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パラレルワールド  作者: KOU
第1章新たな世界と少年と
8/23

1-5 [4歳]森の中で

無詠唱と詠唱破棄の違いが不鮮明になっていたのでその部分を2話目に書き加えました。

とは言え、音の発生源が魔物だったら、洒落にならないので、音を立てずに慎重に、発生源に近づく。魔物。この世界には魔物という存在がいる。魔物は強い。大体第6級魔法が使える個人で同等程度の実力のものからその上や下にいたるまで、様々な強さの魔物がいる。


この世界の貴族ですら平均して第5級魔法が使える程度なので、第6級魔法が使える人はさらに少ない。それでとやっと同等に戦える魔物がいるということはそいつには普通の平民では歯が立たないということだ。それゆえに、人間はパーティを組んで集団で魔物を相手どるのである。


幸いにも魔物は数が少ない。魔物というは動植物が変化してそれになるからだ。動植物が変化して魔物になるのだが現状では一体どういうプロセスを経て魔物かしているかわからない。一説によると外魔力が濃くなったところに長期間動植物がいると魔物化するのではないかといわれている。また動植物が変化して魔物化したものでは明らかに無いものもいるが、それは、外魔力が直接生み出したのではないかといわれている。このパターンで発生した魔物は基本的に最高クラスの強さを誇る代わりに発生自体が非常に稀であるので、人生で1度も会うことはないだろう。


音の発生源が仮に魔物じゃなく、野生の狼とかだったとしても、第1級初期魔法しか使えない俺じゃ太刀打ちできないだろう。狼で単独が相手なら勝てないことは無いと思うが。


「てか俺、なんつー危ないことしてたんだよ。一人で外をであるくなんて・・・」


魔物等のことを一切考えていなかった自分の考えの無さにあきれたが、今はそれどころじゃない。音の正体を確かめて、危険ならば即座に逃げないと。


俺は相手に気づかれないように忍び寄っていった。





これは、女の子の声か?何かと争っているのか?


茂みからばれないように、様子を窺う。


女の子と・・・大の男が3人だ。おそらく女の子の方は泣いている。何を言い争っているのだろうか。耳を澄まして会話を聞いてみる。


「お嬢ちゃん。怪我してもう逃げられないようだな。」


「パパ・・・助けて・・・助けてよ・・・」


「来るわけねぇだろ、バーカ」


「ウェヘヘ」


「ゲェヒヒ」


「パパ・・・パパは来てくれるもん・・・」


「ゲェヘヘヘ、じゃあお前の父ちゃんがどうして助けに来ないかわかるか?」


「ウェヘヘ」


「グェヒヒ」


取り巻きも含め笑い声が汚らしいな。


「それはな、・・・・・・・・・」


・・・溜めすぎだろ。早く言えよ。


「俺がお前の父親を殺したからだよ。死んだ人間が助けにこれるわけがねぇだろ」


「ガサ」


「あ?なんだ?・・・おいちょっとお前見てこい」


やべぇ、つい体が反応して音立てちまった。ひとまず隠れてんのがばれない様に逃げるか。


「???おかしら何もいませんぜ?」


「ふーん、まぁ気のせいか。」


小さい体が功を奏したか。無事バレずに済んだようだ。


「・・・どうして、どうして私のことを追いかけるの・・・。お父さんを返して、返してよ・・・」


「なんだ、おめぇ。まさか知らないのか?まぁ父親が隠してたのかもな。」


「?」


「ゲェヘヘ、どうやら知らないようだな。いい機会だ。教えてやるよ。お前はエルフの血を引き継いでんだ。お前の母親はエルフなんだよ。この話を聞きだすためにくろうしたぜ?お前の父親、拷問してもいわねぇんだから。しょうがないから家を漁ってやっと証拠を見つけ出したんだ。お前の家は隠滅のために今頃は燃えてるだろうけどな。」


エルフだって?エルフは種族的に非常に高い魔力を持っている。そしてエルフは基本的に他種族に対し排他的なのだが、稀に人里に降りてきて人との間に子を成すことがある。その生まれた子にはエルフの特徴は何一つつかないのだが、唯、魔力だけは非常に高いという特質を受け継ぐらしい。ということはまさか・・・


「・・・ようやくわかったようだな。お前は貴族相手にバカ高く売れるんだよ。お前は貴族に子を生ませる機械として売られるんだよ。つってもまだどういうことさせるかはわかんねぇだろうがな。」


「・・・売られる・・・?」


「まぁ、いいや。そろそろ俺、そろそろ花町にいきたくなってきたな。お前ら、はやくとっつかまえろ。」


「ハイ、おかしら」


「お頭、金はどう分けるんです?」


「あ?俺が7でお前等が1にきまってんだろ。」


「お頭、そりゃないっすよ、せめて2割はもらわないと割りにあわないっす」


「うるせー、とっとと仕事しやがれ」


俺はどうすればいい?正直あいつらが言った話は本当だろう。感情的に言えば今俺はあの3人を殺してやりたい、一方で客観的に考えるとここは逃げるべきだ。なぜなら大の大人3人にガキ1人がかなうわけが無いからだ。いや、だが、しかし・・・


「いやぁ・・・助けて・・・助けてよ!」


そして俺はウインドアローをお頭の頭めがけて放った。

次は12日の19時に予約投稿です。


9/10 お頭の取り分を間違えていたので修正



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