1-14 [5歳]そうだ、街へ行こう(前準備)
短いですが、キリが良いので。
さてあの事件から大体1年ぐらいが過ぎた。時間の経過と共にあの事件の存在は人々の頭から抜けていき、そして今日ついに、街への外出許可が下りた。
「ついに街に繰り出すときがきた」
非常に嬉しい。確かに魔法は調べたりしていると楽しいが、だからといってこの世界に興味がないわけではない。太陽が2つあるのも気になるしな。
基本的に地形は地球に似ているようだ。また東の国には黄金の地があるとされている。これが仮に地球と同じ地理なのであれば、そこは日本でここはヨーロッパのどこかなのだろう。
太陽が2つなのはどうしてだろうか。まぁこれについては調べてもわからない気がするが。
とりあえず、明日は街へ出かけるとしよう。
それで、準備なんだが父上に相談したところ、貴族の第1子だとばれると「誘拐」とかで正直危険らしく、少し裕福そうな町人の息子という設定の格好でいくことを進められた。おれは特に格好にあーだこーだ言うつもりはないのでかまわないが。そのかわり護身用のエル・シャルル家の紋章がはいった高そうな短刀を渡された。これは貴族であることの証明になるそうだ。失くさないようにしよう。
そしてフェルムの格好も、もちろん普通だろう。とよく考えれば町人の子供の隣を歩くんだから、そんなに派手なファッションであるはずはないことは自明の理だ。
母上曰く、『今回は服装に手のかけようが無くてつまらなかった』とのことだ。次に期待しよう。
フェルムは可愛い方だと、俺は思う。といっても今は可愛くても将来どうなるかはわからないが。フェルムに対しては同年代であるのだが、俺の精神年齢が20歳を越えているためどうしても、姪とかに対して感じるような可愛いという感情以外にはなにも感じない。まぁ姪なんていた事はないが。たぶんいたらこんな感情が沸くのだろう。
さて服装の準備はいい。次は持ち物だ。といってもお金と短刀くらいしか持つものが無いが。というわけでお金なんだが、今朝方盗賊の懸賞金が入った袋を確認したら、金貨2枚が加えられてまた手紙が入っていた。そこには母上の字で、楽しんで来なさいと書いてあった。1C=1円でも2万。1C=10円だと20万なんですが、そんな大金5歳児に持たせんなよ・・・。平民一ヶ月の収入越してるんですが・・・。
持ち物はまぁ良いだろう。後は予定を立てねば。といっても街に何があるのかがわからないんだがな。一回目だし行き当たりばったりにぶらついてみるか。デート失敗って事には、まぁなんないだろう。
・・・あしたは歩く回るので、ちょっと早いがもう寝る事にする。楽しみすぎて、寝られるかはわからんが。
☆★☆フェルマ☆★☆
明日はイータとのデートです。今、私は生きていていいのでしょうか。パパは殺され、恐らくママは私を捨てて出て行ったのでしょう。ママの話になったときにパパの顔が少し強張ったのは今でも忘れられません。
最近は私は生きていていいのかといつも思います。パパは死んでしまった。この世界に生きていく意味はあるのかと。イータに助けられた当初は強がって何も無かったように人と接してましたが、もうそれも限界です。
とりあえず、明日は折角の、人生初の、そして初恋の人とのデートです。楽しもうとおもいます。明後日からは・・・そのときにまた考えるとしましょう。私はもう≪疲れました|・・・・・≫。
おやすみなさい・・・。
☆★☆
ちょっとばかり時間軸がずれていたので修正