第8話 ザルツベルグ帝国防衛戦8
よろしくお願いいたします。
ザルツベルグ帝国 国境砦
6万のフレーゲル軍が到着するとマーガレットははしゃいでいた。「良いか?火がある程度、沈下するまで飛び出すな。それと陣形を整えてからだぞ。分かってるかマーガレット?」
「も、もちろんだ。ハルトの足を引っ張るような事はしない。」そう言うが心配だ。「ミュラー将軍。くれぐれもあのじゃじゃ馬が飛び出さないよう気を付けて下さい。」
「うむ。火が沈下するまでは門を開けぬと約束しよう。」
俺は山で待機していたハンベエ達の所に向かった。「ここを気付かれて無いだろうな?」「そうですね。そこまで気が回らないのではありませんか?」
「どうしてだ?」「膠着状態が長く続いて敵も弛んで来てるようですよ。」とハンベエが笑った。
その日の日付が変わるくらいに睡眠剤を霧状にして敵陣に送り込んで行く。立哨している兵が「ふわぁ。」「眠い・・」と言って倒れた。
眠りの浅い兵もぐっすり眠ったようだ。風魔法で霧を飛ばし臭水を染み込ませた枯草、落ち葉、枯れ木を敷き詰めその上から臭水を撒いた。
敵のテントや建物にも撒き終わると全員撤収する。(全員配置に付いたか?)(いつでも大丈夫です。)と合図が来る。
「ハンベエ。敵の逃走経路は?」「道を変え、瘴気の森に到着するようにしてあります。池の方に行けばリザードマンに遭遇。森に行けばトレントに襲われるでしょう。」
「そりゃあ災難だな。よし火を放つぞ!」
ファイアボールを50ほど作り敵陣に投げ込む。「ゴォォ」と激しく音を立て炎上した。「ウギャー!熱い!」「水を!」「火を消せ!」と叫ぶ敵。
「矢を射よ!」
敵から見て西から俺達2000人余りが矢を射かける。南は砦から矢の雨が降る。北は忍び1000人が矢を射かけていた。
生き残ってる兵は我先にと東のハーメルン方面の道に逃げ出す。「お、おい!逃げるんじゃない!消火するんだ!」と指揮官が叫ぶ。
しかしその指揮官はデュークに頭を撃ち抜かれていく。俺はファイアボールを50ずつ出しては敵陣に撃ち込んでいた。
1時間くらい燃え盛り、建物も消失した頃、夜が明け周囲も良く見えるようになっていた。敵の本陣にはまだ100人くらい残っているようなので攻め込んだ。
「降伏しろ。」
俺がそう告げると「馬鹿め!『隻眼の赤熊』と呼ばれた儂が降伏なぞするはずもなかろう!小僧から切って捨ててくれるわ!」と言って剣を抜く。
ミシシッピーの方は『紅蓮の炎』と嘗て異名を取ったマチルダが相手をしてるようだ。他の敵はベオウルフ達が捕らえたりしてるようだ。
「小僧!名を聞いておこう!儂はオレゴン!第2軍団将軍だ!」「俺はハルトだ。」「ハハハ!これは面白い!小僧がこの国最高の剣士か!」と嬉しそうに挑んで来た。
全力で無ければ勝てないと踏んだのか5つのチャクラを解放して挑んできた。(パワー、スピードとも俺を上回るな。)
「どうした!その程度か!」と何十回と撃剣の激しい音と火花が散る。俺が頬を切られ押し負けてると「大将ヤベーんじゃねえ・・」「押し負けてる・・」と心配される。
「しぶとい小僧だ!死ね!」と叫ぶ。そろそろチャクラを解放して10分。焦りが生じたようだ。大きく振りかぶった時、俺は胴を薙ぎ払った。
「ウグッ」と小さく呻く。そのまま返す刀がオレゴンの頭に吸い込まれるように入った。「グギャーー!」がオレゴン最後の言葉になった。
『医療部隊』は生き残ってる敵を治療していき、オスカルは奴隷紋を入れていっていた。砦の方に向かおうとすると何故かマーガレットが捕らわれていた。
「キサマら!若様を返せ!」「さもなくばこの女の命は無いぞ!」と20人くらいが叫んでいる。
すると火傷を負っていたが今では治療され助かった少年がいた。どうやら今回の50家で来ていた子爵家の息子だったようだ。
「分かった。あなた方の若様とやらはお返しする。今は治療をしている。ウソだと思うなら見に来るが良い。それに騎士ならそのように人質を取る行為は恥ずべき行為であろう?」
既に囲まれ包囲されてる状況ではあった。迷っているようなので「その女に人質の価値は無い。お前達と一緒に切っても問題無いぞ。」マーガレットがショックを受けてる。
「分かりました。我らはどうなっても構わぬ。しかし若様だけは助けて下さらぬか?」「私はハルトと言う。約束しよう。無駄な戦をしないと。」
「私は子爵家騎士団長のヘルムートと申します。」助け出された兵の中にその若様とやらはいたようだ。「ここでは満足の治療も出来ぬ。砦まで同行せぬか?」
応急処置をされた兵達が次々と砦に運ばれていく。火が熱いと堀に飛び込んだ兵達も救助されていた。「まだ助けれる者が居れば助けるぞ。」
俺は焼け出された死体を収容していく。マチルダの方は辛うじて勝ったようでミシシッピーは捕虜になっていたようだ。
焼け死んだ人間は思ったよりは少なかったがそれでも1万人はいた。25万いた兵は10万以上が逃げ出しハーメルン帝国まで戻れたのは5万程度だったようだ。
お読みいただきありがとうございます。




