第18話 ハルゼイ編18
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ザルツベルグ帝国 ハルゼイ
昼前に宰相達が到着し騎士100名と一緒に国境砦を見に行った。そこでロバートが通行税は取らない。民百姓、奴隷、亜人でも愛想よく出迎え見送ると方針を告げた。
「はぁ?なぜそのような面倒な事までして税をお取りにならないのです?」「ふわぁぁあ。帝都からこんな辺鄙な場所まで来てそんな事ですか?」
(これは前途多難だなぁ・・)そう思っていると「ハルト!こいつらバカばっかりでしょ?」ストレートな質問を俺にぶつけるマーガレット。
あちゃあという顔のロバートと宰相。「マーガレット様。我ら国政を任される者です。正直、このような辺鄙な場所は文官レベルの仕事。我らにとって・・」
「本気でそう言ってんの?だったらアンタ必要無いわ!帰りなさい!あくびしてるお前達も全員帰れ!!」
結局、唯一質問した外務卿以外はマーガレットにすればゴミに見えたらしい。「学校を設立して勉強をさせて試験に合格した者だけ登用する以外に方法無さそうだ。」
「よし!宰相。学校を作ろう。ハルトが言ったんだから校長だ。人選は君に任せる。ひとまず戦いが終わったらで良いぞ。」
「私の器量では無理です。ご辞退申し上げます。」これ以上無茶ブリに付き合えん。そう思っていると「軍務卿も兼務して頂き、軍略も講師としてご教授して頂けるとよろしいかと。」
この宰相は絶対ドSだ!目が笑って無いぞ。本気で言ってる。「いっそ宰相と外務卿以外をハルトがすれば万事解決よ!どう?私冴えてるでしょ?」
「あの・・無理です・・ご辞退申し上げます。」
誰も聞いていなかった。「ほう!そのような戦略でしたか?」「ああ!それで上手くいったんだ。」「なるほど!それは面白い!」「でしょ!私も感動したの!」
4人で盛り上がっていた。「ではハルト殿。わたくし外務卿を拝命致しましたビスマルクと言います。色々ご教授下さい!」
4人を放置して砦の兵達を指導する。やはり騎士に居酒屋のような挨拶を求めるのはムリがあるようだ。そこで掃除に来ていた男女にさせてみる。
「いらっしゃいませ!ようこそザルツベルグ帝国へ!身分証はこちらに出して下さい!」なかなか良いのが30人もいる。
「身分証が無い人はここで発行してあげてくれ。」すると「はーい!身分証の無い方はこちらで発行いたしますよ!こんな感じで良いですか?」「うん!良いよ。」今までの経歴を聞いてみた。
「俺は平民で家が商売してました。」「私は酒場で仕事してました。」なるほどと思う。30人のうち20人はここで働いても良いと言うので今までの給料を聞くと「1か月大銅貨4枚です。」
これが平均的だった。「ひとまず1か月銀貨1枚出す。寝泊まり食費は無料だ。休暇は全員と相談して決めてくれ。」と言うと全員大喜びだ。
「もちろんこれで評判が上がれば更に出そう。」山の中で暮らすのだからこれくらい良いだろう。20人が「私達の足を引っ張らないでよ!」と騎士100人に言っていた。
後ろで「これがハルトよ。どう?ビスマルク?」「なるほど!適材適所を見極めが早いですな。しかもやる気を引き出しています。」
国境砦をあとにしてハルゼイで会議になる。
「しかし思った以上に人材不足なのね。」
「しかも深刻な状況だ。」「これで庶民が安心してとは言い難い。」「なあハルト?君はどう思った?」
「そうですね。今の段階で出来そうな事だと何かテーマを出して論文を提出して貰い、これはと思う人間を登用していけばよろしいのでは?」
「それはどのような事でしょうか?」
「何でも良いと思いますよ。農業でこうすれば土地が良くなる。河川でここを改良すれば氾濫が収まると意見があり本当にそうなら人材と言えるのではありませんか?」
「分かりました。貴重なご意見をありがとうございます。早速帝都で行ってみましょう。」宰相が帰り支度を始めた。
「宰相!ゴミも積んで帰ってよ!」「分かっておりますマーガレット様。」
「私は早速ナン王国に明日の朝から向かいます。初外交で緊張してますが頑張りますね。」「済まないが頼むよ。」
残ってる騎士に「脱走をした人は?」と聞くと「今の所誰も居ませんね。聞く所によるとナン王国に戻ると殺されるだろうと言っていました。」と報告された。
俺は兵士達の所に行き「服と下着、タオルは3日分なら買って良いぞ。女性はプラス1着まで許可しよう。支払いは気にしなくて良い。」
「やったあ!すぐ行こうよ!」「うん!もう着回しで悩まず済むわね!」「ここの指揮官って話せるじゃない!」
「何で女だけ4着だよ!」「俺達も4着欲しい。」「あんたなんか何を着ても一緒じゃん!」「そうよ!洗濯くらいしたら?」女性陣から猛反撃を食らう。
ロバートは結婚を考えていないのかと思い聞いてみると「ハルトなら良いかな。あの時の少女が忘れられなくてね。皇族が奴隷なんてと言われるのがイヤだったんだが君を見てるとどうでも良いと思ってね。」
「何処の貴族か分からないんです?」
「いや。分かっているよ。バッケンハイム公だ。」
「ではプロポーズは君の未来とこの国の未来を変えて見せよう!なんてどうです?」
驚いた顔をされ「君って意外に詩人なんだね!言ってて恥ずかしくないかい?」と笑われた。
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