第1話 久しぶりの再会
よろしくお願いいたします。
ザルツベルグ帝国 ホライズン ハルト館
「こんな大勢連れ帰って来るなら早めに連絡下さい!」ケネディに怒られてしまった。23200人も連れ帰っていたらもっと怒られたんだろうな。
宿屋や空家に手分けしてくれて何とかなったようだ。「申し訳ない。」と素直に謝った。
(もう1つ問題はセバスやエマがスチュアート、フェルナー、ロッテンマイヤー達と上手くやってくれるだろうか?)と悩んでいた。
(連れ帰ったものは仕方ない。素直に相談してみるか。)そう思ってセバスとエマの所に行き話をした。
「アハハ。笑ってしまってすみません。しかしそんな事で悩んでおられたんですか?帰ってから難しい顔をされていたので皇帝陛下か皇太子からまた無理難題を押し付けられたのかと思っておりました。」
「そうですわ。心配したのですよ。」
「2人とも気を悪くしないかなと思うじゃないか?」
「この国1番の大公爵だった執事、侍従長、侍女長ですよ?お会い出来て光栄ですし『共に主をお支えしましょう』と言われ感激すらしたものですよ。」
「そうですわ。さすが長年、大公爵を支えてきたという自負に溢れておられましたわ。」
「ハルト様。お優しい気持ちはありがたいですが西の聖堂大教国と北のハーメルン帝国はハルト様の今回の戦を知っていると思われます。」
「民衆の多くはまぐれ勝ちが2戦続いたと思ってるようですよ。」
「既にミュラー将軍に勝たれた事は他国にまで知れ渡っているようですし今回、土魔法で堀を作り城壁を築いたり、山を崩したりと今までにない戦術だと思われているようです。」
「うん?なぜセバスは相手がそう思ってると知ってるんだ?」
「大国は私の所にまで使者を寄越しハルト様共々雇いたいと話をされに来られていますよ。当然、この国の宰相閣下にもご報告しておきましたがね。あらぬ疑いを掛けられても困りますので。」
「暫くはゆっくり出来ると思っていたんだがなあ・・」
「北も西も半信半疑だと思います。間諜の報告を全員が信じてる訳では無いでしょう。しかしロバート様は全力で取り込みに掛かると思いますよ。今頃宰相閣下とご相談なされているでしょう。」
(また帝都から呼びだしされるのか・・厄介だな。)
「お茶になさいませんか?」マチルダの調教・・もとい教育を終えたロッテンマイヤーがコーヒーを入れてくれた。
そこにマチルダと少し和解出来たサーシャも連れられやって来た。そこでマチルダに「名誉侯爵って言われたがあれは何だ?」と聞いてみた。
「さあ?」このポンコツ王女はホントに何も知らねえな。横でため息をつくサーシャ。
「宜しければわたくしから説明致しましょうか?」笑顔でスチュアートが言う。「助かるよ。教えてくれないか?」「承知いたしました。」
簡単に言えば名誉市民と同様でサーの称号も苗字も与えられない。当然給与も無い。王からの感謝状のようなものだった。国民からこの人スゲーぜといったレベルな訳だ。
「この国でも本当の騎士はナイトの称号と従者を従え戦いに出ます。ですから兵士の多くは農民、下僕、召使い、奴隷、農奴が大半です。バロンと呼ばれる男爵以上からフォンの称号が入ります。ナイトは苗字を持っています。マチルダさんはプリンセスの称号をお持ちですよね?」
「そうですわ。私の国だと騎士爵からフォンの称号を得ます。」
「この国でもフォンを名乗る騎士爵もいるのではっきりとした定義は無いのかも知れませんね。」
「うん?では今、連れ帰った兵はほとんどが農民なのか?」
「そうとは言い切れません。貴族に仕えていた者もいます。農業を嫌って傭兵や冒険者、狩猟を行い、いつかは功績を立て貴族になろうと思っている人もいます。」
「そう言えば蛮族は冬、ネズミと狐がごちそうだと言っていたな。」セバスが思い出したように言った。
「イヤッ!」「ヒッ!」とマチルダとサーシャが叫んだ。
「貴族になりたい訳では無いがこの人数を養える物は貰えるなら欲しいかな。名誉じゃお腹はいっぱいにならない。」と笑うと「貴族を望まれないのですか?」スチュアートが驚く。
「そうだよ。面倒が増えそうだと思うからね。それよりロサンジンに頼んで歓迎会をしよう。大勢の新しい奴隷だった人も増えているようだし連れて来た人達も顔合わせして欲しい。」
「それは良いですね。早速準備をしましょう。」とセバスがメイド達に指示を出す。俺は酒や子供達の為の果実ジュースを作る。ついでに町の人達も招待した。
「今夜は新たな仲間の歓迎会だ!顔を覚えて仲良くしてくれ!」「了解だ大将!」「カンパーイ!」と言って始まる。
アズナブールとアイスバッハは奥さんがべったり傍から離れない。少しでも可愛い子に声を掛けたりさせない為らしい。
俺の周りにはノワール以外にフォックス、モンロー、ユウ、マリア、オスカルが来ていた。「ノワール姐さんは妬かないんですかい?」アズナブールが不思議そうに聞く。
「強い種にはメスが集まるのは自然な事でしょ?もちろん私が1番になりたいけどね!」「亜人は寛大なんだな。」アイスバッハが羨ましそうに呟く。
「あら?私は人だけど嫉妬なんてしないわよ。」オスカルが言うと「俺達が運が悪かったんだな。」「ああ。どえらい嫉妬深い女を掴んだんだ・・」
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