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運命の別れ  作者: 当麻 雪夏
15歳
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4月2日・告白

―4月2日―

「世界一大切にするんで、彼女になってください。」

「えっ?」

部活の帰り道。いつもの時間。いつもの風景。いつもの二人。そんな“いつも“を揺るがす突然の告白。自分の声に驚いた。次の言葉には自分でもはっきり分かるくらいの動揺を含んどって、ちょっと震えとった。

「どぉいうこと?」

「そぉいうことです。読んで字の如くです。」

「……。」

「好きです。初音さんが。」

「ごめん。何て答えるんが正解なんかな?」

「どんなんでもOKです。『Yes』とか『No』とか『ごめん。ムリ。』とか『空とは付き合えない。』とか何でも良いです。アンドいつでも良いです。」

「そっか。」

「はい。」

流れる沈黙。伝えたいことはいっぱいある。でも、口が動かない。なのに、沈黙に耐えきれない。気まずい。

「えっと……。初音さん?」

「えっと……。そっか……。にしてもネガティブ過ぎるやろ……。『No』って言って欲しいの?」

「んなわけないでしょ。欲しい答えはひとつです。」

「えっと……。うん。答えは………、『Yes』私の彼氏になってよ。空。」

「はいっ!喜んで!!」

「よし。んじゃ、帰ろ。」

「はい。」

祝福するような優しい夕日を背に、歩き始める。いつもの時間。いつもの風景。いつもよりほんのちょっと近づいた空と私の距離。空は私が好き。聞いてびっくりした。でも、すっごい嬉しくて、何かくすぐったい気分。恋の味を噛み締めながら、ゆっくり、ゆっくり歩く。私の隣には、広前空。テニス部の後輩で中学二年生。私が大事にしなきゃな人。私は空が好きなんかな?まぁ良いか。今日からよろしく。今日は、恋の始まり。

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