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幕間

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「最後のエルダー・ワンと思われるバグデータを発見しました。どうなさいますか?」

日本のどこかにある鉄の軍団の本部。その指令室で総帥が部下の報告を聞いていた。

「放っておけ。我々はすでに四体のエルダー・ワンを手に入れ、計画も七割近く完了している。今更その一体を手に入れた所で我々の計画は揺るがん」

「了解しました。では失礼します」

一礼すると部下は指令室を出て行った。

「最後の一つが見つかることはいいことだが別にそれが無くても支障はない。それに無闇に動いてこの計画を破綻させる訳にもいくまい」

「ですが総帥。最後の一体はあの忌々しい古之が最初に南極で見つけ、我々の手の届かない所に隠した代物。何故今になってそれが起動したのか私には不思議でなりません」

「参謀よ。今回のは恐らくただのバグだろう。奴のことだ。既に最後の一体はオルディック協会に手渡していたに違いない」

「しかし…協会に潜り込ませているスパイからは何の手がかりも得られていませんが…」

「古株の大野賢介が個人で所有しているとされている大金庫。あの奥に隠しているのだろう。何にせよそれを手に入れた所で計画が早く完了するだけであって我々の統べる新世界の完成が早まるだけだ。だがあまりにも早すぎる革新は受け入れられない。早めずに予定通りにするのが一番いい」

総帥は立ち上がると自分の座っていた玉座の裏にある隠し通路の中に消えていった。

「…」

参謀は隠し通路の入口が完全に消えたことを確認すると通信機を取り出し、自分の部下に連絡を取った。

「私だ。お前に頼みたいことがある。…。エルダー・ワンと思わしきバグデータが発見された。すぐにその真偽を確かめてくれ。ああ。頼んだぞ」

参謀は通信を終えると小さくため息を吐いた。

何故総帥は真相を確かめないのだろうか。全てのオルディックロボの祖である五体のエルダー・ワン。彼等に使われている技術の三分の一程度しか未だに解明できておらずまた誰が、どこで何のために作ったのかさえ不明なのだ。もし五体とも手にすることが出来ればその謎を解き明かせるはずなのに何故…。

「まあいい。雨宮がその真相を解明してくれるだろう」

参謀は低い声で笑うと指令室を後にした。


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