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俺はどこまで這い上がれるのか?  作者: 駿
第2章 冬来りなば春遠からじ
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第3話 ハルゼイ編3

よろしくお願いいたします。

ザルツベルグ帝国 帝都 宮殿


ロバートの執務室には宰相と内務卿がいた。


「短時間でよく調べてあると思います。大した機関も持っていないでしょう。確かに執事も優秀だと思いますが。」


「やはり宰相の所にも同じ内容で早馬を飛ばして来ていたのか。気が利くね彼は。」と笑うロバート。


「私にはバッケンハイム公が裏切るなど俄かに信じる事が出来ません!その情報は確かなのでしょうか?」不信感を露わにする内務卿。


「ああ。ごめんごめん。君に今日来て貰ったのは同意が欲しくて呼んだ訳じゃ無いんだ。要職の身でありながらバッケンハイムから賄賂を受け取ってる理由を聞きたかったんだよ。」


「なっ!だ、だれが、そ、そんな根も葉もない事を申しているのですか!」すると「コンコン」とドアがノックされる。


「入りたまえ。」

「失礼します。調べました所、バッケンハイムとリジャプール王国からも送金されておりました。報告は以上です!」真っ青な顔で呆然とする内務卿。


「大丈夫だよ。今回の戦が終わるまで君には生きて色々喋って貰うつもりだから安心して。」とても安心出来る話では無い。


「殿下・・これには深い訳が・・」

「うんうん。良いよ。その調子で深い訳を君達が使っていた取調室で喋って貰おう。当然間違って自殺なんてしないように首輪を付けてね。さあ彼をお連れして。」


隷属の首輪を付けられ連行される内務卿。


「さて。ジャマはいなくなったな。これはあくまで私見であり推測の域を出ませんと書いてあるがなかなかの推理力だと思わないか?」


「そう思います。しかしほぼこの通りだとすれば非常に厄介ですな。身内に足を引っ張られる事態が続いておりますぞ。」


「参謀本部のバカどもか。アイツら悪意なくジャマをしてくるからな。しかしピンチだよ。2国を相手にしながら大公まで警戒しなきゃならんとは。」嘆息するロバート。


「しかしハルゼイを彼だけに任せてよろしいのでしょうか?」

「北と西の大国が便乗すれば我が国は終わる。そのどちらかだけでも非常に厳しいからね。南に向かわせていたら間に合わないのは宰相も分かっているだろう。これで彼が何とかしてくれなきゃどちらにせよ食い物にされるさ。」


「期待というより願望に近い話でございますな。」

「そうでもないさ。今まで接してみて見識の高さ。蛮族や盗賊を打ち破る強さ。これらを鑑みても願望と言うかい?これらを全て何とかすれば妹の誰か嫁に出し辺境伯辺りにしたいくらいさ。」


「それは陛下がお許しになりますか?」

「バカで無ければするだろう。辺境伯はムリにしても彼を出す事は敵に回す事になるんだ。これ以上脅威を抱えるのはデメリットでしかないよ。」


「その通りでございますな。私はまだどこかで彼を軽んじていた気がします。陛下には私からも意見具申をさせて頂きます。」

「うむ。頼むよ。それとハルトに魔法障壁の件を伝えてくれたかな?」

「ナン王国の魔術師達ですな。知っても苦戦は免れないでしょうが早馬を出しお伝え致します。」


宰相が去って(老人ってやはり頑固だな。国の存亡の危機でも身分が頭にあるとは。)


その頃マーガレット宛に届いたトリートメントと化粧水を宮殿で配ると全員が狂喜乱舞していた。


休憩室で4人の侍女が話をしていた。


「マーガレット様にご主人様からトリートメントと化粧水が届いたらしいわ。」

「他の侍女達が羨ましがってたわ。」

「私達がコッソリ持ってるって言っちゃダメよ。」

「当り前よ。それより私達3人は子供出来ても一応旦那がいるけどあなたは大丈夫なの?」


「一応って。私も一応彼氏がいるんだけどね。でも私が綺麗になったって気付きもしないのよ!そのくせ会ったら求めて来るの!セフ〇くらいにしか思われてないと思うと気持ち悪くなっちゃって冷めて会って無いの。もう別れようかと思ってるから良いのよ。」


「ああ!分かる!旦那も一切気付かない。気付いたからって褒めるなんてしないわ。」

「うちもそう。つーかぶっちゃけ私に興味ないわ。娼館や飲み屋の女の子が好きみたい。」

「うちも似たようなもんよ。もう1年以上は一緒に寝て無い。」

「みんなも出来たらヤバいじゃん。私は彼氏もそんな感じだから出来たって良いの!だってご主人様の子よ!それに養うくらいならご主人様なら何とかしてくれそうだもん。愛を感じるし!」


「あなた達!いつまで休憩してるの!さっさと掃除しなさい!」侍女長に怒られ「はーい。」とダッシュする4人だった。


「リタ。待ちなさい。」何かやらかして怒られるのかと思いながら「何でしょうか?」と聞くと「あなたは『トリートメント』や『化粧水』を何処から手に入れてるの?」


「以前、ハルト様がお見えになられた時ですわ。」

「悪いけど少しで良いから分けてくれない?」

「うーん。私も少しですが他ならぬ侍女長様の頼みですから。後でお持ちしますね。」

「ありがとうリタ。今後悪いようにはしないから。」


ニコニコして去る侍女長を見て(ご主人様を愛して良かった!)晴れ晴れとした表情で仕事に戻るリタだった。

お読みいただきありがとうございます。

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