第1話 侯爵になる?
よろしくお願いいたします。
ザルツベルグ帝国 国境砦
大量の食料と水を積む馬車を用意して貰う。総勢10万以上の兵士が帰国するのだから。「もう1日は準備に必要です。」と砦の兵に告げられる。
陛下達は帰国なされると言うので見送りをする。「ハルト。たまには遊びにで良いから必ず来い。余は待っておるぞ。」
「ありがとうございます。また行かせて下さい。」「私も待ってるから。」と言ってスカートをヒラヒラさせアピールしているヴェストパーレ。
「可愛いスカートで来てくれたんだね。」「もう!帰る時に言わないでよ・・今度はもっと可愛くなってるから期待して!」「期待しておくよ。」と言って手を振って別れた。
「さあ!今日は送別会だ!」「良いですわね。準備しますわ。」とオスカルが言ってみんなで手分けして準備を始めた。
「俺達も帰る準備をしないとな。」「ケネディさんがまた怒ると思うので大勢で帰ると連絡しておきます。帝都に寄って帰られますよね?」とハンベエが確認する。
「そうなるな。」「フォックスとモンローにも帰って来いと連絡しておきます。忍者部隊も半数は戻します。」「ああそうだな。頼む。」
ハーメルン帝国の兵は近隣の町や村で仲良くなった人達に別れの挨拶をしていた。恋人が出来た人達は別れが辛かったようだ。「必ず戻る!」と告げ「待ってるわ!」とドラマを繰り広げていたようだ。
送別会の準備をしていると「ハルトさん!」と声を掛けられた。誰だろうと思うとサンドロ、アスランの父兄だった。
「ハルゼイ以来ですね。お元気になられたようで良かった。」「それより妻が失礼を・・」「母が申し訳ない事を・・」と謝られる。
「頭を上げて下さい。奥様が仰ることはご尤もです。私のような者が関わるとロクな事はありませんから。ですからもう気にしないで下さい。では失礼致します。」
「お待ちください!実はあの後ローズは自殺しました。しかし運よく一命を取り留めました。今は妻も後悔しております。どうか許して貰えませんか?」
「そうですか。回復をお祈り致します。私はもうあなた方と関わる気は無いのです。ですから許すとか許さないではありません。失礼致します。」
呆然と見送られたが俺の中では過去の事になっていた。(まあ元奴隷がこんな評判になり後悔してると言うのが本音だろうな。そんな人間信用出来ない。)
その夜、ヘルムートとルイが来て「子爵家再興が叶わぬ時は戻って参ります。」「私はずっとハルト様の側仕で良いんだけどなあ。」
「まあ運が良ければ再興出来るかも知れないだろ?チャンスがあるなら試してみれば良いぜ。」
「うーん・・あまり乗り気じゃないけど頑張ってみるよ。」「姫様!お家再興は先祖の・・」「分かった!分かりました!」
翌朝、ハーメルン帝国の兵達を見送り、ボナパルトと兵、ハンベエと忍者部隊、ゲリラ部隊と医療部隊はホライズンに向かい俺だけ帝都に向かった。
宮殿に到着するとロバートと宰相が待ってくれていた。
「堅苦しい挨拶は抜きだ。ありがとうハルト。」優しく言うロバート。
「ロバート様は2か国から攻められるのが常ですねえ。」「やはりそう思いますか?陛下はそういう運命にあるのだと私も思いました。」
「アハハ!さすがにもう無いと信じたいな。ハルトには返しきれない恩が出来た。私が出来る事なら何でも言ってくれ。叶えたい。」
「うーん。暫くゆっくりしたいですね。」「普通ならここで貴族位とか将軍位とか出るもんでしょうが必要無いのでしょうか?」
「そうですね。そんなの貰ったら忙しくなるじゃないですか!何も無いのが1番ですよ。」
「そうもいかん。隣国から宰相でも将軍でもと言われてるのは既に周知の事実だからな。済まないが侯爵と大将軍位、軍務卿は受けて貰いたい。極力、君の義務を減らすから。」
「申し訳ありません。これは決定事項として報告です。既にホライズンを中心に領地も決まっておりケネディさんやセバスさんにはお伝えしてます。」
「あと、バッケンハイムの帝都屋敷はハルトの物だ。使用人は以前の人達をスチュアートが来て差配しているよ。後で顔を出してやって。」
「申し訳ありません。更に明日の朝から授与式、記念式典を執り行います。準備はスチュアート氏が万端で待っていると思います。」
(俺が貴族ねえ・・面倒な僻みや嫌味が待ってそうだなあ・・あとサンドロみたいにすり寄って来そうなヤツも居るんだろうな。まあ貴族になったら避けて通れないんだろう。)
そう覚悟していると衛兵が元バッケンハイムの屋敷に案内してくれると言うので付いて行った。「お帰りなさいませ。旦那様。」と新たなメイドさん達に出迎えられた。
屋敷に入ると「ハルト様。戦勝おめでとうございます。」とスチュアートに出迎えられる。「悪いがコーヒーを入れて貰えないか?」「承知致しました。」
「ここに来るのも大変だっただろう?お金は大丈夫なのか?」「それは陛下から過分なくらい頂いております。ご心配なさらず。」と言ってスチュアートが笑った。
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