第28話 2回目の奴隷市
よろしくお願いいたします。
ザルツベルグ帝国 帝都 宮殿
翌朝、目が覚めると侍女さん達は居なかった。顔を洗い朝食を取る為食堂に向かう。廊下で昨日の侍女さんの1人とすれ違う。
「私はリタと申します。ご主人様。」と小声で告げ何事も無かった顔で通り過ぎて行った。食堂には既にノワールと『希望の光』『薔薇の美女』セバスがいた。
遅れてバウアーさんとマイヤーさんもやって来て朝食が始まった。
「いよいよ今日だな。俺は前回と同じ子供で良いか?全員買うぞ?」
「そうして下さい。マイヤーさんは下級奴隷、セバスは中級奴隷、俺達は上級奴隷です。基本は亜人を助けますが兵になりそうな人や気になる人は買って下さい。」
「ハルト様!俺達も見学に行って良いですか?」「あっ!では私達も行ってみたいわ!まず行ける事って無いもの。」
「良いよ。でも気分の良いものでは無いからね。」と告げそれぞれ部屋に戻り着替えて出発した。
会場に到着して仮面のようなメガネを渡され装着すると「なんか高貴な人に成った気分だ!」無邪気にはしゃぐハース。
「田舎者全開だよ。」「恥ずかしいったらありゃしない。」「ホントだよ。離れて歩こう。」仲間から言われ小さくなった。
俺達は上級奴隷の会場に行き席に着く。俺の右隣がノワールで左隣がローズがいる。「ノワール頼むぞ。」「お任せを旦那様!」と張り切る。ノワールの澄んだ声はよく会場に響く。
(この声で啼くから響き渡るんだよな。)そう思っていると「旦那様。今、不埒な事を思っておられませんか?」と腕を組んだまま拗ねる。
「仲が良くて良いわね。」ローズに言われ顔を赤くする。上級奴隷は性奴隷と言われるだけありほぼ女性が出て来る。
「確かに気分の良いものでは無いわね。」「そうよねえ。同じ女性としては救ってあげて欲しい。」後ろに座っていた4人が言う。
「確かにそう言われるとそうですわ。旦那様!全員買いましょう!」ノワールが張り切って言う。「分かった。救おう。」と言うと全員喜ぶ。
途中、競りだすと「負けるな!」「ノワールさん!頑張れ!」全員が興奮する。そして俺達の番号「落札7番!」と言われると「キャー!」と叫ぶ。
ローズが俺の腕にしがみ付いている。薄手の服でブラしてないのでムニムニが気持ち良い。そして「本日の目玉です。」アナウンスされ2人が出る。
『亡国の王女』と『麗人』と心眼で見える。「2人とも変わったスキルを持っているな。」と呟くと「ハルトさんには見えるんです?」ローズが聞く。
「まあそうだな。」と言ってると王女から競りが始まる。「絶対負けない!」と言うノワール。「そうよ!負けないで!」応援する『薔薇の美女』
「金貨1枚!」「ええい!2枚だ!」「3枚よ!」「うう・・4枚・・」「5枚よ!」「ヤケだ!6枚!」「7枚。」ノワールに言われて相手が降りた。
「やったあ!」後ろで抱き合う4人。ローズはしがみ付き過ぎてもうほぼ見えている。すぐ麗人がスタートする。
「あの人って男じゃない?」「うーん。でも少し胸があるような・・」「ほら、喉ぼとけも無いから女性だと思うわ。」「微妙だわね。」4人が後ろで囁いている。
麗人がこちらを見た。少し微笑んだように見える。そして視線を逸らすことなく俺をずっと見てる気がする。
「あの人、旦那様をずっと見てる気がします。」「俺もそんな気がするよ。」と言っているとスタートした。
結局、金貨3枚で落札するとこちらに向かってお辞儀して微笑んだ。「あっ!リーダー!ハルトさんにしがみ付いてる!」「あっ!ご、ごめん!」と謝る。
「良いよ。まあ興奮するよね。」と言うと5人共頷いた。「考えたらここで彼女達の運命変わるもんねえ。」とローズが呟いた。
今日は俺が支払いに行くと「7番様ですね。ありがとうございます。我々は明日の夜にはホライズンにお届け致します。もちろん傷つける事無く丁寧にしますのでご安心下さい。」
「我々はバカどもと同じ轍を踏む事は致しません。」と笑顔で言った。他会場に行っていた3人も「概ね上手くいった!」と笑顔で言ってくれた。
俺達が宮殿に戻ると「おかえりなさいませ!」と侍女さん達が笑顔で迎えてくれた。「いったい誰がここの主人だと思っているのやら。」と苦笑しながらロバートが言った。
「今日も何か作るのかい?」
「ええ。今日はクッキーを焼こうと思っています。また厨房をお借りしてもよろしいですか?」
「もちろん良いさ。母上達や妹達も君のファンだからね。料理人達も君に頭が上がらないだろう。」と言って大笑いする。
昨日、一晩寝かせた生地にナッツ類を振りオーブンで仕上げていく。「先ずは私が試食しよう。」とロバートが言うと「毒見をしてからです!」侍女達が取り上げる。
「どうやら侍女達も君のファンだね。」2回目からのクッキーを食べる。「これは私の好みだ。ナッツが良いアクセントだよ。」ご機嫌で食べてると「兄様!ズルいわ!」と妹達が急いで来て怒られる。
「そうよロバート!私達に声も掛けず1人で食べるなんて!」「これは母上様達。そういえば昨日、私が風呂に入ってる時にプリンとやらは何処に消えたんでしょうか?」
すると母親達は無言で席に着き「あら!これも美味しいわね!ロバートはもう良いの?残りは全部、私達が食べて差しあげるわ!」ロバートの質問は無かった事になった。
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