第5話 新ダンジョン発見前編
よろしくお願いいたします。
ザルツベルグ帝国 帝都
「冷静に考えたら一方的に差し出すんだから従属同盟どころか従属国だよね。こんな杜撰な話を言葉巧みに丸め込まれるこの国の層の無さ。全く嘆かわしいよ。」「全くです兄様!」
「陛下すら丸め込まれておられましたからな。」「ハルトちゃ~ん!お姉さんの貞操の危機だったのよ!ビックリでしょ?」
色々な事が解決するまで相当揉めそうだな。明日の朝、帰る前に帝都で色々買い物して帰ろうと思い果物や野菜はもちろん砂糖や小麦粉、バター、ミルク、卵を買った。
(魔石が全く無くなっていた!)そう思って冒険者ギルドに行き聞くと「今はあってもゴブリンかコボルトくらいだよ。」「それでも良いので下さい。」無いよりマシだと思い全部買う。
「変わった人だね。こっちも売れて助かるよ。」少し早いが宮殿に帰ろうと思うと「ハルトさん!?」と声を掛けられた。
誰かと思えば『薔薇の美女』だった。「どうしたの?」「いつ来たの?」「なんでギルドにいるの?」「いつまでいるの?」「ヒマなら来ない?」5人から質問攻めだった。
結局、ローズの家に案内される。どうやら他の4人は従者の娘のようだ。スチュアートに聞いておいて良かった。
ソニアとソフィーの父母、ティナの母も呼ばれ「私達・・そのハルトさんとお付き合いをしたいんです。」と代表してローズが言った。
「はぁぁ?5人全員?どんだけ女好きで女垂らしなのよ!アンタは何処の誰!」と凄い剣幕で俺がローズの母に詰問される。
「ホライズンに住んで、今は冒険者をしているハルトです。」「苗字も無いって事は貴族じゃ無いわね?平民?」「はい。違います。元奴隷でした。」
「こんなの何処が良いのよ!ふざけるな!しかも元奴隷!?良い事?ハルトと言ったわね?2度とこの5人と関わらないで!次、関わったら地獄まで追うわよ!」と怒られた。
「分かりました。金輪際お嬢様達やご家族と関わりません。失礼致します。」と全員に頭を下げ宮殿に戻った。
その夜は宰相、ロバート、マルガリータ、レナと飲み、その後は部屋で4人に尽くして貰い朝を迎えた。
いよいよ帰るとなると宮殿の人達が見送ってくれた。
「次に呼ぶ時はもっといい待遇で呼ぶよ。それまでは英気を養っておいてよ。それと君のアイデアを採用して弟達を各地に派遣するよ!」ロバートが笑顔で手を振った。
俺はホライズンに夜帰り事の顛末を主だった者達に話をする。「そりゃ大変でしたね。」「笑えませんがお疲れ様でした。」と言われた。
その夜はノワールを抱っこして眠った。翌朝、冒険者ギルドに久々に行くと「ハルトさん!寂しかった!」とビアンカに言われる。
「それで?今日は?」「魔石が欲しいんだけど売って貰えないか?」「残念ですが・・あっ!でもどうしよう?」「どうした?」「ちょっとマスターを呼んで来ますね。」
するとウオーレンが現れ「実は新たなダンジョンが発見されたんです!明日から3パーティが潜る予定だったんですが良ければ入ってみませんか?」「良いぞ。行こう。」
「3パーティが全部Cランクパーティなので少し不安だったんですよ。ではよろしくお願いいたします。」
俺は早速、デュークとランボウを誘い「冒険者をしたいんで手伝ってくれないか?」「良いですよ。」「行きます。」と言って貰った。
飛苦無や撒菱を大量に仕入れて薬品も持った。臭水も精製してテント類、水、パンや他の食料をロサンジンに大量に作って貰った。
翌朝、ダンジョンの前に行くと『真夜中の天使』6人の男と『夜明の悪魔』6人の男と『南の妖精』だとギルド職員が教えてくれた。
「俺達『アースガルド』だ。よろしく頼む。」と挨拶すると『南の妖精』が近付こうとした。すると「キキョウ!アヤメ!さっさと行くぞ!」「おい!ツツジにカエデ俺達も行くぞ!」
「けっ!たった3人でお零れに与ろうって魂胆かよ。」「まあアッチの獲物はやらねえけどな。」とヒソヒソ言っている。
「俺達が先頭に行ってやる。お前等3人は1番後ろからついて来い!」「了解した。」まあ12人の男達はダンジョンなんてどうでも良い訳だ。目的は『南の妖精』だから。
ランボウとデュークに事情を説明すると「ハルト様。ではギリギリまで待ちますか?」「そうでないと証拠は押さえれないだろ?」「分かりました。腕がなります!」
ロクに探検しないまま夜になる。「おい!飯を分けてやるよ。食え!」「大丈夫だ。持って来たのを食ってる。」「ちっ!」睡眠薬入りだったので食わない。
「おい!いびきが煩そうだから離れろ!」と俺達を遠ざける。「何か・・凄く眠い・・」「私も・・」そう言って『南の妖精』が自分のテントに入りすぐ寝たようだ。
そして深夜、(暗いな)(文句言うな9人の手を縛り口に猿轡を噛ませろ)(了解。バカな女だよ)(ちょっと優しくしてやればこんなもんだ)小声でヒソヒソ言う。
(手を縛り口を塞いだら起こせ)どうやら顔をベシベシ叩いているようだ。
お読みいただきありがとうございます。




