第四話 Two deaths
「また、起きてしまったのか」
俺は起き上がってすぐに、皆の生死を確認しにいった。
死亡したのは、神谷恵美だ。
他の皆を見たが、やはり返り血を浴びている者や服が濡れている者は一人もおらず、ナイフなどの武器がどこから出ているのかは全く分からない。
「また死んだのか」
「やっぱ死んでんじゃねえか!」
皆も熱くなっていた。
俺もそろそろ、どうやって裏切り者がプレイヤーを殺しているのか知りたい気持ちもあるが、今一番分からないことが一つだけある。
もしナイフがフェイクだとして、遠距離射撃によって返り血を浴びずにプレイヤーを殺しているのだとしたら、その遠距離射撃に使った武器は何なのか。
残念ながら死体を調べても弾丸のようなものは見つからない為、弾丸から線状痕を調べようとしても無理だし、その為の道具も無い。
だが、もし遠距離から射殺したとしたら、それは多分威力が弱い武器だと推測出来る。
何故なら強い武器だとしたら、壁や床は無傷では済まないと思う。
ただ先程の、片間の死体を見たときには気付かなかったが、俺はある重要な事に気付いた。
片間の死体が横たわっていた床にも、神谷が横たわっていた床にも共通する特徴。
それは何故か、ナイフを刺された位置の真下だけ血が消えているということだ。
多分遠距離攻撃説が正しいとすると、着弾した痕ごと消す為に絵の具か何かで床の色に塗りつぶしたのだろう。
そう考えてみると、明らかに床が不自然に思えてきた。
他の床はそこまで綺麗じゃないのに、その床のみ新品みたいな感じをしている。
遠距離説は、ほぼ確定だ。
あとは、それを誰がやったかだ。
「なあ、天夜」
「分かってる。遠距離攻撃説は確定なんでしょ?」
「お前も分かったのか」
「でも君と同じで、誰がやったのかは見当も付かないよ。
あ、でも武器の出所は分かった気がする」
「ん、どこなんだ?」
天夜は上を指さした。
通気ダクトを。
「もしかして藍田君、こんな単純なことにも気付かなかったの?」
ぐっ。
痛い所を突かれたなあ。
「悪い・・・・・・」
「別に謝ることじゃないよ。見落としくらい、人間なら仕方のないことだよ」
「そうだな」
天夜と話している内に、もうタイムリミットが迫っていた。
「おっと、そろそろ時間みたいだね」
「そうだな・・・・・・」
「あ、そうだ藍田君。僕、タイムリミットが来る前に新月君と話したいことがあるから、ちょっと失礼させてもらうよ」
「ああ、分かった」
天夜はそのまま、新月がいる廊下まで飛び出していく。
それから十分後。
催眠ガスが放射され、藍田は眠りについた。
◇◇◇
また見覚えのある光景。
少女の口の動きから推測出来た単語は、『し』と『わ』。
◇◇◇
目が覚めた。
目の前で、サッカー選手の虹腹啓介が神谷達と同じように、背中にナイフを刺されながら死亡していた。
そして他の皆の無事を確認しに行くと、頭を押さえながら苦しそうな表情で気絶する天夜と、血まみれで死んでいる新月の姿も見えた。
松野心夜です。氷のピアニストを更新した松野心夜です。
この後活動報告書こうと思ってます。はい。
今回初の二人死亡ということですが、皆さん展開について行けているでしょうか。
僕も途中コレ書いててわけ分かんなくなるときありますよ。
まあそんなこと言ってても仕方ないですがね。
取りあえず次回も、お楽しみにね。