1-3 [4歳]そして俺は再び龍の逆鱗に触れる
翌日
さて、自宅軟禁を喰らった身なんだが、別に鎖に足を縛り付けられているとかそういった状況ではない。ただ家の外に出してもらえなくなっただけだ。そう、家は一応筆頭貴族なので門番がいるんだが、その人が母上に言われて俺をだしてくれないのだ。ではどうするか。小さい子というのは(大きくなっても当てはまりもするかもしれないが)禁止されたことは逆にやりたくなるものだ。俺は体は子供、頭脳は大人であるから(わかりやすく言うと、コ○ン君状態)理性が働いて、特に脱出したいとは思わないが、今は子供を装っている身。ここは脱出を図るしかないだろう。いや決してワクワクなどはしてないぞ。なんか転生したからか知らんが、精神も若返っている気がするな。
それはさておき、どう脱出するか。とりあえず、家をみて回るか。
正面右手の庭だ。割と広い。私有地とそれ以外の境界は垣根によって分けられている。垣根が無い境界の部分は門のとこだけだろう。最悪ここで魔法の練習を積んでもいいんだが。流石に4歳の幼児が手から火炎球だしてたら変だろう。それに第1級魔法が使えるようになるのは、大体8歳ごろらしい。まぁそこから爆発的に魔力が上昇するらしいんだが。
それはさておき俺は庭までは了承されているので出られるがその先は敷地を囲う垣根に行く手が阻まれてしまう。日夜整備されてるせいで、垣根には通れるような穴は無い。大人の体だったら垣根程度だったらどうとでもなるだろうが、子供の身体能力じゃむりだな。他をあたろう。
門だ。門番が突っ立っている。すいぶんと髭の濃いおっさんだ。といっても30過ぎほどなので俺の精神年齢とあんまり大差があるわけではないが。こいつは以後ヒゲとよぼう。このヒゲは警備を一人で行っていた。なのでなんかの用事でいなくなってくれさえすれば脱出できるのではないか。ちなみにヒゲは腕はそれなりにたちそうなので気絶させてその先に出て行くなんて芸当は今は不可能だろう。とりあえずヒゲがいない隙をつくが脱出方法の候補だな。
正面左手の庭。とくに右手の庭と変わりは無い。割愛。
裏手庭、ベンチが置いてある。本を読むのにいいかもしれない。いずれまたこよう。脱出できそうなところは、・・・古びた裏手門がある。こんなもの家にあったのか。硬く閉ざされているがあけられたらいい脱出経路になるかもしれない。しかし、とくにそれ以外は抜け出せそうなとこはなかった。
ここでお気づきの方もいらっしゃるのかもしれないが、この家は建物を取り囲むように、庭がある。狭い日本に住んでいたときには考えられなかったことだ。そのせいでイメージだがよくお姫様がやるような、靴下を結んでひも状にして、2階から脱出といった方法は不可能だ。そのお姫様が走り幅跳びのワールドレコードをもっているなら垣根まで越えられるのかも知れないが。
しょうがないので、門番付近に張り込んで、ヒゲが用を足しに行った時等を狙うことにする。・・・警備中にそんなことをするような奴が門番なんて仕事できるわけがないとは思ったが、何もしないよりは何か光明が見出せるかもしれん。
というわけで正面門に戻ってきたわけだが、・・・ヒゲいねぇ・・・。ざる警備すぎんだろ。いいのかよこんなんで。ま、まぁなんか棚ボタ的だが脱出できるに越したことはない。これはチャンスとおもって俺は脱出した。
同日、森の広場
よしとりあえず鍛錬をしよう。とりあえず、各々の第1級魔法の確認だ。
火の第1級魔法ファイアボール
水の第1級魔法ウォーターボール
風の第1級魔法ウィンドボール
土の第1級魔法バインドアイビィ
「なぜ土だけ規則にのっとってないんだよ!」
いかんいかん、ひとりでツッコんでても傍から見ればただの頭のおかしい人だ。自重しよう。さて疑問だ。なんで土だけ第1級魔法が『○○ボール』じゃないかだが、なんとなくわかる気がする。仮に土の魔法が○○ボールだったらいったいどんな感じだろうか想像してもらえばわかる。「サンドボール?アースボール?グラウンドボール?・・・どっちにしろ土の塊じゃねぇか。その辺に転がっている石でも投げた方が魔法使ってぶつけるより効率的だろ。ということなのではないか。
そうそう言い忘れていたが、いままであげた魔法は各階級魔法のなかで最も基礎の魔法だ。ちゃんと各属性同じ級に他にも魔法はあるからな。ちなみに土の第1級魔法には最も基礎の魔法ってわけではなかったがマッドボールという魔法があったりする。
話を戻すが、魔法を見る限り、各属性の基本的な特徴は、
火:攻撃に特化
水:バランスがよい
風:速さに秀でている
土:足止め、補助、防御等が得意
ということではないだろうか。土の第1級魔法なんて邦訳、『束縛するツタ』だからな。まだ第1級初歩魔法しか見てないからかならずこうとはいえないが。土の協力な攻撃魔法とかもありそうだしこれはあくまでそんな雰囲気なんだろうなー、程度に思っていた方がいいのかもしれない。
さて鍛錬だが、俺はドラ○エなどのRPGゲーをやるときにはまずひたすらレベリングをしてから洞窟とかに挑むタイプだ。ゆえにとりあえず1年は基礎固めをすることを心にきめた。鍛えるのはもちろん無詠唱、変換速度上昇。あと魔力の使用量の正確化?とでもいえばいいのだろうか、要するに細かく正確に使う分だけ魔力を出せるようにする技術の向上だ。
そして鍛錬がおわり、日が傾き始めたので俺は魔王城に帰った。
・・・連日の無断外出は流石にやりすぎたようだ・・・。
ヒロインがなかなか出てきませんねぇ(汗
なかなか思っている1章展開が書けないです。