表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『貴殿の葬方』  作者: 魚目
4/7

優葬

 優しかった。ただ、優しくて私は彼を好きになった。大好きで、ただどうしようもなく、好きで。愛していて。

 ‥‥‥‥‥そして私は、それだけではどうにもならなくなってしまったと、今悟った。

「好きだよ。」

 と私を抱きしめている手が、腕が、身体が、背中が。ガタガタと震えている。

「‥‥‥ごめんね。」

 私がそう言って、彼の手を私の首まで持っていく。

 ‥‥そして彼は私の首を絞めた、ぐっと親指に力を込めて、力強く。‥‥けど、私をいつも優しく見詰めていた瞳からは、大粒の涙を流して。‥‥‥何がそんなに悲しいの?これが、貴方の優しさでしょ。大好きよ、愛してるわ。私の願いを叶えてくれたもの。だって、これが私の望みだもの。

「‥‥‥ありがとう。」

 最後は貴方への感謝の言葉を言って、優しい貴方の手に抱かれて死にたいのよ。






 僕は、明日死にます。それは、予め決めてある事実で、運命で、そして彼女も今日死ぬことが運命で。‥‥嗚呼、この世の神とは残酷で優しくなんか無い。

 世界で一番優しいのは、僕を壊してしまうほどの君であると、僕は悟った。



(貴方が死ぬ1日前に私は死んで、貴方が死んだときに世界が何色に染まるか確かめてみたいのよ。)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ