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俺はどこまで這い上がれるのか?  作者: 駿
第2章 冬来りなば春遠からじ
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第6話 ハルゼイ編6

よろしくお願いいたします。

ザルツベルグ帝国 ハルゼイ


「ハンベエ。そろそろ砦攻略の準備に入ってくれ。町の方は何とかなりそうだ。」

「未だナン王国が騒がないという事は密偵は届いて無さそうですね。」

「そういう事だな。では頼むぞ。」「承知致しました。」


門と砦のコの字はほぼ完成していたので落とし穴を作る。イメージはダストシュートだ。100m四方の巨大な落とし穴だ。


(問題は騎士が素直に捕らえるのを手伝うかだな。)俺に兵は居ない。彼らが拒絶するとこの計画は頓挫してしまう。


(ダメならローズに説得して貰おう。)そう思って落とし穴を作っていく。一旦はガクっと落ちて滑って貰おう。


問題は拾い上げる所だな。するとちょうどいい所にオスカルが来た。落とし穴の説明をして拾い上げて行く話をすると「殺さず助けるの?」


「そんな不思議で驚く話?」

「そうね。奴隷を助ける為に一生懸命に見えるわ。」

「もちろん奴隷だけじゃないけどな。」

「貴族や王や皇帝に忠誠を誓う人達って自分より身分の下は死んでも良いと思ってる人がほとんどだから驚いたの。」

「俺は貴族じゃないぞ。むしろこの前まで奴隷だったな。」

「更に驚いたわ!それで私は何をすれば良いの?」

「例えば奴隷が落ちてここに来るだろ?でも助けたいと思っても主人は変えられないだろ?」

「あれは商人達が脅しのように言う言葉ね。考えてみて。魔力の無い商人でも奴隷紋を入れられるんだからカギとしては単純な作りだわ。任せて!何とかしますわ。」

「よし!頼んだぞ。」


そう言って残りの作業に没頭していく。夕方まで作って何とか完成が見えた。自分で落ちてみる。削ったり角度を変えたりして深夜には何とか納得出来る物が出来た。


土魔法で蓋をしてパンを取り出し食ってると「それだけじゃダメよ。」とノワールがご飯を持って来てくれた。


「もう少しですわね。」「ああ。もう少しだよ。」と夜空を眺めシチューを御馳走になった。「これノワールが作ったの?」と聞くと頷いた。


「御馳走様。美味しかったよ。」と言うと嬉しそうに笑った。


翌朝、「昨日はハルト様を探してたのに忘れたじゃない!」とオスカルに怒られる。「そうか。それは済まない。」頭を下げる。


「調子狂うわね。町の人が会いたいって言ってるわよ。」早速会いに行くと「お忙しいところ申し訳ありませんが来て下さい。」


「ここなんですが。」と言って指した場所は壁が崩れていた。「ここから盗賊やら魔物が入って来るんじゃ。役所に言ってもずっと直して貰えなんだ。」


「分かりました。直しましょう。」壁は3mくらいにして先端をトゲトゲにしておいた。「おー!ありがとうございます!」


そういえば今、役所ってどうなった?と思い尋ねると5人くらいしか居ない。「何でこんな少ないんだ?」受付の子に聞くと「元々少なかったのよ。」


「あの内政官は帝都の言う事しか聞かないからそんな仕事も無いし若い女の子は可愛ければ食われちゃうのよ。私みたいにブスしか残らないわ。」と笑った。


「あんなデブ内政官に毎回抱かれるならお金になる娼婦になるってみんな娼婦してるのよ。最初はバイトだったけど今はみんな本職よ。だってここ給料安いし。」


「ちなみにいくらだ?」「月に大銅貨2枚よ。」異世界の公務員は花形では無かった。すると「逃げたぞ!」と大声が聞こえる。


急いで外に出る。「何かありました?」「いやね。内政官の奥さんと子供が逃げ出したんですよ。財産やら金目の物を馬車に積んでるなと思ったら町の外に飛び出したんです。」


「何処に逃げるんですかね?」「そりゃ帝都でしょ。内政官も奥さんも帝都出身ですから。」俺は早速帝都に早馬を出す。


町に風呂はほとんどなかったので空いていた倉庫を買う事にした。「あの倉庫は誰の持ち物ですか?」と聞くと「強いて言うなら内政官だ。」と言う。


「どういう事です?」「税を払えと強引に取り立てをして持ち主が夜逃げしたのさ。」ならばここに銭湯を作ろう。


排水を下水に繋が無ければならないが分からない。すると先程の役所の女性がいる。「下水ですか?それならその川がそうです。」


町の大工さん達を集め説明する。「そりゃ配管が大変だな。おい誰か鍛冶屋を呼んで来いよ。男女別にしなくても真ん中に壁立てて風呂は人が出入り出来ない柱にすりゃ良いだろ。」


「さすがですね。」「兄ちゃん褒めても何も出ねえよ。」と職人さん達が笑う。「費用はどれくらいになりそうですか?」


「そうだな・・材料費と工賃で銀貨10枚は欲しいな。」「分かりました。お支払いします。もし足りなければ言って下さい。」10枚差し出す。


「スゲーな!兄ちゃんタダモンじゃねえな。」「おー!銀貨だぜ!」「やっぱ前払い有難いっスね親方!」と大騒ぎしていた。


「おい!ぼやぼやすんな!仕事するぜ!」「ヘイ!親方!」「ではお願いします。」と頭を下げ砦に戻った。


(しまった。砦の分も頼めば良かった。)そう思いながら橋脚をチェックし補強して橋の表面にアスファルトもどきを敷き詰めていった。

お読みいただきありがとうございます。

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