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俺はどこまで這い上がれるのか?  作者: 駿
第4章 動乱
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第1話 ザルツベルグ帝国防衛戦1

よろしくお願いいたします。

ハーメルン帝国 帝都


作戦本部では50人の親が集まり息子の安否確認をしているが軍務卿補佐官から「消息不明、安否不明。」としか報告されなかった。


50人の親は捜索隊を作る為、金を出し合い傭兵を雇ったり自身の兵を出す事を決めた。そして2000人近くの捜索隊を組織したが誰も戻らなかった。


軍務卿の身分は伯爵であったが本人も跡取りも居なくなり衰退するであろうと誰の目にもそう見えた。「皆さん。陛下に責任を問いませんか?」「そうだ!」勢いよく宮殿に行く。


すると皇帝から「職場放棄して逃亡をした息子の責任は親にある。」と問責されてしまう。皇帝や軍務卿を責めたい気持ちが吹き飛ぶ『お取り潰し』を告げられた。


「しかし卿らの働き如何で、それを帳消しにしよう。それはザルツベルグ帝国攻撃の先鋒を務める事だ。」


こうしていよいよ出陣が決まった。50家の兵が5万が先鋒。第2陣に第2軍団将軍『隻眼の赤熊』オレゴンが13万の兵。第3陣に第4軍団将軍ミシシッピーが出陣した。


到着すると以前には無かった堀が設けられていた。「これでは近寄れません!どういたしますか?」「投石機で攻撃せよ!」


しかし投石機の届く範囲まで近付けようとすると巨大砦の上から火矢が雨のように降り注ぐ。「1号機炎上!」「2号機も炎上しました!」


「先鋒の5万に梯子を持たせ堀に橋を作らせろ!そして門を打ち破れと言え!」オレゴンは貴族を捨て石にする事にした。


オレゴン達は魔法障壁があるが5万には無かった。討ち死に覚悟で梯子を掛け堀を渡るが上から火魔法や風魔法を撃ち込まれる。


「ウギャー!」「熱い!焼ける!」「梯子が燃えてる!」「逃げろ!」と言っても後ろが逃がしてくれない。


「逃げるな!進め!」と言って前衛が槍を突き付ける。50家にも魔術師はいるが呪文を唱えている途中で攻撃を受け死んでいく。


石と鉄で覆われた砦は容易に崩せない。何人かは城壁まで辿り着きハンマーで壊そうと試みるが人力でどうにかなるような代物では無かった。


この日は貴族50家が1万以上の死者を出し怪我人は3倍だった。無傷な人は皆無で夜を迎える。「思った以上に手強いぞ。」オレゴンが呟き全員頷いた。


その夜、参謀達が集まり協議していた。「堀が出来てるとは聞いて無いぞ!」「全くだ!作戦本部の怠惰はウワサ以上だな!」


「今更だ!それよりそんな事を嘆くより建設的な議論をせねばならん。」「誰か過去に似た戦か若しくは経験をされた方は居られぬか?」


当然だが沈黙が訪れる。「ではまず情報を整理しよう。」


1、力攻め

「堀がジャマだ。」「攻城兵器の強力なのが必要だと思う。」「夜襲も今の時点で効果を得られない。」

2、側面攻撃

「山は急峻で1人か2人なら何とかなるかもしれない。」「相当な迂回をすれば可能性はあるかも。」

3、離間、内応

「密使を持たすにしても今の段階では厳しいだろう。」「ミュラー将軍は何度か送っているが無駄だった。」


「ふう。こうして考えても良い案は無いな。」「やはり今の段階では強力な攻城兵器と言う事になるだろうな。」


すると1人が「今の投石機で城壁には届かなくても役に立つのでは?」「それは?どういう事だ?」と全員が注目する。


「石を堀に投げ続ければそのうち埋まるのでは?そう思った訳です。」「堀の深さは分からぬが試す価値はありそうだな。」


早速、オレゴンに報告されると「確かに深さが分からぬが今は出来る事は全て行いたい。卿らの考え有難く頂こう。」


翌朝から多くの石が詰まれ投石機で発射される。中には壁に当たる物もあるが影響力は皆無だ。


それを見た兵達が急ぎミュラー将軍に報告に行く。高台に登り「将軍。敵は何をしようとしているのでしょう?」見張りが不思議そうに尋ねる。


「ああ。恐らくだが石を積んで橋を架けようという作戦だろう。」実はこの堀は現皇帝のロバートから言われ川の流れを変えただけの堀だった。


ロバートはハルゼイで堀の有効性に気付き各町や砦に指示していたのだった。ミュラーは最初(そんなもん必要ねえだろ。)と思っていた。


しかしこうして攻めあぐねる敵を見て(さすがは陛下。)と感心していた。そしてこの堀が幸運なのは川だ。


しかも山から引いて来て居る川で流れが速いのだ。投石機で投げられる石はどちらかと言えば丸みを帯びた石だったので川底をゴロゴロと転がっていた。


敵に取っての不幸はまさにここだった。普通の堀で浅ければ・・成功していた可能性は高かった。敵からは見えなくてもこちらからは下流に転がるのが見える。


「これは気付かないだろうなあ。」と独り言を言って笑うミュラーだった。


「撃て!ガンガン撃つんだ!」投石機を指揮する兵士は声を枯らし叫んでいた。しかし50発を超えた辺りから消耗品部品が壊れ始めた。


そして昼過ぎには2台あった投石機が沈黙した。どちらもバネ部分が折れたのだった。「これで今、打てる手は無くなってしまったな・・」とオレゴンが嘆いた。


「陛下にお願いしよう。鋼鉄製で飛距離の出る投石機が欲しいと。」手紙を書き急ぎ送るのだった。こうしてここは1か月以上膠着状態が続いた。

お読みいただきありがとうございます。

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