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俺、実家の手伝いをする  作者: くろのわーる


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第5話

 異世界へ転生してまもなく3年が経とうとしていた。


 俺はというと2本の足で立てるようになるやいなや父レオンによって英才教育が開始された。


 初めての鍛練は剣術の素振りだったがチートのおかげですぐにものになり、父の指導は日増しに激しさを増していった。


 そして本日も敷地内にある訓練場にて騎士達に混ざり立合い中だ。


 騎士や兵士達も俺のチートの効果で剣術スキルがカンストした達人級に達しており普通に考えれば、3才児と立ち合うなど考えられないが意外と良い勝負を繰り広げている。


 騎士達に至っても父や兄たちといったチート的存在の下地があるので俺が子供離れした実力を発揮したところで驚くどころかむしろ父レオンの息子ならこの位は当たり前みたいな雰囲気だ。



「そこまでっ!」



 父の気迫溢れる声が訓練場に響き渡り午前の鍛練が終了する。

 相手をしてもらった騎士達に礼を言い、脇に控えていたマリアから布を受け取り汗を拭き取る。


 訓練の後は最近の日課である城内にある図書室で勉強と情報収集をしている。

 今日は歴史の本を読もうと考えていると父に呼ばれたので返事をして父の元へ向かった。


「父上、どうかしましたか?」


「今日も良い動きだったぞ!」


 レオンは親指を立てながら白い歯を光らせる。


「この調子ならアーサーも将来は立派な『騎士』になること間違いなしだな!」


「はいっ!立派な『冒険者』になれるようにこれからも頑張ります」


 父は俺の上達の速さに気付くなり騎士として大成すると確信したらしくなんとかして騎士にしようと画策してくるが俺自身は相変わらず堅苦しそうな騎士になる気がないので静かなる闘争が繰り広げられている。

 おかげで端から見れば3才にして反抗期を迎えたようになっている。



◇◇◇


 父との騎士になれるならないといった心暖まるやりとりを終わらせ、昼食もそこそこに足早に図書室へと向かい歴史書に目を通していく。


 俺が転生した、このナイトレイ王国はラーナ大陸の中央部に位置する国で出来たばかりの新興国家でもあるようだ。

 北には大国であるルヴォーグ帝国が位置し、西にセントネル王国、東には獣王国が南に連合諸国がひしめき合っている。

 元々ナイトレイ王国は隣国であるセントネル王国の一部だったのだがセントネル王国での人間至上主義の考えに疑問を抱き、異を唱えた先王、当時は公爵だった祖父が亜人達(獣人、エルフ、ドワーフ等)の保護を理由にセントネル王国に反旗を翻して建国したのが始まりだ。


 建国当初はセントネル王国との戦力差は明らかで苦戦をしいられると予想されていたが獣人達を守る戦いに賛同した獣王国からの支援もあり、また国内が乱れた隙を突き、セントネル王国にルヴォーグ帝国が進攻した為、セントネル王国はそちらに戦力を当てざる負えなくなり大きな戦争に発展することなく建国を果たしたとある。


 歴史書の内容について俺に付き添っているマリアに質問等をしながら摺り合わせていくと現在でもセントネル王国とルヴォーグ帝国の国境では小さな小競合いがたびたび起きていて父レオンが国境にある砦でたびたび指揮をとっているとのこと。

 帝国との国境には山脈が広がっており、帝国軍がナイトレイ王国に進攻するには山脈の谷間を進むしかなく大軍での行軍は難しく、しかも堅牢な砦が待ち構えているので撃退は容易いので大概は対セントネル砦に居ることが多く頻繁に王都を留守にしているのはその為だ。


 王が居ない王都とか内政は大丈夫なのか心配になってくるが国王であるのに率先して先陣を切る父レオンの国民からの支持や人気は凄まじいらしく、政策も対セントネルに対ルヴォーグと簡単な為、まったく問題ないとのこと。

 そして、後2年後には天才と名高い長男のレイナートが成人するので内政面についてかなり期待されているらしい。


 内心で心底、長男じゃなくて良かったと思いつつ、隣国に虎『ルヴォーグ帝国』と狼『セントネル王国』がいる状況まさに【前門の虎、後門の狼】では父レオンが俺をチート騎士にしたがるのかわかったような気がするが同時に俺が自由な冒険者になる為の道のりが険しいことも悟った。


 冒険者を諦める気は今のところ、まったくないがこのままでは説得は難しいと言わざる負えまい。


 そこで俺が冒険者をすることにより有益だというところをなんとか証明しなければならないと思うのであった。



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