8/12
8月 ソーダ色
8月 ソーダ色
水色が増える
空色が増える
泡が増える
涼しそうな色が増える
人工的な色付けではあるけれど
汗粒が落ちながら
瓶をのぞき込めば
閉じ込められた小さな泡の世界
周りは水粒の世界
小さい頃の記憶と
大きくなってからのノスタルジー
わざわざ思い出すために
ビー玉の有無を確認する
音も匂いもするような昔
変わったはずの青い空
この色を見て夏をぼんやり思うのは
この国でだけ
涼しいのではなく涼しそうだ
泡が踊っている
そんなイメージだけで
じゃらっと氷の中に放り込まれた
同化したガラスとその中身に
ニヤリと笑う
きっと冷たいのだろう
ニセモノでも
ホンモノでも
氷とガラスの瓶と雲のない空が
一色になって夏の一部になる
その一部にキミがいればいいのにと
ビー玉残して飲み干す
夏は折り返した