第12話 マーガレット皇女
よろしくお願いいたします。
ザルツベルグ帝国 帝都 2日目
「アンタ!全員って何百人って人数になるよ!」
「構いません。偽善だと思われるかもしれませんが救える力があるなら何とかしたいんです。」
「それなら子供の会場はバウアー。アンタが行きな。見えなくても関係ないからね。片っ端から買って来な!下級はアンタ達だ。中級はマイヤーとセバスが行きな。上級は私が行こう。」
「再度確認ですが少年少女、亜人は全て購入。後は持ってるスキルの判断でよろしいでしょうか?」
「それで良いですよ。もし迷う事があれば買って下さい。皆さんお手数をお掛けしてすみません。」
「なあに良いって事よ。それより性格までは分かんねえぞ坊主。」
「それならセバスとノワールが何とかするさね。」「えっ?マーサさん私の見えるんです?」「ああ。隠蔽してんだろ?いちいち言わないよ。」
「相変わらず妖怪見てえなババアだな。」「マイヤーに今夜、良い夢見せようか?」「すみません。もう言いません。」
6人が大笑いして食事と酒を楽しんだ。その夜、石鹸を取り出し身体を洗っていると「これに付与すれば売れる品になるかも。」と嬉しそうに言うノワール。
「綺麗になった?」とベッドで聞いてくる。「いつも綺麗だよ。」と言うと「ヤーン!愛してる!」とイチャイチャしながら眠りについた。
翌朝、食堂に行くと4人は来ていた。「おはようございます。」と挨拶すると「何だか緊張して熟睡できなかったぜ。」「バウアーはひたすら買うだけなのに何で緊張すんだよ!」と言い合っていた。
朝食を済ませ会場に向かうと仮面のような物を渡された。「人物特定を防ぐ為だよ。」とマーサさんに説明される。確かに俺やノワールを知ってる人がいるかもしれないから助かる。
「子供会場はお客が少ないようですね?」「坊主のような人間は少ない。あそこは特殊性癖のド変態が行く会場だ。」と決めつけた。
「では検討を祈ります。」「おーー!」と各会場に分かれた。(ほんの少し前までは買われる立場だったのにな。)と笑っていると「今考えている事が何となく分かりました。」
「ノワールもマーサさんみたいだな。」「いやいや。とても敵いませんよ。」と慌てて手を振る。すると「皆様お待たせ致しました。これよりオークションを開始致します。」とアナウンスされた。
総勢500人を超える人達が出品されていた。(もう人権なんて皆無だな。出品と言ってる時点で品物扱いだ。)と思っていると「あの人どうしましょ?」と聞かれる。
亡国の将軍だった人だ。スキルは『兵士調練』『陣頭指揮』『鉄壁守備』『士気上昇』『突撃』と素晴らしいと思う。
「欲しいな。」「分かりました。」年齢が50歳という事もあり誰も買わないようだ。大銅貨1枚でスタートしてそのまま落札出来た。
内政関連のスキルを持っている人はもちろん盗賊のスキル持ちも買った。ドワーフも1人出たが意外にも誰も買わない。(簡単に買えてありがたい。)
全て俺達が買い占め状態になる。「おいおい。アイツは何処の貴族だ?」「うーん。見た事ねえな。」「しかも亜人やオッサン、ジジイを買い占めるなんておかしなヤツだぜ。」と笑われていた。
そう言われるのは仕方ない。先程60歳のソードマスターで『居合』『残影』『刺突』『捕縛』『剣術指南』スキル持ちを買ったからだろう。
変わった人で『馬丁』『暗殺』スキルを持ったものや『庭師』『暗殺』スキルを持っている人達も買った。
どの人も銀貨1枚にもならない金額で落札出来るので俺に取ってはありがたい。そう思っていると「あと2人で終わりです。」とアナウンスされた。
孤人族だがスキルが凄い。『索敵』『破壊活動』『罠』『密偵』『暗殺』『変装』『隠形』『催淫魅了』『性技』だった。「最後のスキル2つは必要無いですわ。」とため息をつきながら競っていく。
どうやら競争相手は何が何でも欲しいようだ。「銀貨50枚。」「くっ・・60だ。」「では70。」「80だ。」「大銀貨1枚。」と続き「金貨1枚。」とノワールが言うと諦めた。
「本日最後はこちらです。」と言って出たのは虎人族の女性だ。スキルも『破壊活動』『暗殺』『潜入潜伏』『罠』『変装』『隠形』『睦言』『性技』『誘惑』『催淫魅了』だった。
「はぁ。」とノワールがため息だ。また先程の太った貴族と競りになるが『金貨3枚』で勝負が決まった。
受け取りは各奴隷商が連れて来てくれるらしい。「私はマーサさん達の状況を聞いて参ります。」と言って立ち上がった。
俺はトイレに行こうと思い外に出るといきなり黒ずくめの集団に襲われる。飛苦無を出し10人の足に突き刺す。
威圧を掛け10人を捕らえ飛苦無を抜くと綺麗な女性と衛兵がやって来た。「キサマは何者だ?」「私ですか?ハルトと言います。ただの冒険者です。」と笑顔で答える。
「ふっ。私を節穴扱いか?ただの冒険者が大勢の奴隷を落札し10人の手練れを瞬時に捕らえるなんぞあり得ぬ。」と笑った。
すると「マーガレット皇女。その者が無礼を働きましたか?その者は常識に欠ける所があるので私に免じて許してやって下さい。」とマーサが頭を下げながら言った。
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