から月大銅貨3枚で愛人にならないか?って誘われてたんです。でもそれ安いし飽きたら捨てられるんですよ?バカにしてるでしょ?」
「それで?ビアンカはどうしたいと思ってるんだ?」「それなんですよね。冒険者の男を見てもトキメかないし増してやこの前、病気の騒ぎもあったじゃないですか?」
「ああ、ナン王国の脱走兵だな。」「そうそう。私の友達も引っかかって未だ病気のままなんですよ。アレを見ると余計に冒険者がダメで・・」
「そこでやっぱりハルトさんが良いなってずっと思ったんです!ハルトさんなら捨てたりしないかなって思って。初めてを安売りしたく無いから。」
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