第4話 ハーメルン帝国での1日
よろしくお願いいたします。
ハーメルン帝国 帝都
昨日のパーティーから1夜明けて男爵の父の伯爵と男爵夫人の実家の伯爵家には「さすが!すかさず報復されるとは!」と言われ困惑する。
最初は何の事か理解出来なかった。セイラム侯爵に迷惑を掛けられたのは両家とも知っていたがすかさず報復など出来る訳も無い。
そんな金など何処にも無いのだ。(いったい誰だ?)と不思議に思っていた。しかし大半の人々は信じて疑わなかった。
そのうち「侯爵家はどれほど貯め込んでおられました?」「我が家は少し窮乏しておりまして良ければご融資をお願い出来ませんか?」と言われるようになる。
貴族社会は表は華やかだが裏には常にこのような事情が存在しているのだった。賞賛され手放しで喜ぶとバカを見る。ただ褒めるだけの貴族は居ないのだ。
真の理由を知っているヴェストパーレだが兄や将軍達に言った所で信じて貰えると思っていなかった。「バカを言うな。ハルトはずっと会場にいただろう?」
こう言われるのが目に見えるようだ。唯一信じてくれそうなのはエルネストだが言ったところでどうなると言うのだと思ってしまう。
セイラム侯爵に依頼を受けた闇ギルドのマスターも行方不明になったと聞いた。(昨日この地に来たばかりで土地勘も無い人間がここまでするって誰も信じないわよね。)
だからこそ絶対敵対してはならないのだと強く思うのだった。するとエルネストが訪ねて来たと告げられる。
「ねえ姫様。昨日の件だけどハルトさんが絡んでそうな気がするんだ。」「あら?良いカンしてるわね。そうよ。間違い無いわ。」
そしてセイラム侯爵がオレゴンの事を恨んで暗殺しようとした事を話す。「なるほど。でもそうなるとこの国で諜報網を既に持ってる事になるよね?」「そうでしょうね。」
「絶対敵対しちゃダメだよ!」「私にそれを言う?1番そう思ってるわ!」「ええ!?じゃあ僕は2番なの?」問題はそこじゃねえとツッコミたいヴェストパーレだった。
ハルトから「スラムに連れて行ってくれないか?」と頼まれ「良いわよ。」と言って案内する。子供達が花を売りに来ると全て買う。それも大銅貨を出している。
(なぜ花屋さんに行かないのかしら?)と不思議に思っていると荒くれ者やならず者に絡まれる。(ここからどうするのかしら。)と少しワクワクしながら見ている。
4人に絡まれ「なあ兄ちゃん。花を買う金を俺達にも分けてくれねえか?」「良いぞ。ボスの所に案内してくれ。」「ハハハ。兄ちゃん暑くて頭がおかしくなったか?」
そう言うと3人が空高く上がり川に飛んで行った。(へえ。人ってあんな飛ぶんだ。)感心していると残った1人が「案内させてもらいます・・」
すると「馬鹿め!案内する訳ねえだろ!やれ!」と50人くらいが殺到するかと思ったが一瞬全員が止まって一斉に倒れた。恐らく全員死んだのかもしれない。
「さあ。次は何処に案内してくれるんだ?」と聞いている。「こちらです・・」すると建物の前に来た。建物から100人くらい出て来るが「うげっ」「グワッ」と叫んで倒れて行く。
建物の上で弓を構えていた人も落ちてくる。(この人何が目的でここに来てるのかしら!)探偵になった気分で付いて行く。
ボスの部屋らしき扉の前に来る。「それじゃここで。」と案内人が去ろうとすると「開けろ。」と命じられる。
開けた瞬間、案内人は串刺しで死んだ。3人の男がいたが「ナニモンだよ!」と叫んでいる。「ちょっと頼みがあるが聞いてくれないか?」
「なんでテメーなんかの・・ウギャー!」「ゴメンゴメン。聞かない人は要らないんだけど2人はどうかな?」そう言われ顔を見る2人。
「なんでしょう?」「このスラムの貧しい子供や病人、怪我人を助けてくれないかな?」「バカか?テメー・・」と言った人間が即死する。
「君はどうする?」「わ、分かりました・・」「信用して無いから悪いけど見張りを付けておくよ。裏切ったら即あの世だから。」と言うとコクコク頷いた。
背中を向けた瞬間、最後の1人が武器を向けようとした。「危ない!」とヴェストパーレが言ったが敵は死んでいた。「中々スラムで良い事するって難しいね。」と笑った。
その後は何も無かったかのように死体安置所に行き遺族の引き取り手が無い死体に手を合わせ花を添えた。
「ねえ?何でスラムなんかに行こうと思ったの?今日は死体安置所に行くだけだったでしょ?」「何となく花を買って添えたくなってね。」
「本当かなあ。明日の朝には帰るんでしょ?帝都で買い物するなら付き合うわよ。」「じゃあお願いしよう。皇女様とデート出来るのは光栄だな。」と笑った。
暫くしてから知るがスラムで汚い事を平気でする悪逆非道の一家が皆殺しになり天罰が下ったと街でウワサになっていた。
(スラムであくどい一家を浄化する為に行ったんだわ。私達って世俗の事を知らな過ぎるって言いたかったのかな?これも情報網の一環なんでしょうね。でも1人で片付けるって凄いわ!)
その話でまたエルネストと盛り上がるのだった。
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