4月7日・朝
「初音さん、おはようございます。」
登校中、空に会った。この間の告白を思い出して、めちゃくちゃドキドキする。4月2日に空と私は付き合い始めた。誰にも話してないけど。でも、それ以来、会ったのは初めて。5日ぶり。やのに空は何事もなかったみたいにいつも通り。私はめちゃくちゃドキドキしとうのに……。ヤバイ……。顔すっごい熱い。多分顔真っ赤。どうやって空と話せば良いんか分からへん……。挨拶せぇへんのはやっぱおかしいよな……。よし、落ち着け、相沢初音!!
「おはよう、空。」
途端、空の頬が緩んだ。
「良かった……。初音さん顔真っ赤ですよ。ちょっと安心しました。この間のことでドキドキしとうのは僕だけじゃなかったんですね。」
「嘘やぁ~。絶対嘘。全然見えへんかったし。」
「そっか。上手く隠せたんや。初音さんの顔真っ赤なんも治ったっぽいし、行きましょっか。今日はゆっくり行けますよ。何か嬉しいです。ほら、一緒に登校っていかにも恋人って感じでしょ?」
恥ずかしいことさらっと言ったな……。あぁ~、もぉ、またドキドキしてきた……。気持ちよくって、ちょっとくすぐったい。恋、始まったんやなぁ、って改めて幸せを噛み締めながら、ゆっくり歩く。