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俺はどこまで這い上がれるのか?  作者: 駿
第1章 プロローグ
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第1話 売られた場所は・・

よろしくお願いいたします。

ザルツベルグ帝国 帝都 地下組織


「ようこそ!この世の地獄へ!」

これがここに来て最初に俺が聞いた言葉だった。


俺達が入れられた部屋はまさしく牢屋と呼ぶに相応しい所だった。光の差し込まない昼間でも薄暗い部屋。そこから選別が始まった。見目良い男女はお約束の金持ちや高貴な人々の玩具として扱われる。見目の良くない女は看守達の慰み者。男は闘技場で賭けの殺し合いをさせられる。


食事は2度出る。黒いカビの生えたような硬いパンとボロボロのクズ野菜の塩だけのスープが1日2食出るだけ。


到着した頃には色々驚いたが今ではもう何も感じなくなっていた。看守に少しでも媚びを売り生き永らえようとする少年少女の嬌声。


少しでも逆らったり返事を躊躇えば殺されるくらい殴られ蹴られる。どんな理不尽な命令にも「イエッサー!」しかないのだ。今日も新入りが入って来た。


「イヤだ!戦いたくねえ!」

そう言った瞬間からボコボコにされていた。「どうして俺達がこんな目に合わなきゃならないんだ・・」こんな泣き言を言っても聞いてくれる人は居ない。


(バカだな。言って無駄な事を口にするなんざ、長生き出来ねえぜ。)と周囲が囁く。俺も1人目、2人目と戦わされた時はもうイヤだと思っていた。


しかし力の無いヤツがいくら叫んでも何も変わる事は無い。俺はガタイも良く男娼には向かないのでほぼ戦いだけだったが時に金持ちや貴族のBBAを相手しなければならなかった。


「オイ!シロ!」と呼ばれる。そう、俺はここで色白だった為にそんな名を付けられた。「さっさと水浴びしてこい!今日は上客だぞ!」親分が叫ぶ。


今夜、俺はそのBBAを満足させると金貨5枚の価値らしい。「オーナー!気持ち良くなれなかったら半額にするから!」BBAが親分に叫ぶ。


「シロ!上手くやるんだ!」とニヤニヤ笑いながら俺の肩を叩く。「満足させりゃ肉を食わせてやるぞ!」もちろん何の肉か分からないが俺にはありがたい。


「イエッサー!」と叫びひたすら体力勝負する。俺に細かなテクニックなんて有る訳無い。

翌日、「シロ!ゴブリンの肉だ!」看守が嗤う。本当なのかどうかは知らないが生き残る為なら何だって食うさ。


俺は1年、2年と生き残った。時には魔物と戦わされ、またある時は騎士崩れと戦わされる。俺との勝負はだいたい1撃で決まるので観客受けが悪いと親分ことオーナーが文句を言う。


「もう少し観客を楽しませろ!」親分が言うのは分かるがこっちは命懸けだ。毎回余裕なんて無い。負ければ即、死亡が待っているのだ。


そして3年目の俺が300人以上を切り地下コロッセウムで有名になった頃。

「隣のシマのルチアーノと抗争になったが手打ちになった。正直、俺もルチアーノ一家も納得してねえ。そこでお前とルチアーノの所にいる最強のヤツで勝負になった。」葉巻を吹かせながら言う。


「分かるか?勝て!相手がどんなヤツか分からんが勝てば褒美をやろう!負ければ死だが当然楽には殺さねえ。」


「イエッサー!」と答えるしかない。


翌日の夕方、コロッセウムでは超満員の観客だ。「殺せ!」「シロ!テメーに賭けたんだから倒せよ!」「どう見てもシロには今回は分の悪い相手だろ?」観客は面白半分で好き勝手言っていた。


どうやら相手はオークのような巨体だ。賭けも9対1と俺が負けていた。「お前なら勝てる!」と後ろで根拠も無く親分が叫んでいた。


「なんだ?ヒョロヒョロとしたガキが相手かよ?こんなヤツなら俺じゃ無くても良かったんじゃねえか?ガハハハッ!」と笑っていた。


「シロと言ったか?ガキがそんなデカい剣で大丈夫か?」完全に見下していた。「こんなガキを殺しても勝ったと胸を張れねえが悪く思うなよ。おい審判!さっさと始めろ!」とオーク似が言う。


「始め!」

審判が言うと同時に『身体強化』を自身に掛け俺に襲い掛かって来るオーク似。俺は砂を拾い上げ目を狙う。「なっ!汚ねえぞ!」と叫んで目を手で覆った。


俺は両足を薙ぎ払った。「ウギャー!」と叫び片足は吹き飛び転がった。すかさず剥き出しの首を狙い剣を突き刺す。


「グォーーー!」


断末魔を上げ呆気なく俺の勝利になる。「今の勝利は認められん!」とルチアーノ一家が物言いをつける。


「何を言う。負けたら物言いか?」とニヤニヤしながら親分が言う。「魔物のようなヤツを連れて来てしかも魔法まで使って負けて言い訳があるのか?」と畳掛ける。


「ルチアーノ!見苦しいぞ!」と立会人が言って場は収まった。オーク似の死体が片付けられると「何か出て来たぞ!」と闘技場に檻が運ばれてきた。


「亜人か?」「黒エルフじゃないか?」観客がザワザワしている。すると「これからシロと黒エルフが交尾をします。」親分が叫ぶ。


「ここでか?シロと黒っておもしれえ!」「ここでするってのか?」観客は興味深々だ。「さあシロ!ご褒美だ!」親分が俺の耳元で囁く。


檻から出され衆人環視の中で俺達は裸にされ「シロやれ!」と命令される。黒エルフと言われた女性は隷属の首輪を付けられ逆らえない。


(私の初めてを・・)と小声で涙を零しながら言った。(済まない。)と小声で謝まった。驚いた顔を俺に向ける黒エルフだが観衆は大興奮だ。

お読みいただきありがとうございます。

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