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パラレルワールド  作者: KOU
第1章新たな世界と少年と
7/23

1-4 [4歳]魔法のアレンジ講座

少し長くなった。

まぁ、家に帰った後はこっぴどく叱られたわけだ。でも2回目ともなると慣れもあってかつ、母親もつかれてきたそうで、それほど強くは怒られはしなかった。うん。自宅軟禁が自宅監禁にかわりそうだったけどね。


そして、夕食時


「あなた、またイータが勝手に家を抜けだしたんですよ。」


「イータも、遊びたい年頃なんだから許してやれよ・・・」


「あ゛?」


「いや、勝手なこと言ってすいません」


「『息子が遊びたい年頃だから遊ばせてやればいいじゃないか』って思うんだったら、イータが外で遊んでるときの保護者、あなたがやってくださいよ?」


「いや、ほら俺はいろいろと書類承認したりしなくちゃならないし・・・」


「できないんだったら勝手なこと言わないでください」


「・・・はい、すいません・・・」


「あとあなたには事後承諾になりますが、イータを逃がした今日の門番は解雇しましたから」


あのヒゲ、解雇されたのかよ。たしかに俺が逃げ出すときヒゲはどっか行っていなかったけど、一回のミスぐらいで解雇は酷すぎると思うんだが。なんか俺が抜け出したせいで、解雇されちゃうとか・・・こっちが悪いわけではないということはわかってるんだけど、罪悪感かんじちゃうな。


「1回イータを逃がしたくらいで解雇っていうのは|些か≪いささか≫厳しすぎるんじゃないか?」


おっ、父上も俺と同意見か。


「あの雇った門番ですが本日の勤めの時間中にもかかわらず花街にいるところを、目撃されてます。大方さぼってもばれないと思ったのではないでしょうか」


・・・俺の同情を返せ。


「・・・それは、解雇せざるを得ないな」


「それで、新たに2人、雇う要請を出しておきました。」


「あぁ家のことはまかせたよ。すまないなシータ。仕事をさせてしまって。本来なら俺がやるべき領分なのに。」


「いえ、あなたには領地の管理という大役があり、家のことを任されるってことは、結婚前からわかってましたので・・・」


「イータ・・・」


「あなた・・・」


なんでこの御両人はいつおまにかラブラブムードになってんだよ。まぁ、母上も静かにしてれば美人だし、父上も顔のつくりは良い方だから傍からみればお似合いのカップルなんだけどね。正直、俺も愛する人がほしいとは思うけどまだ体は4歳だし、心は魔法に夢中だから今はいいや。


いつもなら、今後の方針を考えてから寝るんだけど、今夜は2人のためにはやく寝るとするか。





翌日


さて魔法の鍛錬に行くか。


警備に穴がなくなってるんですけど。門番さんは1人のままだけどすごく気合入ってるし。どうやら昨日解雇されたことが相当効いてるのか、微塵も脱出できる隙が無い。


どうするか。


ちょっと古典的だけど、あの石を投げてそちらに気を引いた隙に脱出を図るとするか。成功するとは思えないが。


石を投げて、よし、今だ。脱出。成功か?まだ振り向くなよ。もう少し待てよ。


「あっ」


バ・レ・タ


???


変だな追って来ないぞ。確実にバレタんだが。こっちは4歳なんだから、追いかけてくれば逃げ切れる訳は無いんだが。・・・まぁいいや、練習できれば。



同日森の広場


今日は昨日決めた方針の鍛錬と、魔法の改造をしてみよう。そういや、初めて魔法を使ったときファイアボールが本に記されていたハンドボールサイズではなくて、バランスボールサイズになってたが、これはおそらく、必要魔力のうちかなりを自分の内在魔力を使って使ったからじゃないかと思う。魔法を使い始めてすぐは、わりとこういうことが起こりやすいと書いてあった。魔法を使うにあたって、必要魔力分を自分の魔力全てで賄うことは基本的には誰にでも出来るらしい。でもそれだとほんとにすぐ魔力が切れるから、外魔力を混ぜてつかうらしい。


さて、魔法の改造だが、俺は第1級基本魔法で気に入らないものが一つある。それは風の魔法、ウインドボールだ。

風の玉をぶつける。悪くは無いんだが、風の基本魔法っていったらアロー系じゃないか?俺はそうおもう。というわけで今回はウインドボールの形状を変えることをしてみようと思う。ウインドアローつったって、中身はただのウインドボールなわけだが。


さて魔法を少しアレンジするわけだが、それには呪文から考える必要があり、またイメージもしかと持たなければならないらしい。


そしてウインドボールの呪文はこうだ。


『万物を飛ばす風の力よ、塊となりて全てを吹き飛ばせ、ウインドボール』


ファイアボールの魔法の呪文と酷似している。まぁ○○ボ-ル系はこうなのかもしれない。


さて、まず形状を変化させるんだから、『塊と~』の部分を変えれば良いのかな?とりあえず変えてやってみよう。


『万物を飛ばす風の力よ、矢となりて全てを吹き飛ばせ、ウインドアロー』


なんか文字数的にきにいらないので『矢』のまえに『風の』をくっつけてもとの魔法と変化が少ないようにしてみる。


『万物を飛ばす風の力よ、風の矢となりて全てを吹き飛ばせ、ウインドアロー』


使ってみる。おおっ、成功だ。矢っぽい形をしている。だがしかし飛ばそうとしたら、矢の癖に縦横斜めに回転しながら飛んでいった。・・・おそらく元が、ウインドボールで、ウインドボールの魔法も少し回転をしているのでそれが残ったから起きたのだろう。ということは回転の方向を示してやれば矢のように飛ぶはずではないだろうか。


・・・どうやって示すんだよ。とりあえずそれっぽくつけてみた。


『万物を飛ばす風の力よ、回転する風の矢となりて全てを吹き飛ばせ、ウインドアロー』


・・・成功した。いいのかこんな適当な感じで。まぁ確かに『回転する矢』といわれたら、弓で放たれた回転する矢を想像できるが。成功したんだがら良しとしよう。


で、威力は?木がだいぶえぐられたほどか。速度は今までのよりは速くなっている。いま俺が使える最低威力のウインドボールもこんな感じの威力だし、ウインドアローの中身もウインドボールだからこんなもんなのかもしれん。ちなみにファイアボールはウインドボールより速度が遅い代わりに威力は少し高い。たぶん一番攻撃力の低いウインドボールだったら木がへこむ程度の威力になるはずなので、まだまだ魔力調整は出来てないといえる。精進あるのみだな。


ここでふと思った。アローなんだから『吹き飛ばせ』じゃ無くて『吹き貫け』のほうがいいんじゃないか?


物は試しだ。やってみよう。


『万物を飛ばす風の力よ、風の矢となりて全てを吹き貫け、ウインドアロー』


「えっ?」


・・・手前の木が貫かれて、その奥の木の四分の三ほどまで、穴が開いた。貫通力はものすごく上がっている。そして速度もかなり。ただし攻撃範囲が狭くなったな。どっちかっていうとこっちのウインドアローがアローっぽくてかつ使いやすくていいな。これは重宝しそうだ。


よしウインドアロー完成だ。


あと、第1級魔法で文句があるのが、ウォーターボ-ルだな。正直、『ウォーターウィップ→凍結』をコンボをやってみたい。かなり敵の足止めに重宝するのではないだろうか。


「凍結ってどうやるんだよ・・・。」


この夢の実現にはまだまだ長そうだ。


魔法をアレンジし終わったあと、俺は普段の鍛錬にもどりつつこんなことを考えていた。


「いずれは体も鍛えなきゃダメだよな。」


いくら魔法が使えるからといって身体を使った攻撃が必要ないわけではないだろう。どうやらこの世界では身体強化魔法というものは存在するが、効率が悪く、長時間は使えないらしいし、使う人は少ないらしい。剣で攻撃しつつ、詠唱して魔法で補助、というのがこの世界の基本的な戦い方らしいので(魔法に特化した人や、剣術に特化した人もいるそうだが)体をつかった剣術はできた方が良いだろう。


正直に言おう。俺は転生前は全然運動してこなかった。運動は嫌いとまではいかないが好んでしようとは思わなかった。まぁそれどころじゃなかったというのもあるが。


どうしようか、・・・もう少し大きくなったら父親にでも何かしらを習うか。今現在は1人息子なのだから頼めば教えてくれないということは無いだろう。むしろ親としては嬉しいのではないだろうか。


とりあえず保留だな。


・・・考え事をしていたのできづかなかったが、なんか音が聞こえる。


「・・・」


なんの音だ?こっち方向からするな。ちょっと見に行ってみるか。

そして俺は森の広場から森の中に入っていったのであった。


10、11、12日は忙しくて書けそうも無いので10日の19時に1本予約投稿しておきます。



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