第13話 夏の終わり
宜しくお願い致します。
マジカル大公 公爵館
吸血鬼の方は俺の作った爆弾で隠れ家を粉砕し黒こげの死体になった蝙蝠だらけだったが1匹だけしぶとく生き残っていたようだ。
「奴隷になります!殺さないで!」と懇願するのでオスカルにしっかり奴隷紋を入れられ忍者部隊の諜報員として生きる事になった。
その日の夕方、ロバートはやって来た。「スカウンドレル殿の様子は?」と聞く。「もう長く無いかもしれません。」「ホントか?」と慌てる。
「お・・ロバート殿。会えて良かった・・見てくれ私を・・21歳になったばかりに見えぬであろう?」と言われ「そんな事は無いぞ!」
「良いのだ・・この手はまるで祖父のようだ。私は何をして魔族に狙われたのだろう?どんな悪い事をしたと言うのだ?もっと生きたかった・・」これが最後の言葉になった。
「スカウンドレル殿!!」と泣くロバート。
宰相と俺は席を外した。「ハルト様は何かご存知のようですね。」と宰相が聞いて来た。「独り言を言って良いですか?」「どうぞ。」
「この国は元々、代々謀反を狙っていました。地下深く魔族と手を結び虎視眈々とこの国を狙っていたのです。ドラッグのお陰で肝心の記憶が飛んで今は純粋な人で死ねて良かったんでしょうね。」
「なるほど。そういう独り言ですか。まあ陛下に今、言って良いかどうかといえば相応しくありませんなあ。」「そういう事ですね。」
「確かに今まで何も無く、いきなり魔族が現れラングが好き放題っていうのも無理がありますよね?」「その通り。ロバート様にはラングに全ての悪事を被せてしまう方が良いのかもしれません。」
「ここは綺麗なままのマジカル大公でいて貰いますかね?」「それでよろしいかと。暫くは色々調べさせて貰いたいのですが?」「ハルト様の思うようにして下さい。」「ありがとうございます。」
貴賓室にロバートと宰相に休んで貰い、警備をしっかりして貰う。俺は10人の相手をして朝を迎えた。
「ハルト。」「はい。」
「スカウンドレルは白か黒か?」「限りなく真っ黒ですね。」「やはりそうであったか・・」「気付いておられたんです?」
「当り前だ。情に流されていては国政は出来無い。それにドラッグも何十年と練られ研究された物だと理解しているさ。」と笑った。
「この国で父上が出来なかった2大公を処理出来たのは大きい。しかしまだ虎視眈々と狙ってる輩も多い。頼むぞハルト。」「はい。」
「明日の朝には内政官や事務官がやって来る。引継ぎまでは居てやってくれないか?」「ロバート様の頼みなら聞きましょう。」と笑って見送った。
俺はドラッグや媚薬を使って他の薬が出来ないか調合していた。すると背後に気配を感じる。「今回の事件にお前は絡んでいるのかリー?」
「あら?気付いてた?」「白々しいな。ロッテンを殺す時から居ただろ?」「あのロッテンは偽物だったわ。」「粉になったからか?」「そうね。魔人は粉にならないわ。」
「敵対しないなら良い。」「約束は守るわよ。愛してるもの。」
「それで?何か言いたくて今日は来たんだろ?」「まあ!つれないわね!キスの1つもして情報を下さいって言うならあげよっかな?」
濃厚なキスをすると「ま、まさかするとは!やるわね!良いわハルト!冬に魔人がこの国の帝都に攻め寄せて来るわ。でも何処からかは不明。兵数は魔獣が中心で10万よ。どう役に立った?」
「うん。ありがとう。でも大丈夫か?消されたりするなよ。」「アハハ!嬉しい!大丈夫よ。またキスしてね!」と言って消えた。
しっかりドラッグの回復薬を置いて。(なかなか粋なことするじゃねえか。)しかしこのドラッグを濃密な物にすれば魔獣にも効果があるかもしれない。
そう思って夜まで作り続けた。回復薬もしっかり量産しておく。そして翌日、内政官、事務官達と引継ぎをして俺達は帝都に戻る事になった。
ロバートや宰相に挨拶に行くと「聖堂大教国の教皇が亡くなった。勇者、聖騎士、主な聖職者も亡くなってなんとかしなきゃいけなくなったよ。何か良い考え無いかな?」
「そうですね。宰相に短期間ですが立て直して頂いては如何でしょうか?」「私ですか?」「アハハ。それは考えなかったな。宰相。必要な人員を揃え立て直しに向かってくれ。」
「はっ。承知致しました。」
「ハルトはどうする?帰るのか?」「そうですね。買い物をして帰るとしますよ。」「頼みがあるが聞いてくれないか?」「何でしょうか?」
「まずレナだがハルトが結婚したいと言わない限りしないと言ってるんだ。理由は前回、辞退したのを拗ねているんだよ。」(面倒な。)と思ったが「分かりました。話をします。」
「それとなあ・・マーガレットだ。色々な事が上手く行かず悩んでるんだ。何とかなるかな?」(これもまた面倒な・・)「話はしてみます。」
「あとミュラー達が稽古がしたいと言ってる。頼めないか?」「良いですけどロバート様お願いがあります。」「何かな?」
「死なない闘技場ってどうやって作るんです?」「あれか・・宮廷魔術師長に聞いておくよ。」
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