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最終章 決戦……本当の敵と本当の別れ

そう、あれは試験前の一週間前の話だった。あれから自分は技を極めた。

そして今日もまたあそこに向かう予定だった。

自分にもついに黄色いフード服……いや、フードフォンを来ていた。私服に使うため、色は少し暗めに作ってもらった。


「はい、もしもし……七丘さんですね。はい、分かりました」


私はフードを被り、こうやってやり取りを取った。

コイトスはモナコちゃんがいるからと言い、練習を始めたあの日から共に過ごすことはなくなった。もちろん、あの場所……というよりも星野さんの車に乗れば会えるのである。七丘さんが言うにはそれほど心配らしいのである。


「お兄さんまし。あの姉さんから何ですまし?」

「あの姉さんって誰かな?」


ちょっとからかってみる。


「な……七丘姉さんまし……」

「車来たよっていういつもの連絡だよ。そんなことよりも……」


彼女と早く仲直りしなよ、って言うつもりだった。しかし……。


「あの……兄さんまし。大事なことを言うまし」


モナコちゃんがいう大事なことは何だろうか。


「うん、何かな?」

「タッグをこれから一時的に解消するまし」

「え?」


それはいきなりの宣告だった。彼女は私では守り切れないと見抜いてしまったのか?


「兄さんまし、安心して下さいまし。別に解消と言ってもここに来ることをやめて自分の中学に戻るだけですまし。もちろん、あそこに行けば会えますし、これまでと同様にタッグを組むことはやめませんまし。その際にはフォンフードで十分ですまし」

「……」


私は無言だった。何か言うべきだったのだろうか。


「さぁ、行きましょう。今の生活の最後のタッグのミッションを……とは言っても帰るだけのミッションですが……」


最後……その時、ある言葉が脳内に流れる。


"始まりは終わりを告げるものよ"


谷本百合さんの言葉だった。こういうことなのか。



その後、私たちは星野さんの車がある場所に行き、そこに乗り込んだ。七岡さんに大橋さんもいた。もちろん、コイトスもいる。


「モナコ、そろそろ私と仲直りしてくれないかな?」

「死ねまし」

「はぁ……そう言うと思って私、包丁持ってきたの……」


彼女はそれらしきものをカバンから持ち出して自分の胸あたりに向ける。

その時、大橋さんの目から静かに一筋の涙がこぼれた。


「ごめんなさいまし!!」


モナコちゃんの金切り声が響く。それを聞いた七丘さんは眉を上げてこう言う。


「死んで欲しいから死ねって言ったんじゃないのかな?矛盾してるね?それって……」

「ごめんなさいまし」


彼女はその言葉を何度も繰り返す。


「本当に泣き虫女ね」


そう言った彼女はその包丁に似たものを下に落とす。


「痛っ……くない?ってこれ折り紙じゃん。よく出来てるなぁ。さすが器用な七丘」


それはコイトスに当たった。私の目でもそれが折り紙で作られたと判断した。


「ごめんね。少し言い過ぎたね。でも分かってもらいたいからこうしたの。あなたも皆も弱い生き物なの。人間は支えあって生きていくものなの。だから簡単に死ねって言って人を追い込んではダメなの」


七丘さんは彼女を胸に抱きしめて頭を撫でていた。七丘さんがフードフォンで彼女を自分の横に座らせたのはこのためだったか。

私は横を見る。大橋さんが泣きながら口元だけ笑っていた。


「あの……お取り込み中悪いのですが……」と前にいる星野さんから声が掛かる。

「どうしたの?」

「それが七丘姉さんたち、驚かずに聞いてください」


私たちは彼から発した次の言葉に耳を疑った。


「アジトが燃えてます」

「もう一度言いなさい!!冗談は許さないわよ!!」

「七丘姉さん、これは冗談じゃありません。黒い炎でアジトが燃えてるのです」

「黒い炎?」

「もしかしたら谷本百合の仕業かもね」

「コイトスちゃん。冗談はやめときなさい。とにかく近くに行きましょう」


そして車はアジトの近くに到着した。七丘さんの技で黒い炎は消火した。


「ここにアジト、あったのにね」と七丘さんが言う。


私が地面に足を踏み入れた時、何かが触れた。それを手に取ったらコインだった。そのコインは自分と同じ黄色でMと書いてあった。


「それWだよ。星印が上方向だから」


コイトスの言う通り星印が付いていた。裏面にはDと表記されていた。


「このアジト内には少なくとも三十二人はいたはず。もしそれが全員分のコインが見つかれば僕ら六人に加えあと倉田双子と一人だけになる。遺体は黒い火と共に消えたかな」

「コイトス。ここに紙が貼ってあるようだぞ」


周りにその場にいた皆が来る。その紙には『貴様らの仲間の命はなくなった。悔しかったらアスノーヘルの建物で戦ってみなさい。馬鹿ども。神と呼ばれる者より』と書かれていた。


「なめやがってーーー!」


二人の女の声がした。その声の主はモナコさんと……。


「なんであんたがここにいるのまし。会いたくないって言ったでまし」


谷本百合がそこにいて彼女と共に同じセリフを言ったのである。


「ごめんね。あの時もあんたの好きな人を私の手で殺してけんかして会いたくないって言われて組織から離れたのに」

「あ、やっと思い出したよ」

「コイトス、何を」と私は聞いてみる。

「僕、見ちゃったんだよ。モナコの好きな男子が奴らの催眠で操られて百合を襲っていたの。でも彼は百合に言ったんだよ。俺はこんな姿で行ったらモナコを殺すかもしれない。だからお前が姉と慕っている彼女のためにも俺のためにも殺してくれって頼んでたんだよ」

「じゃあ、そう言えばいいじゃないまし」

「あえて言わなかったんだよ。モナコが彼を殺して悲しい思いをさせるのは姉の役目じゃない。モナコにひどい思いをさせて怒らせた対象の人物だけでいいって思ったんだよ……ね?」とコイトスはすかさず補足説明を入れる。

「そうよ。そしてコイトスからその記憶を省き、私が言うときには思い出させるようにした。まぁ、七丘姉さんには全てお見通しだったみたいだけど」

「面目ない……」と七丘さんは悲しそうに言う。


彼女がこんな顔をするのは会ってから初めてだった。


「あんた、消え始めてるじゃないまし」


モナコさんの言う通り消え始めている。


「もうそろそろ時間かな?」

「成仏の時間だね」

「モナコ。お姉さんからの最後の話聞いて」

「お姉さんじゃない、悪女の話なら聞いてやるまし」


ムッとした表情でモナコは言う。


「聞いてくれるならそれでいいわ。私が神社の井戸に入ってかくれんぼしたとき透明の液体のような者に会ったの……」

「それって僕たちが追い求めているグレイアスじゃないのか?」

「そうよ、私は奴とそこで戦って負けたわ。そして彼女は私に王茂子子という名前を与える代わりに私をくれって言い出したの。拒否権はなかった。私は彼女に奪われたわ。しかし私は彼女に戦えるように強く願ったわ。そして神の称号と言われるGまで生まれたんだけど奴にもその分の力があるようになったの。奴は私にこう告げた。残り半年だけならあんたを開放してあげる。その後は上の世界で優雅に生活してろ。モナコっていう奴もお前らの仲間も連れてってやるからよ。だから私はあんたの家にもコイトスの協力を止めに言ったのよ」


だから"始まりは終わりを告げるものよ"と言ったのか。

「百合さん、大丈夫。止めたとしても俺は行くよ。こんな心強い仲間が増えたんだから」と私は言う。

「あなたの決断は正しいかもしれない。でも奴らの戦いでくじけそうになったら会った時の言葉を……」


私は自信を持って答える。


「始まりは終わりを告げるものよ……だよね?」

「そうよ。それを忘れないで」

「じゃあ、この紙書いたのはグレイアスなのか?」

「そういうこと。コイトス、皆さん、この戦いを終わらせて……」


百合の体が浮かぶ。その様子を見たモナコちゃんが言う。


「百合姉さん。ごめんなさい」

「その呼び名、最後に聞けて良かったよ……ありがとう……そしてごめんね」


最後の言葉と共に彼女が消えた。


「コイン三十二枚ありました」と空気を読まないで言う星野さんと共にいる大橋さんが近寄る。いつの間にかその場から去ってたようだ。

「二人とも。百合ちゃんとモナコちゃんが再開して和解したんだから空気読みなさいよ」と眉を吊り上げた七丘さんが言う。

「へい……」

「まっ、ここで待っていても何も始まらない。アスノーヘルへ行こうじゃないか」

「ちょっと兄さんまし?ポケットが……」


ん?彼女に言われて見ると、ポケットが光っていた。その中身は自分のコインだった。コインが黄色から黄金になっていた。


「これは……」

「光の魂だね」

「コイトス総長。それは何ですか」


七丘さんは眉間にしわを寄せて言う。


「百合と同様に選ばれし者だけがなれるコイン。唯一の神殺しのコインとも言われている」

「あんた、やるじゃない」

「そんじゃあ、アスノーヘルへ行こうじゃないか」


コイトスは大きな声で叫ぶ。

私たちはまた黒い車に乗った。

決戦の場所、アスノーヘルヘ。


しばらくそのまま車に乗ったころ、あることをコイトスが話し始めた。


「彼女が死ぬ際に彼女は技を使いやすくしたみたいだよ」

「どういうことまし?」

「技名を略す……だよ。つまり英語の頭文字を取るだよ。モナコの赤弓(レッドバウ)ならRBみたいにね」

「なるほど」

「そういうわけで皆、頭の中でそれを考えること。そして今から最後のミッションを皆に伝える。倉田の双子たちもいいね?」

「うん」と双子の声がフードフォンから聞こえる。

「どんな手を使っても目的地にいる敵を倒すことだ!!」

「了解!!」と皆、声を揃えて言う。


私はコイトスにあることを思い出した。


「そういえばもう一人のコインの持ち主って……」

「ヒーローって者は遅れてやってくるものだよ」とフォンフードから若い男の声が聞こえた。

「本人がそう言うんだから。待つものだよ」


私たちは目的地にそうやって向かったのである。

そしてついに……。

「皆さん、起きてください。アスノーヘルです」


いつの間にか眠ってたようだ。

私が目を覚ますと星野さんの声が後ろから聞こえる。左を向くと大橋さんと目が合った。笑顔で前を差していた。

そこには七丘さんとモナコさんの唇がもう少しでくっ付きそうだった。

急に下で身震いをしてる者がいる。


「……ハックション」


コイトスだった。

彼女たちはその間隔を一定にキープしながらそれぞれ起き上った。


「あれ?もう着いたまし?」

「そのようね」


私たちは外に出ることにした。目の前に何かが来る。


「ねえ、あの建物って廃墟よね」

「皆さん、何してるんすか。車に乗ってください」


車の窓が開き星野さんが言う。私たちは彼に促され車に戻る。


「へい、クソお待ちどうさま。どうぞ、クソ召し上がりくださいませ。皆様、窓はご覧にならないように」


彼は車を急がせて何かに衝撃させた。


「星野?何したの?きゃー、人死んでる!!」

「こちらの方々はゾンビです」

「そうか、ゾンビか……じゃないわよ。紹介するな!!」


七丘さんはそう突っ込む。


「皆さん、ナイスクラッシュでした」と倉田亮が車を降りた私たちに言う。


ちなみに姫子はポテチを食いながら拍手をしている。

私たちの方に一人の女子が近寄る。


「百合姉ちゃんまし?」

「モナコちゃん、彼女はもういないのよ」

「あぁ、君がモナカか。ほれ、私の胸においで……」

「そうね。たとえお姉ちゃんが少し変わっても私のことはモナカって呼ばなかったわ」

「憎い子ね。BH(黒心臓=ブラックハート)」


モナコさんの口から血が出る。


「おい、貴様……。彼女の慕っていた百合の姿で彼女を傷付けてんじゃないよ」と七丘さんが言う。

「黙れよ、おばさん。BW(黒波動=ブラックウェイブ)」

「しまった。略されると技の使い方が把握できねー」


波のような物が彼女に当たる。すると彼女が倒れ込んだ。


「君もやらないのか、コイトス」


谷本さんの似た姿でコイトスに言う。コイトスの目の色が赤くなった。


「な・な・お・か、さっきはよくもやってくれたな」

「コイトス?」

「くたばってしまえよ、ブスが……表現判断外(アピールジャッジアウト)

「晴美……」


どこからか高い声がする。


「大橋さん……」


彼からだった。そして彼女をかばうかのように上から大きな何かが落ちてくるのを防ごうとする。


「姉ちゃん、行くよ。無口さんが危ない」と倉田亮が言う。

「うまーい」と倉田姫子はポテトチップスを食いながら言う。

「WWU(風起こし=ウィンドウェイクアップ)」


二人はそう言い亮は左手、姫子は右手を地面に付ける。落ちてきたものが大橋さんにも誰にも当たらないようにスムーズに落ちていく。


「催眠から目覚めるまでブスっていた言葉を後悔させてあげる」

「晴美、ごめん。お人形さんみたいに小さくてかわいいから許して」


コイトスは赤色から青色になっていた。小さいって言うと怒りそうだなと私は心の中で思った。もちろん、彼女の反応は……。


「お人形さんみたいに小さくてかわいい……ふふふ。ありがとね」


コイトスは私の方を見てムンクの叫びのようなポーズをして「生きてる、良かった」と言っている。


偽物の谷本百合は標的を変えたようだ。


「双子が邪魔ね。でも片方殺してしまえば楽よね。ほら、ポテトチップス食ってると狙われちゃうよ。私のこと覚えているわよね」

「ごめん。お菓子のこと以外興味ないから知らない。亮なら知ってる」

「お姉ちゃんはまったく……」と亮も補足して言う。


「なーんて、見せかけて狙いは君よ」


いつの間にか偽物である谷本百合は私の後ろにいた。


「オバサンって呼んだあなたは私の手で殺してあげるから」


そう言って七丘さんは彼女に飛び蹴りをする。


「WS(水剣=ウォーターソード)」

「BAB(暗黒時代誕生=ブラックエイジバース)」


二つの技が出ると思われた。しかし……。


「お前、俺の右腕なのに爪が甘いな」

「なんで……」

「うぅ……」


彼女はその一言と共に口から血を出し倒れた。一瞬の出来事だった。


「七丘さん!!」

「あれは……ディライトの神……」


コイントスはこの世で天変地異に遭遇してしまったかのような表情をして言う。


「おい、なんだ?あれは?」


私はそう言った。雲が出てきたと思ったらその渦から青色、赤色、黄色、緑色の四色の布らしきものが絡まった物が現れた。


「創作の神、ディライトの神ましよ。水を操る青色、火を操る赤色、雷を操る黄色、風を操る緑色……まし」

「モナコさん、大丈夫なの?」

「お姉さんの偽物残してそう簡単に死ぬわけないまし」

「グレイアス、無様だな」

「すみません、ディライトの神様!今私の手で奴らを殺しますから」


グレイアスがそう叫ぶ。やはり谷本百合の偽物であるこいつがグレイアスか。

「あんたを殺すのは私よ」

「七丘姉さん、お供しますまし」

「えぇ、頼むわ」


グレイアスが長い剣を持ち七丘さんに飛び付く。


「BSFRBC(黒刀飛翔走黒雲=ブラックソードフライトランブラッククラウン)」

「BSSFS(青海朱雀場盾=ブルーシースザクフィールドシールド)」


彼女の周りからグレイアスに向かって氷が細く伸びる。


「くそ……止まる気なんてない!!」


グレイアスに細い氷が当たり全身が凍り始める。

「七丘姉さん、ありがとう」

「さぁ、あんたのキレた分をここで斬りなさい……ってダジャレみたいに言ってる場合じゃなかった」


七丘さんはその場に倒れ込んだ。氷がものすごい勢いで解け始めている。体に植物のツルが巻き付けられた。緑の光が輝く。

近くにいた大橋さんの仕業だった。笑みを浮かべてる。心の中で「お疲れ様」とでも言ってるのだろう。


「ふん。小娘の苦手分野だろ、それ」


グレイアスは強がって言う。


「苦手分野ましか?私の苦手分野は動いているものであって……」


彼女はものすごい勢いで走ってグレイアスに近づく。


「あんたみたいに止まっているものは別の話ましよ……RTBDMS(赤宝玉死瞬刀=レッドトレジャーボールデッドモメントソード)」


氷と共にグレイアスが焼き斬られていく。


「泣き叫ぶ暇もなかったみたいましね、液体さん……」


モナコちゃんはその場で倒れ込んだ。


「七丘さん、モナコちゃん。そこで待っていて下さい」と私は言い、ディライトの神に向き直った。

「人間風情がよくやってくれたな」

「もう、やめないか。ディライトの神」

「何だ、コイトス。お前がこっちについてそこにいる人間共を殺せよ。それがお前の夢だろ」

「あぁ。昔はそうしたかったよ」

「コイトス?」

「総長?」


私もみんなもコイトスの方を向く。


「俺は人間と馴染んで気が変わったよ。俺が昔、狐として住んでいた場所を戦争や環境破壊などで破壊されてから恨んだこともあった。だからお前に頼んでこの力をもらった。でもよい人間を殺そうなんて気は起きねえよ、お前みたいにな」


コイトスはディライトの神に徐々に近づく。誰も足や手を動かさない。


「それでお前はこいつらに力を与えた」

「なぜだか分かるか?」

「俺を倒すためだろう」

「お前もそうだが俺を殺すためでもある。お前を阻止するには俺がお前の近くで死ぬことだ」

「おい、貴様。なんで俺の弱点を知っている」

「細かい話は……この世から消えてからゆっくり話そうじゃないか」


コイトスは私たちを見る。そして高く飛びディライトの神にしがみつく。


「神殺しの奴も見つかったというわけか」

「あぁ……これが最後の総長命令だ。皆のもの、これより『無命団』は解散とする!そして我々の戦いはこれをもって終了する。代表として秋上成助に我らの処刑を命ずる」

「そうはさせるかよ……」

「総長、この場所とアジトは私がなんとかします」

「本当にヒーローは遅れてきたな、刑事の小僧」


最後のコインの持ち主は茶色いコートを着た刑事だった。


「初めましてだな、秋上くん。君たちが指名手配とかにならないのは私の地位と能力があったからだ。だから君はここで暴れていい。ちなみに私のコインは透明だから誰にも気が付かれにくいのだ」

「そういうことなら……コイトス総長、みんな、今までありがとうございました!!」


私は足早にコイトスとディライトの神に向かって飛び付き、刀を抜く。

そして……。


「FBUNS(光吹雪森羅万象新刀=フラッシュブリザードユニバースニューソード)」

「ND(天変地異=ナチュラルディレイサー)」


ほぼ同時だった。私たちはまぶしい光に包まれた。



エピローグ


眩しい光が顔に当たり目が覚めた。

私は長い長い夢を見ていたのだった。

私は体を起こし母親が作った朝食を食べテレビを見た。そのテレビには高校の時に自分の手相を占った彼が特集として出ていた。

その彼はこう言った。


「私は手相占いをして大きな失敗をしたことがあるんです。その人は生命線が無かったんですが、私はこのとき彼に何も言うことが出来なくて笑ってしまったのです。このせいで彼の手相の噂が広まってその度に私はなぜ励ます言葉を何も言えなかったのかが悔しいのです。もし会ったら彼が喜ぶ結果になる占いをしてやりたいです。だから今はポンコツ占い師です」


私もこれを聞いたら彼にまた占ってもらいたい気になってしまったのである。

夢の出来事を思い出しつつ、試験が始まるまで一週間になる大学の授業を受けるため身支度を済ませ家を出るのだった。


そして自動販売機を眺めてる一人の女の子を一目見てからそのまま学校に行くのだった。

日付は進んでも、コインおよびそのアジトは消えていたのだ。

彼らにまた出会えることを信じて。 (完)


*おまけのあとがき*

お読みいただきありがとうございます。


隠れ少女の続編です。といっても王茂子子が出るだけですが。


さて、1章の最初の部分、あれ、ほぼ実話と言ってもいいかもしれません。ちなみに自分、手のひらに生命線ありません。正確にはかなり薄いです……っていうかその形が途中で消えてるような……そんなことを考えてたらこのお話が出来てしまったのです。


もう一度、言います。

お読みいただきありがとうございました。


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