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第五話「奇特部」

 少女の携えた日本刀は、ポタリと赤い雫をこぼす。無機質なトイレの床に、どす黒い血痕を残しながら。


 半開きのドアから覗き込む、頭のおかしい殺人者。奇特部、川瀬は横目で私を見つめながら、視線を外そうとしない。


 今は、学校の昼休み。多くの生徒が平然と廊下を行きかうこの時間。彼女は、何のためらいもなく、人を刺し殺した。



「弓須さん。外へ出て」

「……っ!?」



 正気の沙汰ではない。明らかな異常人格者だ。


 彼女は、人間を殺しておいて表情一つ変えていない。それどころか日本刀を突きつけて、血塗れの私に外へ出ろと睨み付けている。



「手紙、読んでくれたでしょ」

「う、あ」



 手紙。


 そうだ。あの手紙の内容のことを問い詰めないと。


 いや、待て。その前に、もっと根本的な説明をしてくれないと。


 なんで、カナを殺した?


 なんで、カナは私を襲った?


 なんで、平然と日本刀を持ち歩いている?


 なんで、私が時間跳躍してることに気付いた?


 なんで────


「悪いけど。混乱してもらう時間はないの」


 意味が分からず呆然と立ち尽くす私に、彼女は日本刀を振りかぶった。


 日本刀を上段に構え、彼女は私と相対する。


 その刃には、どす黒いカナの血がゆっくりと滴っている。彼女がそのまま剣を振り下ろせば、私の脳天は真っ二つだろう。


 ───日常で体験したことの無い、涙が出るほどの恐怖。


 私は明確に、生命の危機に瀕している。口元が震え、 動悸が激しくなり、息が乱れ頭が真っ白になる。



「貴女が私についてこなければ、ここで殺す。理解した?」

「……っは、いぇ、え」

「良いから、廊下へ出ろ」



 それは、命令だった。目の前でカナをためらいもなく殺した少女が、日本刀を振りかぶり、私へ下した命令。


 私に、抵抗する気力なんて無かった。






 廊下に出ると、たくさんの生徒が行き来していた。


 女子トイレから出てきた私の制服は、カナの返り血で真っ赤だった。しかも、私の後ろには、日本刀を携えたキチガイが悠々と歩いている。


 そうなれば当然……



「いやあああああ!!」

「なんだ!! 何だよアレ!!」



 生徒で溢れる廊下には、甲高い悲鳴が木霊した。


 血塗れの私を、日本刀を持った彼女を、多くの生徒が恐怖の対象と認識したのだ。至極、当然の結果だ。


 かくいう私も、怖くて怖くて仕方がない。いつ、脳天を割られるかわからない恐怖。後ろのキチガイが少し気まぐれを起こせば、私は殺されてしまうのだ。


 死にたくない。助けてほしい。いやだ。なんで私がこんな目に。


「そのまま、奇特部の部室へ向かって」

「は、はは、はい」

「走って! 今は、そんなに余裕がないの!」


 キラリ。


 風切り音と共に、私の顔の横から、日本刀が生えてくる。私の横髪が、パラパラと肩に落ちる。


 ヒ、ヒィィィ!? この女、突きやがった! 私のこめかみの真横を突きやがった!!


「う、うあああん!! 誰か助けてよぉ!」

「良いから走れ!! 私にビビってでも、何でもいいから!! 部室へ向かって!!」


 彼女の声にも、余裕がない。このまま彼女の機嫌を損ねれば、カナみたいに叩き切られるかもしれない。


 その重圧とプレッシャーに負け、私は走り出した。彼女の言う通り、部室へと向かって。


 違う場所に逃げれば、切り殺されるかもしれない。彼女に逆らったら、きっとそうなる。


「良いよ、そのまま!」


 川瀬は、恐怖で全力疾走している私の背中にピタリ張り付き、少しも距離を離せない。


 なんだよ、なんで日本刀持ってるのにお前の方が足早いのさ! おかしいよ、そんな文系っぽい見た目して運動神経抜群かよ!


 誰かの助けを期待し軽く振り向いたが、川瀬以外には誰も私達を追いかけてきていなかった。そりゃそーか、誰だって関わりたくないわな。


 ああ。私、このまま殺されちゃうのかな────?



 


「そう、降りて、旧校舎の方へ────っ!!」

「マリキュゥゥゥゥゥゥッ!!!!!」




 背後から、きゃあ、と言う短い悲鳴と、野太い男の絶叫が廊下に木霊した。



 同時に、私を追いかけてくる殺人者は、激突音を響かせ壁に叩きつけられた。


 振り向くと、肩を怒らせた男子生徒が仁王立ち、壁にもたれる川瀬を見下ろしていた。


 どうやら彼が、日本刀を持った女子生徒に決死の覚悟で体当たりをかました様だ。


 不意打ちだったのだろう。川瀬は大きく吹っ飛び、体を強打した後に立ち上がる気配が無い。


 かなり鈍い音だった。骨が何本か折れているかもしれない。




「っはぁ、っはぁ。ぶ、無事かマリキュー」

「ヒロ、シ」



 そんな、私の絶体絶命の窮地に割って入ってくれたのは、ヒロシだった。


 彼は、日本刀を持つ殺人者に対して臆さず、私の窮地を救ってくれたのだ。





「────は、走って」




 川瀬の声が、なおも続いた。



 何処かを切ったのだろうか。口元から血を零しながら、縋るように私を見て、彼女は嘆願する。




「部長の、所へ。今なら部室に居るから、走って逃げて!」

「おい、お前! 何でこんなことしやがった!! てか、その血誰のだ!? まさかマリキュー切りつけたんじゃねぇだろうな!!」

「走って、走って、走ってよ!」

「何を、意味わかんねぇことを! 今先生が警察読んでるからな、覚悟しろよ!」

「走って、部長に、タクさんに会って!! お願いだから、嘘じゃないから、信じて────」



 川瀬は、起き上がろうとして、起き上がれない。どうやら、ヒロシのタックルで足が折れているらしい。


 それでいてなお、私に走れと、懇願するように叫んでいた。




 その目には、大粒の涙が浮かんでいた。何時しか川瀬の声は掠れ、鼻声になって、なお私に逃げろと絶叫している。






 ───あれ。なんでだ。


 あんなに酷い目にあわされたのに。いつ殺されるのかと、恐怖に怯えきっていたというのに。


 私の直感は、この少女を信じろと叫んでいた。


 この場所から離れろと、脳内でけたたましく警報が鳴り響いていた。





『貴方は、命を狙われうる存在です。可及的速やかに、奇特部の部室に逃げてきて』


 彼女の手紙の内容が、頭にフラッシュバックする。


『奴等に、見つかる前に。貴女は、狙われている────』


 豹変した、カナの声が耳によみがえる。




















「見ツケタゾ」





 その時廊下に、無機質な声が響いた。



「……ちょうどいいところに! おい、そこのアンタ! このキチガイ女を縛るモン、何か持ってないか!?」


 誰も追いかけてきていないと思ったが、ヒロシの他にも男子生徒が一人、私を追いかけてきたらしい。


 ソイツは見覚えのない、普通の男子生徒だった。間違いなく初対面だ。


 その男子生徒は、こちらを一瞥し、まっすぐ走り出した。


 たた、まっすぐに。私をめがけて、無表情に。


 まるで、あの時のカナみたいに。



「ダメ! 逃げて、逃げてぇ!」



 川瀬の声が、廊下に響く。彼女の足は折れ、日本刀は廊下に転がっている。


 そしてヒロシは、走ってくる男子生徒に手を振り、川瀬を取り押さえ様としている。


 考えろ。どうすれば良いのかを。私は、私のとるべき行動は────





 目の前の状況を客観的に判断し、男子生徒の到着を待つ?


 叫ぶ殺人者を信用し、ここから逃げ出す?



 いや、違う。私は、私がすべきなのは、





 ────自分の勘を、信じる事!





「ヒロシ、ついてきて!! 私、一旦ここから、逃げる!!」


 殺人者を無条件で信用するのではない。自分の頭に鳴り響く、奴から逃げろという警報に従うんだ。


 彼女の言葉に嘘はないという、私の勘を信じるのだ。


 ……私一人での逃走じゃ、正直心細い。そしてヒロシは、とても頼りになる男だと私は知っている。


 だからヒロシに付いてきて貰って、ここから逃げよう。


 



「は? マリキュー?」

「ゴメン、ヒロシ、私を助けて! よくわかんないけど、何もわかんないけど、多分アイツから逃げなきゃダメっぽいの!」



 そう言って私は、廊下を再び駆け出した。その男子生徒から、逃げるように。部室の、川瀬の言っていた部室を目指して。


 戸惑った声を上げた後、ヒロシは私を追いかけてくれた。よかった、普段は弄られキャラの癖に、こういう時はとっても頼もしい。



 ────奇特部の部室を目指せ。



 川瀬の、殺人者の言うことを真に受けるなんて私はどうかしている。やっぱり私は、頭がおかしいのかもしれない。



「待てってマリキュー! どこに行くんだ?」

「旧校舎よ! ごめんヒロシ、ついてきて。全部後で話すから、今は傍にいて!」

「な、なんか知らんけど了解!」



 でも、よく考えたらおかしいのだ。川瀬が私を害そうと企むのであれば、機会はいくらでもあったはず。


 カナを殺したことは許せないけど、あの時のカナは様子がおかしくて、むしろ私が殺されそうで────



 あの時は強引に、川瀬さんは私を助けようとした様にも思えたから。



「マリキュー!! さっきの男子生徒、まだ追ってきてるぞ、知り合いか?」

「見たことない人、多分先輩? なんか様子がおかしいでしょ、きっと近寄ったらダメ!」



 背後から、表情を変えず淡々と私を追い続ける男子生徒。目の感じが、おかしくなったカナと酷似している。


 アレに近寄っちゃいけない。さっきからずっと、何の根拠もない勘が告げている。



「見えた! あの部屋!」

「ゲッ、奇特部の部屋じゃねぇかマリキュー!?」

「そうよ、あそこの部長が何か知ってるらしいの!」



 以前川瀬に案内してもらった、正式な部ではないので不正使用しているという、物置のような寂しい部室。


 調子に乗っていた私の心を粉砕した部屋。そしてきっと、こんな非常事態から私を助けてくれるだろう何かがある部屋。


 私は無我夢中で、その部屋のドアを全力で開き、転がるように部室の中へ駆け込んだ。









「……最早、たまんねぇよ。たまんねぇんだよ!!」

「イケませんわタク、目を覚ましなさい! ほら、私は男ですのよ!」

「それが何の問題だっていうんだ!? 良いから脱げこのカマホモ野郎!」






 扉を開けると、薔薇色の世界が広がっていた。


 全裸になったガタイの良い金髪の男が、女装した男子生徒に発情して組ん解れず、吐息のかかる距離で見つめあっている。




 あっふーん、お二人はそう言う……。




「マリキュー、この部屋に入るのはやばいって……、ってウワアアアアアァ!! やっぱりやばかったじゃん!! 2人だけの世界が広がってるじゃん!!」



 私に続き入り込んできたヒロシが、本格的♂な二人を見て絶叫する。


 そうだね。早くもこの部室に入ってしまった事を、私は後悔し始めていた。



「ちょ、え、お前ら何しに来た!」

「これは、その、違いますわ! 発情したタクが強引に迫ってきただけで、私に同性愛の趣味はありませんわ!」

「マイィ! その口縫い合わすぞ、それじゃ俺一人が変態じゃねぇか!! 女装してる時点で貴様もド変態だバーカ!」

「発情して襲ってきたのは貴方でしょう! このド変態!」



 頭が痛くなる会話が、繰り広げられている。こんなアホなことをしている場合ではないのに。


 川瀬が人を殺したこと、そして奇特部の部長に会いに行けと言われたこと。それらをかいつまんで説明しようとして────



 ガァン!!



 と、扉の開く音がした。


 男子生徒が追い付いてしまったらしい。奇特部の部室の入り口には、無表情な男子が仁王立ちをしていた。



「……うわ、来ちゃった!」

「は? ……オイ、オイオイ」


 その男子生徒は、私を見つめて表情のまま、ゆっくりと迫ってくる。


 ────そんな、彼の姿を見た瞬間。ホモホモしい奇特部2人の、目付きが変わった。



「おい、そこの乱入女子生徒。なんで、ここに逃げてきた?」

「……川瀬さんに、ここに逃げろって」

「あー、把握。ブン子の差し金かよ」



 金髪の奇特部は、忌々しそう呟いた。

 

 一方、男子生徒は脇目も振らず、私めがけて突進して来る。その目には、明確な害意が浮かんでいた。


 生理的な恐怖で、びくりと私は部室の奥の壁に張り付く。


「っと! 何なんだアンタ!」


 その様子に反応して、ヒロシが私を庇うべく男子生徒の前に立ちふさがり、私を背中に隠した。




 ────その時だ。何かを諦めたような台詞が、奇特部の方から聞こえてきたのは。




「壁、越えちゃったんだなお前」




 ────ずどん。


 発砲音が部室に響く。




 振り向くと、金髪の男子生徒が何かを構え、血を噴き出して倒れる男へ向けていた。


 嗅いだこともない鼻につく異臭が、部屋にこだまする、硝煙の匂い、という奴だろうか。


 男子生徒が血飛沫を上げ、前のめりに倒れ伏す。


 奇特部の金髪は、私に迫りくるその男を、小型のハンドガンで銃殺してしまったのだ。





「は、は? はぁぁぁ!?」



 目の前で人を撃ち殺されたヒロシが、恐怖で絶叫する。私も、思わず尻もちをついて倒れこんでいた。


 こいつらは、なんで躊躇いもなく人を殺せるんだ? というか、銃刀法……?



「越えちゃったなら仕方ねぇ、アンタを守るのは俺の領分だ」

「……はぁ。部員が増えるのを喜ぶべきか、新しい被害者を憐れむべきか。悩みますわ」



 何とも言えない表情の二人と、いきなりの銃殺に混乱しきっているヒロシ、震えて物も言えない私。


 何が起こってるのか、早く誰か説明してくれ。展開に全くついて行けないぞ。



「おい女子生徒! マリキューと呼ばれてたやつ、お前だ!」

「は、ハイィ!」


 尻餅をついて目を回していると、奇特部の金髪は私に向かって叫んだ。


「ここ最近の、お前のぶっ飛んだ経験を教えてくれ! 改めて、お前の入部テストだ」

「え、あ、えっと。ここ最近、で、ぶっ飛んだ経験って」




 ……それは、初日に聞かれたのと、同じ質問だった。確かあの時は、近所のガキに撮影され、Twitt〇rに動画を上げられたことを言ったんだっけ。


 今は、違う。ここ最近でぶっ飛んだ経験と言えば、一つしかない。



「実は最近、本気で頭がおかしくなったんだと思ったんです」

「それはどうしてだ? マリキュー後輩」

「だって何度も! 何度も何度も何度も! 同じ日を繰り返してたんですよ!! 死んだ人が次の日には生き返ってるし! ヒロシが突如として跡形もなく消え去るし!」

「え、俺?」 

「先生は同じ授業を繰り返すし、気がついたら真夜中になってるし、皆は何も覚えてないし!! こんなの意味が分からないよ! 誰か説明してよ!!」

「くっ、あーはっは!! そりゃあ間違いねぇな、お前はとうとうこっち側に来ちまったんだ!」




 私の答えを聞いたタクは、哀しそうに大爆笑して、流れるように銃の撃鉄を鳴らした。


 クルクルとハンドガンを回しながら、なんとも言えぬ表情を浮かべ、自分のこめかみに銃口を向けて。


 息を呑む私を尻目に、引き金に手をかけながら、引き攣った笑顔で語りかけてきた。



「さて、マリキュー後輩。覚えていられるなら、昨日(・・)の放課後、この部室に来てくれ。いいな?」

「は? 昨日?」

「待ってるぜ、後輩。歓迎パーティーの、準備をしておくよ」





 ずどん。




 二発目の銃声が、部室に響く。奇特部の男の脳漿が、部室の壁にこびりつく。


 笑顔で、自らの頭を撃ち抜いたキチガイが、赤い飛沫をまき散らしながら、糸が切れた人形の如く倒れこんだ。



 自殺した金髪から目を背けるホモ女装先輩と、展開ついていけずに困惑しきっているヒロシ。


 私だってそうだ。いきなり銃で自殺したキチガイに、言葉すら発せずその場に座り込む。


 どう言うつもりで、何が目的で、どうなったんだ。


 誰か。誰か、説明しろよ本当に。








 ────その直後。時間逆行(タイムリープ)が始まった。







 凄まじい不協和音が、耳をつんざく。壊れた逆再生のスピーカーが、高周波で鳴り響いたような、そんな雑音。


 私がまず最初に見たのは、自殺したその男の脳漿が、巻き戻しを見ているが如く逆再生に起き上がったその男の頭へと吸収されていくシーン。


 視線を移すと、私を追いかけ回し銃殺された男子生徒が、物凄い速度の後ろ走りで部室から出て行くところだった。


 部室の壁には、血痕一つ残っていない。


 男子生徒だけではない。ヒロシも、金髪も、誰も彼もが時を巻き戻され、後ろ走りで目眩がしそうな速度で動き回っている。


 部室にかけられた時計を見ると、凄まじい速度で逆回転していた。





 ────時間逆行(タイムリープ)が、目の前で起こったんだ。そう、理解した。






 やがて、巻き戻しは加速していく。


 空では、プラネタリウムみたいな速度で太陽が東へ沈んでいた。


 日が隠れると外は暗くなり、部室の中に誰も居なくなっまま、数秒後には西から日が昇る。


 再び明るくなった部室に、後ろ歩きで入ってきた少女が椅子へと座った。


 そして。徐々に時間の巻き戻る速度が、緩やかになってきて。本を読み戻る彼女の手が止まり、やがて────





 ────ページを逆回ししていた川瀬の手が、次のページへと読み進むようになった。


 部室の時計に目をやると、時計回りに秒針が刻まれている。






 時間逆行が終わり、再び時が未来へと流れだしたのだ。










「か、川瀬さん?」

「……っ!?」








 私は、私に逃げろと叫んだ少女、川瀬に話しかける。


「いつ、から、そこにいた?」


 私に声をかけられた彼女は、目を見開き、動揺して声を震わせた。


 そうか。彼女にしてみれば、いきなり目の前に私が現れた事になるのか。

 


 ……川瀬には、聞きたいことがたくさんある。


 今のタイムリープ現象について、とか。川瀬は何を知っているのか、私に何故逃げろと言ったのかとか。


 貴女の言うとおりに、私はここへ逃げてきた。だが、結局何もわからないままだ。


 今こそ。すべてを話してもらうぞ、川瀬さん────





「というか、何故貴女がこの部室に来たの? 二度と来ないで欲しかったのだけれど」

「……えぇ?」





 そんな感じで色々期待しながら彼女を見ていたら、めっちゃ不機嫌そうに私は睨み付けられた。


 何でや。

次回更新は1週間後。

やっと、序盤のシリアスさん終了です。

もっとコメディっぽくするつもりだったのに、どうしてこうなったのか。


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