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『貴殿の葬方』  作者: 魚目
5/7

光葬

(光はすぐに消えてしまうように、私も貴方の記憶から消えてしまいたい)



 貴方にとって、私とはどのような存在だったのでしょうか?

「愛してるよ、勿論愛してるよ!君がなくなったら僕がどんなに悲しむか!」

 私は、貴方の泣き顔なんて見たくは無いは。

「うん、じゃあ死ぬなよ、死なないでくれ!僕の前からいなくならないでくれ!」

 ‥‥‥ごめんなさい。それは、やっぱり出来ないみたい。

「なんでだよ!‥‥‥なんで‥‥‥。」

 だって、私の身体はもうもたないみたいなの。人間の身体とは脆いものね。‥‥ねぇ、貴方が悲しまないように、私は貴方に一つだけおまじないを架けていくは。それで、貴方は泣かなくてすむもの。‥‥そして、それは私の願いでもあるから。






「‥‥あれ、お前。」

 彼は一人、部屋の真ん中に置いてある椅子に座っていた。

「どうしたんだよ!彼女の葬式だろ?言ってやんないのかよ‥‥?」

 彼の手には、彼女が『いるはずだった』の写真が握られていた。その写真には、笑顔で写っている彼しかいなかった。‥‥彼の記憶のように‥‥。

「‥‥‥なぁ、彼女って‥‥誰?」



 彼は、一筋の涙を流していた。





(記憶は無いのに、悲しいのは身体が覚えているからなのですね。嗚呼、やはり人間とは愚かで醜い生き物だ。)

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